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趣味発見。染めたい布と材料3つ!おうちにある野菜で染める「草木染め」

  • 2022.7.29
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みなさまこんにちは。はる子です。夏も盛りという今日です。外に出るのも気合いがいりますね…空調の効いたおうちから出られません(いつものことですが)。ずっとおうちにいると、なんとなく新しいことをしたくなります。なにか出来そうなことはないかなぁと探していると…

「実験」という響きが好きな私にぴったりなものを見つけました。染め物! 今回はおうちにあるお野菜を使った染めものを試してみようと思います。おとなも楽しめる自由研究といきましょう! 布を染めたことはありませんので、果たしてうまくできますやら…

はじめての染め物。どうやって染めるの?
出典:リビングえひめWeb

基本の材料はこちら。 ・無調整豆乳(本来は大豆をふやかし砕いて濾した「呉汁」を使用するそう) ・野菜の皮 ・ミョウバン

出典:リビングえひめWeb

あとは染めたい布とおうちにあるもの。 ・染めたい布(天然繊維のもの。今回は綿100%のガーゼを使用しています) ・手袋 ・染液を作る鍋(ステンレスかホーロー加工されているもの。鉄やアルミ鍋は使わない) ・媒染液をいれるボウル ・水洗い用のバケツ ・お茶パック を用意しました。 染液を作る際に野菜の皮が入らないように液を濾す作業があるのですが、うまく濾せる気がしなかったので簡単にお茶パックに野菜の皮を使って染液を煮出しています。


今回の野菜染めの手順

調べてみますと様々な方法があり、どのようなやり方にしようか悩みました。これだけやり方があるということは「布の下処理をして、染液と媒染液で染め、よく洗って陰干しする」というポイントさえおさえればあとはお気の召すままに…ということなのでしょうか。 なにせ染め物初体験。なにがどうなるのやらまったく想像がつきません。詳しいことは、やってみてから考えてみることにします。

布の下処理 ・染める布を用意。糊や汚れを落とすため中性洗剤で洗って干す。 ・綿などの植物性繊維の布の場合→濃染処理をする。 乾かした布をちょっと熱めのお風呂くらいのお湯と豆乳を混ぜたもの(1対1)に20~30分浸す。(豆乳や牛乳でタンパク質を加えると染まりやすくなる)

出典:リビングえひめWeb

浸けた布を水洗いしてしまうと、せっかく布に吸いこませたタンパク質がパァになってしまいますので、豆乳汁に浸けた後、水洗いせずに使います。浸した後、布を乾かす方法もありましたが、今回は乾かさずに豆乳汁をよーく絞った布を、そのまま染液に浸けています(火傷に注意)。

染液につける ・野菜(染料)を水で煮出して染液を作る。今回はすべて30~45分程煮ています。 ・濡れた布を染液に気がすむまで(20分以上)しばらく浸すか煮出すかして洗う。 ・媒染液に浸す。 ・水洗いしてまた染液に浸す(濃く染めたい場合は、何回か繰り返す)。

出典:リビングえひめWeb

画像は玉ねぎ染めの時のものです

「媒染液」とは…ミョウバン、鉄、銅、塩、お酢などの水溶液。使わなくてもよいみたいですが、色落ち防止効果や発色を良くする作用があるそうです。ナスの漬物に焼きミョウバンを使うようなことでしょうか。 今回はお湯で焼きミョウバンを溶かし、水を加えてぬるめのお湯にした焼きミョウバン液(1Lのお湯に対して焼きミョウバン2gを溶かしたものが基本)を使用しました。布や染液の材料によってもいろいろなやり方や比率があるそうです。ミョウバンはアルミニウムの成分を含むのであまり高濃度になるとステンレスなどを傷つける可能性があります。よく希釈して流すと、よいそうです。

洗う ・洗って脱水 ・陰干しする

5つの野菜でいざ実践
出典:リビングえひめWeb

今回はこちらのお野菜の皮を使って染めてみました。 野菜のお汁は水のみで煮出したので、食べられそうなものは食べてしまっています。アク抜きをするお野菜はその煮汁も染液に使えそうです。

玉ねぎ

出典:リビングえひめWeb

調べてみると、たくさん出てくる玉ねぎの草木染め。皮だけでこんなに鮮やかな色が出るなんて。凄く綺麗です。 ベジブロスになるだけあって、皮を煮ている時もとてもいい香りがしました。味見をしてみるとしっかり香りがあって今まで捨てていたのがもったいない程。このスープを使って炊き込みご飯にしても美味しいのかもな、と思いながらオニオンスープを作りました。

なす

出典:リビングえひめWeb

思ったより淡い色味。いやはや!控えめなお色味でいらっしゃる!渋いです。もしかしたら煮出した汁がちょっと冷えていたので、染まりが悪かったのだろうか…それとも本来のなす色なんでしょうか。煮た皮はわさび醤油漬けにして食べました。

アボカド

出典:リビングえひめWeb

意外な色になりますね。今回は皮と種を使って、染液を作りました。枇杷の葉茶のような香りがします。淡いピンクの優しいお色味。さすがにアボカドの皮と種は食べられませんでした…残念。

ごぼう+重曹

出典:リビングえひめWeb

今回最大のヒット作品。ごぼうです。 ごぼうの皮を煮出した汁に後から重曹をぱらぱらと添加して染液としました。なんと美しい色なんでしょう。ごぼうにはクロロゲン酸という成分が含まれていて、これがアルカリと反応するとこんな緑になるんだとか。童謡でさえ長風呂が嫌いと言われるごぼうの皮がここまで美しい色を秘めていらっしゃるだなんて…おみそれしました。 煮た皮は皮を剥いたごぼうと一緒にきんぴらにして食べました。

ビーツ+お酢

出典:リビングえひめWeb

そのままでも真っ赤なのですが、緋の蕪漬けをイメージするとやはりお酢を添加してからより鮮やかな赤になるイメージがあったので、こちらはお汁を煮出した後、お酢を加えた染液にしてみました。 その割に控えめなお色味。手やらまな板にはがっつり色がつくのに意外です。確かに洗えばすぐ落ちますものね。関係あるのかしら?煮た皮はレモン汁とマヨネーズと和えて、ポテトサラダに加えました。ピンクのポテトサラダになります。

はじめての染め物。結果は…
出典:リビングえひめWeb

玉ねぎ・なす・アボカド・ごぼう・ビーツ

なんと! 不器用な私でも!皮だけでも! こんなに染まるのだなんて美しい…自分で染めたと思うと、愛着が湧きます。 晴れの日も雨の日も果実を守ってきた皮。こんな素敵な色を秘めているんですね。背中をそっと押してもらえるような、ほんわりした元気をもらえる気持ちです。ありがとう!野菜! もっと時間がかかるものと思っていましたが、染め上げる作業自体は1日でできました。 ちょっと色味を変えたいな、という時は「媒染液」の種類を変えたり、pHを変えるだけで全く違うお色に変わるそうです。染める際に使う水を変えても違う色味になったりするのでしょうか。奥が深い…。新しい趣味に最適です。

色味の変化 ・金属と反応することによって色味が変わります。染液を煮出す鍋には、基本的に鉄やアルミを使わないというのはここが関係するようです。金属は「媒染液」に使われます。 ・pH値によっても色味の変化が楽しめます。酸性←→アルカリ性。アジサイの色の変化、レモン果汁をいれると色が変化するハーブティーのそれです。染める時、酸性に寄せたい場合はお酢やクエン酸、アルカリ性に寄せたい場合は重曹を加えるそうです。

淡い色合いの3種類。なす・ビーツ+お酢・アボカドを並べる。
出典:リビングえひめWeb

左・アボカド、中央・ビーツ、右・なす

見た目と違って控えめなお色味に染まったなすとビーツ。どこから出てきたんだい?いうほど意外な色に染まったアボカド。淡い色合いですが、鼠色の風合いがある渋めのなす・オレンジ感のあるビーツ・かすかにピンクが強いアボカド。少し分かりにくいかなと思って並べてみました。もしかしたら染める布や媒染液、pHの値が関係するのかもしれません。次はしっかり成分を調べて、染めてみようと思います。

気負わずにできて面白い。奥が深い草木染めの世界
出典:リビングえひめWeb

今回作った染液(左上・ごぼう、右上・ビーツ、右下・アボカド、中央下・なす、左下・玉ねぎ)

思い通りに染まっても染まらなくても、なるほど!面白い!と楽しめる野菜の草木染め。元気なお野菜の力をいただいて皮まであますところなく楽しめますし、こころもほっこりする色合い。お野菜ってこんな色を秘めているんですね。 特別なものがなくても、豆乳と野菜とミョウバンがあれば出来るという手軽さと意外な色味の出方に新鮮な驚きを覚えました。布の下処理と並行して染液を作り、浸したのち媒染液を作って…と流れで作業できることも、気負わずに行うことのできるポイントかと思います。放置時間が長いので、すきま時間でも十分楽しむことができそうです。もちろん自由研究にも。

こころの赴くままに何も考えずにえいや!と染めてもこの仕上がりですから、いろいろ深堀りしていくうちに、知りたいことや調べたいことがたくさん出てきそう。自分で育てたお野菜で草木染めなんていうのもいいですね!長いこと楽しめそうないい趣味になりそうです。

暑さもともなってこころもからだも息切れしちゃいそうなとき、ゆっくりなにかに没頭できると少しだけ気分がおだやかになる気がします。 みなさまもご無理なさらず、素敵な夏をおすごしくださいませ。

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