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フランスの女性起業家が直面する資金調達の壁。

  • 2022.7.30
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フランスで起業家の男女格差の解消を目指す支援団体「Sista」とボストンコンサルティンググループの第3回バロメーターによると、フランスのスタートアップ創業者の85%は男性で、2020年の資金調達の9割は男性によるものだったという。日々進歩はしているものの、現状、起業は男女平等とは言えない。

Sistaとボストンコンサルティンググループのバロメーターによると、2020年の資金調達の9割は男性によるものだった。photography: Getty Images

フランスのスタートアップ企業を祝うべき理由が本当にあるだろうか?確かに、ここ数カ月は記録的な資金調達が行われ、予想をはるかに上回る数のスタートアップがユニコーン企業(評価額10億ユーロ以上の企業)の地位を得た。フランスでは、欧州最大のクラウドサービスプロバイダーOVHの新規公開株を祝った。つまり、この分野にお金が自由に流れているのだ。

ただし、恩恵を受けるのはいつも同じ人たち、あるいはほとんど同じ人たちだ。ボストンコンサルティンググループ(BCG)と資金調達の平等性を高めるために戦う団体「Sista」の第3回バロメーターによると、2020年には、投資家が支援するスタートアップ企業の84%が男性によって設立され、調達資金の9割を占めていることがわかった。そして何より、投資金額が大きくなればなるほど、女性の数は少なくなる。1500万ユーロ(約19億1987万円)から5000万ユーロ(約約63億9959万円)を調達したスタートアップのうち、女性のみで設立された企業はわずか2%、男女ミックスによるものは7%。5,000万ユーロの企業のうち、女性は男性の横に並ぶパートナーとしてしか存在しない。そして、1億ユーロを超えると女性はいない。

成功例はより少なく、金額は控えめ

スタートアップ企業を支援する団体「ラ・フレンチ・テック」のディレクター、クララ・シャパスによると、「誇張するならば、今日の(フランスの)スタートアップ企業のクリエイターは、25〜30歳の白人で、パリ出身、おそらくパリ経営大学院を卒業し、元同僚は他のスタートアップや投資ファンドで働いている」とのこと。一方SistaとBCGは、2020年に女性または男女ミックス(後者が最も速く成長している)によって設立されたスタートアップのシェアが、前年比4ポイント増加の21%に達したことを指摘している。

女性の成功例は非常に少ない。ここ数カ月で、計画管理ソフトウェアを発行しているSkello (スケロ)の2人の女性共同創業者とその男性パートナーは、4000万ユーロ(約51億464万円)を調達している。データトラッキングとビジネスプランニングのプラットフォーム、Pigment(ピグマン)の共同創業者は、同じく男性パートナーとともに11月に7300万ユーロ(約94億879万円)の調達に成功した。

農業サービス業のOmbrea(オムブレア)の共同創業者であり、2019年に弊社のBusiness with Attitude賞の最終選考に残ったジュリー・ダヴィコ–パヒンは2021年9月に1000万ユーロ(約12億8254万円)、ガエル・フリコ・デ・ラ・モットはヨガクラスアプリOly Be(オリー・ビー)創設以来、250万ユーロ(約3億1997万円)と、成功者は存在するものの、調達学は控えめである。

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