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台風被害で雨漏り…「全部無料」の言葉信じて工事契約し大金失う惨劇

  • 2022.8.8
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日本は災害が多く、全国で台風、地震、大雨や土石流被害などさまざまな天災が生じています。

こうした天災に乗じて悪質商法がまん延するケースも多いので、被災地域の方は注意しなければなりません。特に最近「自己負担なしで家を修繕できる」などの甘い話で被災者に近づいてくる業者が問題となっています。実際には無料にならず、予想外に高額な請求をされるケースが多数です。

今回は災害時の詐欺や悪質商法について、佐藤さん(仮名、50代男性)の事例をもとに学びましょう。

佐藤さん(50代男性、自営業)のケース

佐藤さんは妻と大学生の息子、高校生の娘の4人暮らしです。家は父から引き継いだ物件で老朽化が進んでいました。雨漏りまではしていないものの、屋根が傷んで修繕が必要な状態に。ただリフォームとなると費用もかかるので先延ばしにしている状況でした。

そんなとき、地元に台風が来て雨風が家にあたり、屋根の傷みが一気に進んでしまいました。倒壊は免れたものの、その後雨漏りするようになって早めに改修しなければならない状態になってしまったのです。

業者による訪問販売

佐藤さんは屋根の修理業者を探さねばなりませんでしたが、元々やらなければならないことにすぐに取り組むのが苦手なタイプ。先延ばしにしていたところ、業者の方から自宅を訪ねて来たのです。

営業マンは「屋根の無料点検をします。状況によっては無料で工事できる可能性があります」と勧誘してきました。

佐藤さんは「無料で工事してもらえるならこんなにありがたい話はない」と思い、すぐに点検を依頼しました。

「無料で修理できる」との甘い話

点検が終了すると、業者は佐藤さんに以下のような言葉を告げて工事を勧誘してきました。

・先日の大雨で屋根の状態がかなり悪くなっている。このままでは雨漏りがさらにひどくなるのは時間の問題なので、早急に改修工事をすべき。

・雨どいも外壁も一緒に工事できるので、まとめて発注するのがいい。

・修繕費用については保険が出るので、自己負担は生じない。

・今回壊れた分だけではなく、以前からの不具合や経年劣化分についても保険で賄える。

・保険の手続きや修理業者の紹介なども全部こちらで行うので、佐藤さんはほとんど何もしなくていい。契約書に署名押印だけしてもらえれば対応できる。

思いがけず「保険を使えば無料で工事できる」「今回壊れた分だけではなく以前からの分も全部無料になる」「面倒な手続きは一切ない」などのうれしい言葉をかけられて佐藤さんはすっかりその気になり、その場で契約書に署名押印しました。

クーリングオフに関する書面も渡されましたが、佐藤さんは「わざわざ解約する必要はない」と思って内容を見ることもありませんでした。

高額な請求が来る

数日後、実際に業者が建築請負会社を手配し、屋根の修理が行われました。外壁もピカピカになって家族も大喜び。保険金手続きも思った以上に簡単で、佐藤さんはほとんど何もしなくても済み、「今回は本当に得をした」と思っていました。

ところがその後、業者から「実は保険が下りなかった。正規の工事代金がかかるので支払いをしてほしい」「屋根が思った以上に傷んでいて雨どいや外壁工事もしたので高額な費用がかかっている」などと連絡が来たのです。

請求額は、なんと300万円。災害に遭ったばかりの佐藤さんにそんなお金はありません。業者へ「請求の内訳を教えてほしい」と言っても、ずさんな明細書が示されたのみ。「もう工事も終わっているのでクーリングオフや解除にも応じられない」と言われてしまいました。

佐藤さんは、泣く泣く業者の言う通りに300万円を払うしかありませんでした。余裕資金がないので、子どもたちの学費のためにためていたお金を取り崩し、子どもたちには「アルバイトをして学費を稼ぐように」と告げるしかない情けない状況となったのです。家族にも多大な迷惑をかけてしまいました……。

●だまされてしまった佐藤さんを救う方法は? 後半へ続く>>

福谷 陽子/法律ライター・元弁護士

京都大学法学部在学中、司法試験に合格。勤務弁護士を経て、法律事務所を設立し、約7年間独立営業。中小企業法務や債権回収、不動産の任意売却やカード破産などの案件を多数手がけた。悪徳商法、投資詐欺などの消費者問題にも深い知見がある。現在は弁護士時代の経験を活かして、各種の法律メディアにて執筆、監修、編集、さらに法律事務所のWebマーケティングなどに携わる。

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