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歯科医師に聞いた!歯磨き粉の選び方や注意すべき成分とは?

  • 2022.8.3
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毎日の歯磨き、歯磨き粉はこだわっていますか? 今回は、ヒグチデンタルクリニック院長の三枝遵子先生に歯磨き粉を選ぶときの注意点や選び方について伺いました。

歯磨き粉を選ぶときに注意すべき成分を教えてください

色々な歯磨き粉が市販されていて、何が良いか迷ってしまいますよね。良くないと思われている歯磨き粉の成分について調べると、一般的に研磨剤や発泡剤が挙げられています。そのせいか最近は研磨剤を清掃剤と記しているものもあります。

また、無水ケイ酸、炭酸カルシウム、リン酸水素ナトリウムなどが挙げられます。そのほか、発泡剤のラウリル硫酸ナトリウム、香味剤のサッカリンナトリウムも良くない成分としてよく挙げられています。しかし、どの成分も過剰に摂取すれば、有害になるでしょうが、歯磨き粉メーカーもこれらのことを踏まえ、健康被害が出ないよう適切な配合で製品を作っていますので、歯科医や歯科衛生士は歯磨き粉を使った歯磨きを推奨している方が大部分だと思います。

歯垢や着色を取れやすくするために歯磨き粉を使っていただきたいのですが、歯垢が取れていなければ薬用成分もそれほど期待できないです。それよりも大事なことは歯垢をよく取れる歯磨きをするかです。

また、虫歯予防のために入っている、歯になじみの良いミネラルであるフッ素のことは皆さんもご存じかもしれません。フッ素だけでは安定した物質にならないので、フッ素とナトリウムをあわせたフッ化ナトリウムという安定した化合物にして配合されている歯磨き粉が多いです。虫歯になりやすい方は特にフッ化物配合という歯磨き粉を選んで下さい。ただ、こちらも良いものだからと過剰に摂取すれば歯が斑状に白くなることもあると言われています。先述通り、どの成分も過剰に摂取することはおすすめできません。

出典: 美人百花.com

最近、新しくできたクルクミン配合の歯磨き粉で、私のクリニックでは歯肉がよくなったという患者さんが多かったので、歯周病を気にしている方には、おすすめしています。

お悩み別に歯磨き粉の選び方を教えてください

虫歯予防・・・フッ化ナトリウム(NaF)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)などのフッ化物配合、キシリトール配合(唾液分泌促進し再石灰化期待)

歯周病予防・・・殺菌剤配合(歯周ポケット内の歯周病菌減少期待)、抗炎症剤配合(歯茎の炎症を和らげる)、クルクミン配合(歯周病菌の中のP.g菌を減らす作用期待)

知覚過敏・・・硝酸カリウム配合、乳酸アルミニウム配合

ホワイトニング、着色除去・・・プロプレングリコール配合など

歯磨き粉には必ず成分や使用上の注意なども記されていますので、購入時に一読し、ご自身にあったものを選ぶことをおすすめします。

歯磨き粉の適切な量はどのくらいですか?

子供は1〜3ミリくらい、大人は1〜2センチくらいです。一昔前は、歯磨き粉は少量つけ磨く時間を長く&丁寧に磨くことを推奨していましたが、高濃度フッ素を配合することが2017年に許されたことにより、最近はたっぷりと歯磨き粉をつけてフッ素の成分をゆすぎ過ぎないよう、ゆすぎも1回くらい、もしくは、ゆすがないようにと推奨するようになりました。

一昔前は少量の歯磨き粉をつけ、長く磨くように言われてきたのに、今は、たくさんの歯磨き粉をつけて、ゆすぎはあまりしないようにと変わり、少々困惑している方も多いと思います。

しかし、どちらも間違っていません。歯磨き粉の成分も日々良くなっています。ただ、歯の予防にはゆすぎ過ぎないのが良いと思いますが、全身的なことを考えると毎日の蓄積もあるでしょうから、ゆすぎ過ぎないのも考え方によっては良くないと思う方もいらっしゃると思います。どちらを大切に思うかにより、個々意見は違うでしょうから、それぞれがお考えになり、適量をつけ磨くことをおすすめします。何度も言いますが、大切なのは歯垢が取れる歯磨きであるかです。

間違った歯磨き粉を使うことで口内トラブルに繋がることはありますか?

歯磨き粉の成分のせいで口内トラブルになるという明らかなデータはあまりないように思います。特定の成分だけを調べると粘膜に良くないと記されるものもありますが、それは過剰摂取によるものであり、先述通り、歯磨き粉メーカーもそれを踏まえ適切な配合をしていると思われます。

熱い物を食べた時の軽い火傷のような傷、硬い物を食べた時にできた傷、また、歯磨きをしすぎて歯茎にできた傷、そして口内炎、これらがある方は、歯磨きの際、歯磨き粉の成分が刺激になり、傷にしみて痛みを感じる時もあるでしょうから、これらの傷がある方々は、傷が癒えるまで歯磨き粉をつけないで歯磨きすることをおすすめします。

教えてくれたのは

出典: 美人百花.com

ヒグチデンタルクリニック院長 三枝遵子先生

1994年日本大学歯学部卒業。日本大学歯学部付属歯科病院・歯周病学講座を経て、台東区浅草で樋口歯科を開業。2009年にヒグチデンタルクリニックと名称を変え台東区雷門に移転、現在に至る。2011年に予防啓蒙活動として「ハミガキろっく」という歌を制作。2013年には「DVDでみる絵本」を制作。2021年には「なんではをみがくの?」という今更聞けない、大人にこそ読んで欲しい絵本を制作。欧米諸国並みに日本国民の歯の予防意識を向上させたい!と予防啓蒙に励む。ヒグチデンタルクリニックはこちら

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