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「ご教示」と「ご教授」の違いは? 正しい使い方や意味を現役アナウンサーが解説!

  • 2022.8.7
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「ご教示ください」や「ご教授ください」は使われている漢字も発音もよく似た言葉ですが、意味が異なります。「ご教示」「ご教授」それぞれの意味と、使い方を解説していきます。
「ご教示ください」や「ご教授ください」は使われている漢字も発音もよく似た言葉ですが、意味が異なります。「ご教示」「ご教授」それぞれの意味と、使い方を解説していきます。

仕事の取引先や目上の人に対して何かを尋ねたい時、「教えてください」という言葉をより丁寧に表現するにはなんと言うのがよいのでしょう。

よく聞く表現に「ご教示ください」や「ご教授ください」があります。使われている漢字も発音もよく似た言葉ですが、この2つは意味が異なります。

今回は「ご教示」「ご教授」それぞれの意味と、使い方を現役フリーアナウンサーの笠井美穂が解説していきます。

「ご教示」と「ご教授」の違い

「ご教示」や「ご教授」はそれぞれ、「教示」「教授」に尊敬の意味の接頭語「ご」がついた言葉です。それぞれの意味は次の通りです。

・教示:知識や方法を教え示すこと。(「大辞泉 第二版」小学館)
・教授:学問や技芸などを、継続的、組織的に教え授けること。(「日本国語大辞典 第二版」小学館)

「教示」に含まれる「示(しめす)」という言葉には、相手に対して何か事実を明らかにする、または、気持ちや意向を表すという意味があります。「教示」は一般的な情報や意向などを示す場合に使われます。

これに対して「教授」に含まれる「授(さずける)」という言葉には、師が弟子に教え伝える、伝授するという意味があります。専門的な知見や技能を、ある程度継続して教える場合に「教授」という言葉が使われます。

どちらも「教える」という意味は共通していますが、その内容によって使い分けが必要です。

「ご教示」「ご教授」を使った敬語の表現

「ご教示」や「ご教授」を敬語として使う場合は、「~いただく」や「~くださる」といった表現を使います。「ご(教示・教授)くださる」は「教えてくれる」の尊敬表現、「ご(教示・教授)いただく」は「教えてもらう」の謙譲表現で、いずれも相手への敬意を表すことができます。

一方で、「ご(教示・教授)してください」「ご(教示・教授)していただく」というような表現を聞くことがありますが、この表現は尊敬語としては間違いです。

「ご~する」というのは「~」という動作を行う人がへりくだる謙譲の表現ですので、教示・教授する側の人の立場を低くしてしまい、失礼になります。よく似た表現ですが、注意が必要です。

「ご教示」の例文

「教示」は、ビジネスシーンなどで用いることが多いかもしれません。例えば、取引先とのやりとりで、意向を聞きたい場合やスケジュールの確認をしたい場合などは「教示」が適切です。

(例文)
・ご都合の良い日時をご教示ください。
・必要な資料がございましたら、ご教示いただけると幸いです。
・先日ご教示いただいた方法で進めさせていただきます。

「ご教授」の例文

「教授」は、何かに取り組んだり学んだりする際、その分野でより技量が優れた人や学識のある人に教えてもらう場合などに用います。「教示」に比べると、教える人の地位が高かったり、教えてもらうことの重要度が高かったりする場合もあるため、より丁寧な敬語表現を使うこともあるでしょう。

(例文)
・先生の芸術論をご教授いただけますと幸いです。
・この度受賞された研究分野について、ご教授願えますか。
・長年培われた貴社のノウハウをご教授賜りたく存じます。

「指導」「指南」との違いは?

「教示」や「教授」と同じように「教える」という意味を持つ言葉には、他に「指導」や「指南」があります。

・指導:ある目的や方向に向かって導くこと。(「類語大辞典」講談社)
・指南:武道・芸道などで指導すること。(「類語大辞典」講談社)

この2つの言葉には「導く」というニュアンスが含まれます。「学習指導」や「行政指導」などに使われるように、目指すべきかたちが決まっていて、そこに向かう道筋を示す場合は「指導」、また茶道や剣道などの分野で指導することは「指南」となります。

迷ったときは……

ここまで示してきたように「教示」と「教授」は意味の異なる言葉なので、使い分けが必要です。また、「指導」や「指南」など似た意味を持つ言葉も多いため、どの言葉を選ぶべきか判断に迷うこともあるかもしれません。

それぞれの言葉の意味や使い方をしっかり理解し、正確に使い分けられるようになりたいものですが、もし迷った場合は、「お教えください」や「教えていただけますか」など、「教える」という動詞をそのまま使った敬語表現にするのも一つの手です。

■笠井 美穂(かさい みほ)プロフィール
福岡県出身。九州大学文学部を卒業後、KYT鹿児島讀賣テレビに入社。退社後は、報道番組を中心にフリーアナウンサーとして活動。これまでの出演は、NHK北九州放送局「ニュースブリッジ北九州」、NHK BS1「BSニュース」、NHK Eテレ「手話ニュース」、NHK ラジオ第1「NHKきょうのニュース」「ラジオニュース」など。

文:笠井 美穂

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