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「とよす」が新ブランドをオープン!池田が誇る米菓の老舗の新たな挑戦とは?

  • 2022.8.3
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池田市の住吉に本社を構える「とよす」が、2022年6月14日にフルオープンを迎えた阪神梅田本店の地下の和菓子売り場に、カレーせんべい専門店「カレーのくち」を立ち上げました。

とよすといえば、今年創業120年を迎える老舗。“老舗のカレーせんべい専門店オープン”のニュースに、かなりの挑戦なのでは?と気になった筆者。しかし、何か秘策があるに違いないと、とよす本社に伺いしました。

なぜ?とよすがカレーせんべい専門店なのか

とよす本社で迎えてくれたのは、商品開発部 商品・販促企画課の石原雅也さんと、技術開発課の前田達彦さん。今回の新ブランドの立ち上げに関わった中心人物です。

そもそも、なぜ、とよすが新ブランドを手掛けたのか? それは、阪神百貨店梅田本店のグランドオープンがきっかけだったそう。

出典:リビング北摂Web

▲商品・販促企画課の石原雅也さん。雑談からひらめきを生むアイデアマンです。

「阪神梅田本店の地下1階に、柿の種専門店“かきたねキッチン”を出店しているのですが、今回の改装にあたり、阪神百貨店さんから、新たに何かしませんか?とお声がけいただいて。何がいいかなーと担当の方と話していたのですが、ふとした雑談から、カレーせんべいっておいしいよねとなり、カレーせんべいを出してみるのはどう?ってなったんです」と、石原さん。

そこから、調べを進めると、カレーせんべいは関西地域で良く売れていて、さらに大阪ではスパイスカレーの人気が高く、東京よりも激戦区であることが分かりました。 「関西で、大阪でこれだけ求められているのであれば、カレーせんべいはありなのでは」と、とよすのカレーせんべいへの挑戦が動き出したのです。

スパイスで風味を差別化。辛さも段階を

いざ、「カレーせんべい」と決まったものの、社内ではちょっとしたざわつきがあったと前田さん。 「カレー味のお菓子は、かなりの数が出ているのですが、しぼんでいくものがほとんどで。そこに手を出すのか…という雰囲気は正直ありました。ただ、スパイスカレーは人気がありますので、その波にのせて関西のお土産として広げることはできるかなと」

大阪らしいスパイスカレーでありながら、老若男女が食べられるような味、好みが偏らないように、スパイスカレーと家のカレーの間を探ってきたそう。

「カレーってほとんどの方が好きなのですが、味の好みがバラバラなんですよね。これ俺のカレーと違う、にならないようにスパイスで風味を差別化し、辛みの差をつけていきました」。

出典:リビング北摂Web

▲技術開発課の前田達彦さん。カレー好きですが、実は辛い味は苦手。ずっと汗をかきながら開発していたそうです。

カレー味のランキングも参考にしつつ、出来上がった味は、「オリジナルカレー味」「スパイシーカレー味」「グリーンカレー味」「バターチキンカレー味」の4種類。

鉄板焼き製法のサックリとした食感。サラダオイルとカレーオイルを使い、後にも旨みが残る風味豊かな上品なせんべいに仕上がりました。

出典:リビング北摂Web

口の周りが汚れない、食べやすい一口サイズ(各540円)。一番辛くないのが、バターチキン。子どもでも食べられます

突然出てきたカレーせんべい⁉当初は揚げ米菓だった⁉

しかし、開発当初はカレーせんべいではなく、揚げ米菓の話が上がっていたそう。 「実は市場では揚げ米菓が伸びているんですよね。1年間試行錯誤していたのですが、揚げ米菓はお土産でも多いので、二番煎じになるなと。パリパリっとした食感のお菓子も好まれているので、そこからカレーせんべいの話が出てきました」と石原さん。

ただ、突然の方向転換に開発担当者としては、驚きがあったと思うのですが…。

「このタイミングで!?(笑)となりますが、よくあることなんです。揚げ米菓は表面がガサガサになるので、進物らしさがなくなります。そもそも、進物にもできるような体裁を整えた米菓にしたかったので、鉄板焼きの方が進物らしさはあります」

なるほど、業界ではよくあることなんですね…しかもそこから、カレーせんべいを数カ月ほどで完成させたのは、さすがの老舗です!

出典:リビング北摂Web

せんべいは決まった。そこからの道のりがさらに長かったと石原さん。

「どんなブランドでいくの?デザインは?最終決定に昨年の11月頃までかかりました。とくにブランド名がなかなか決まらずで。本来は大阪土産なので、大阪の冠はつけたかったのですが、そうすると、味のバリエーションが広がらない。初見でイメージが伝わるキャッチーな名前にしたい思いがあったのですが、100~200案出してもどれもピンとこない。最終的に私が考えていた“カレーのくち”を半ばごり押しで、上司が折れた形ですね(笑)」

オープン2日目に“完売”のポップが出るほど好評

阪神百貨店梅田本店に誕生してから、お客さんの反応はいかがだったのでしょうか?

出典:リビング北摂Web

「オープン記念の限定パックを、1週間分くらいを想定して1000個用意したのですが、1日半で完売。嬉しい誤算でした。冗談で、“本日分完売しましたのポップを作らないとあかんのちゃいますかー”と言っていたのですが、2日目本当に作らないといけなくなって(笑)、その後、1000円のアソートも日中で完売になることも。今も品薄なので、本社で作ったものをその日に営業が持参するという日もあります。近くて良かったです(笑)」と、想定以上に好調だったことに、石原さんも前田さんも安堵の笑顔を見せてくれました。

出典:リビング北摂Web

▲複数の味を入れた「アソートセット」は3種類。1080円、2160円、3240円。左の1080円が一番人気

カレー堂さんとのコラボ商品を7月6日(水)に販売

今後は、4種類の味に加えコラボ商品などの販売も検討中。その第一弾として、7月6日(水)に、ビジネスマンに人気の欧風カレー店とのコラボ商品を発売。 「堀江と堺にお店があるのですが、まー辛いです(笑)。スパイシーカレー味をはるかに超えています。でも、最初にフルーティーな味が来て、その後ろから辛みがくるので、クセになる味です」(前田さん)

「今後も、コラボ商品は考えています。北摂地域のカレー屋さんとコラボができれば北摂地域も盛り上がって、おもしろいかもしれないですね」(石原さん)

出典:リビング北摂Web

無性にカレーが食べたくなる季節! 家のお菓子のストックと、夏の帰省の手土産は「カレーのくち」にキマリ。「カレーのくちってナニ?」から話も広がりそうですよ。 そして、120周年を迎えても新たな挑戦を続ける、池田の「とよす」をこれからも応援したいですね。

カレーのくち 公式サイト https://www.toyosu.co.jp/currynokuchi/index.html

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