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韓国Kリーグの外国人補強は運任せ?GMの「宝くじ」発言で露呈したスカウトシステムの問題点

  • 2022.8.13
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8月11日午後、ソウル新門路(シンムンロ)の牙山(アサン)政策研究院大講堂で行われたKリーグ外国籍選手制度改正のための公聴会では、制度改編をめぐって多様な議論が交わされた。

さまざまな意見が出たなかで、肝に命じられるようなメッセージもあった。昨夏の東京五輪でU-24韓国代表を率いたキム・ハクボム元監督による、外国籍選手のスカウトシステムと関連した発言だ。

この日、パネラーとして参加したFCソウルのユ・ソンハンGM(ゼネラルマネージャー)は、「ブラジルや欧州から若い選手を連れて来られるほど、Kリーグのスカウトシステムは高度化していない」とし、「欧州では1チームだけでスカウトが20人近くいることが一般的だが、我々は3人程度しかいない。そのため、映像だけで選手をチェックしなければならない。言うなれば、外国籍選手は“宝くじ”みたいなものだ」と発言した。

現状のKリーグのスカウトシステムを考慮すれば、例え外国籍選手の枠を拡大したとしても、優れた選手を獲得することは現実的に容易ではないという自嘲交じりの意見だった。FCソウルは今季、開幕前にかつてV・ファーレン長崎にも在籍した元オーストラリア代表FWベン・ハロラン(30)を獲得。しかし、リーグ戦では2試合で総出場時間68分にとどまり、わずか4カ月で契約を解除していた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ベン・ハロラン

ユGMは続けて、「プロチームの本質はファンが優先であるということだ。結果中心で進んでしまえばリーグはダメになる。規模拡大や国的な競争力を取り上げる前に、内実を固めることに集中しなければならない。マーケティングや地域社会などへの貢献に集中することが優先だ」とし、Kリーグが来年に発足40周年を迎えるにもかかわらず、プロスポーツとしての本質を満たしていないと指摘した。

ユGMの論理であれば、Kリーグはこの40年間でスカウトシステムを高度化できず、むしろ放置していたという指摘とも捉えられる。外国籍選手の獲得を、宝くじのように確率の低い賭けと同等にみなすのは、これまでKリーグのチームが見せてきた無能さ、安易さを自認した格好だ。

「Kリーグはスカウトシステム強化にけち」

実際、公聴会に出席したキム監督も同じ問題を指摘した。

キム監督は「Kリーグのチームはスカウトの部分から手を加えなければならない。選手獲得で失敗したお金は惜しくないのに、スカウトシステム強化のために必要なお金はもったいないのか。Kリーグはそういった部分に時間を割くことにけちだ。スカウトシステムにもっと積極的に投資をし、リスクを減らさなければならない」として、スカウトシステムの強化が補強失敗の確立を減らし、財政を節約することにもっと役立つ点を強調した。

キム監督の言葉通り、高額の移籍金で獲得した外国籍選手がKリーグで失敗する例は数えきれないほどある。実際に現地で長期間視察して獲得することが難しい環境であるため、エージェントの推薦を受けて映像を確認しただけで獲得するケースが多い。そうなれば当然、成功の確率は落ちる。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)キム・ハクボム元監督

かといって、Kリーグにおける外国籍選手補強を“宝くじ”と表現するほど、すべてが運任せというわけではない。

優秀な外国籍選手を獲得し、売却時に初期資本より多額の移籍金を手にした事例も多くある。一部のチームはスカウトを現地に派遣して詳細を確認し、Kリーグでの成功の可能性を占ったりもする。このように、外国籍選手獲得に成功するケースも少なくない。

Kリーグの外国籍選手制度を改正すべきかどうかの論点は、各チームの利害関係によって複雑に交錯する。たちまちすべてを解決するような正解はない。何が正しくて何が間違っているのか、明確に表すことが難しいのが事実だ。

ただ、外国籍選手枠拡大の話を抜きにしても、現在のスカウトシステムを放置したままではいけないということは明らかだ。

現状を嘆いて無責任に“外国籍選手補強は宝くじ”と言うのではなく、失敗の確立を減らすために各チームで努力をすることが求められる。

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