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東銀座に来なければ手に入らない。国籍も時代もさまざまな一点モノに出合える3軒

  • 2022.7.28
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川端康成と吉田茂の誂え用の足型

銀座むさしや足袋店

伝統芸能からクラブのママまで、
手作りの足袋に粋を知る

1874年創業。2015年に現在の2丁目に引っ越した〈銀座むさしや足袋店〉。5代目店主の大橋雅庸さんに話を聞いた。「以前の4丁目の店は母方の実家で、家内工業で商いをしていました。この店は地下と2階が工房になっていて、プレス機で裁断した生地を戦前から使っている足踏みミシンで1足ずつ縫い上げています。

足袋はフィット感が大事で履いたときにシワがない方がいい。シワのある足袋を昔から野暮と言うんです。足袋も店によって個性があり、うちのは幅が細くて薄いのが特徴。お客さんは神楽坂や新橋などの芸者さん、歌舞伎俳優さん、料亭やクラブのママさん、お茶や踊りに携わる方など全国にいらっしゃいます。誂えの足型は都道府県別に整理してしまってあるんですよ」。

扱っているのはキャラコの白足袋と紺足袋、柄足袋、色無地足袋。軽くて薄く艶のあるキャラコは今では貴重な素材になりつつある。紺のキャラコと足袋底の生地に至っては機屋が1軒残るのみだとか。お店には、幅4種、長さは14㎝から32㎝まで細かいピッチでサンプルが揃っていて、試し履きをしてぴったりのサイズを探すことができる。

「足にぴったりの足袋を一度履いたら、履き心地の良さに病みつきになりますよ。私は洋服のときでも色足袋を靴下がわりに履いています」。一見ハードルが高いと思いがちだが……「いえいえ、足袋は庶民の文化だったもの。ここは築地が近いですから、昔は割烹着姿で市場の帰りに寄るような店だったんですよ。みんなべらんめえ調で(笑)。今でも朝8時から開けていますので、気軽に立ち寄ってくださいね」

アメリカ製シンガーの足踏みミシン
足袋を縫うのはアメリカ製シンガーの足踏みミシン。修理しながら戦前からずっと使っている。
名入れ道具
こはぜに名入れをするための道具。古い刻印には芸者さんの名前が多い。
足袋 鉄型
足袋の生地をプレス機で裁断するための鉄型がずらりと並ぶ。
川端康成と吉田茂の誂え用の足型
大切に保管されている川端康成と吉田茂の誂え用の足型。細長いのが良くわかる。
柄足袋
柄足袋には松葉や和太鼓の三つ巴、花柄など江戸の伝統柄が揃う。4,840円〜。
30種類 足袋
色無地シワが目立たないため普段履きにも向いている。30色ほど。4,290円〜。
キャラコ 白足袋 紺キャラ
看板商品であるキャラコの白足袋は3,520円〜。右は貴重な紺キャラ。4,290円〜。

Information

東銀座に来なければ手に入らない。国籍も時代もさまざまな一点モノに出合える3軒

銀座むさしや足袋店

住所:東京都中央区銀座2-13-12
TEL:03-3541-7718
営:8時〜16時
休:日曜、祝日

U.K. STOREROOM

ティーカップを中心に、
ヴィンテージの英国陶器がずらり

〈U.K. STOREROOM〉は1995年に豊島区高田で創業し、高田馬場を経て、2004年にこの場所に移転。店名のストアルームは納戸・物置に加え「宝庫」と言う意味を持つ。商品が溢れる店内でお気に入りを見つけるワクワク感を味わってほしいと語るのは店主の香川賢三さん。

「若い頃から英国が好きで、輸入雑貨全般を扱う店から始めました。今ティーカップが多いのにはあまり理由がなくて(笑)。好きなものを買い付けていて、気づいたら増えていたというわけです」

「1930年代から70年代のものが中心ですが、中には200年前のものも。ポットやソーサーとセットで揃うものもたくさんあります。ブランドだとスージー・クーパーが人気ですね。

20年以来の付き合いの長い顧客さんも多いのですが、最近は若い女性のお客さんが増えていて、お母さんと一緒に来る方もいらっしゃいます。ヴィンテージのカップをまるで宝物のように選んで喜んでくれる姿を見るのは本当に嬉しいですね」

ユーケー・ストアルーム 店内
店内には所狭しと商品が並ぶ。店名通り、宝探しの楽しさを味わえる。
バーナード・リーチ率いるリーチポタリーの1970年代の作品
バーナード・リーチ率いるリーチポタリーの1970年代の作品。ポット33,000円。カップ&ソーサー各18,700円。
スージー・クーパー
1番人気のスージー・クーパー。1960年代のウエッジウッド製。コーヒーカップ&ソーサー11,000円。
ティーカップ&ソーサー
200年前、1820年代のヴィンテージは手書きの繊細な絵付けが美しい。ティーカップ&ソーサー22,000円。
1930年代のピクルスセット
1930年代のピクルスセット。ガラスのキャニスターにフォークとスプーンがセットされている。22,000円。

Information

東銀座に来なければ手に入らない。国籍も時代もさまざまな一点モノに出合える3軒

U.K. STOREROOM /ユーケー・ストアルーム

住所:東京都中央区銀座3-12-18
TEL:03-3546-6134
営:木曜・金曜12時〜18時、土曜・日曜〜17時
休:月曜・火曜・水曜
URL:https://www.ukstoreroom.com

FEELSEEN

フロアごとに違った景色を見せる、
密度の濃いセレクトが魅力

今年の5月にオープンした4階建てのショップ。店名は見られているように感じると言う意味の“I feel seen”から。「まるで自分のことを知ってるの?と思うほどに共感のできる品揃え、空間を提供したいというコンセプトから名付けました」。お話を聞いたのは広報の朝野陽子さん。

「フロアそれぞれに個性の異なる商品を展開しています。エントランスのある1階は南フランスに住むマルト・デムランのセレクト。カラフルなテキスタイルやテーブルウェアなどマルトのライフスタイルをテーマにしています。ヴィンテージの什器も全て南仏から取り寄せたものです」

「2階はこの店のクリエイティブディレクターである村松孝尚のセレクトで、パリ、ニューヨークの作家物とヴィンテージの食器や布類が中心。古い印刷物の収集家であり、それらを用いてデコパージュの作品を作る作家のジョン・デリアン、木工作家のパトリック、家具の廃材と樹脂などを組み合わせてジュエリーを作るペイジ・マーティンなど、アーティスティックで個性的なラインナップを楽しんでいただけたら。

3階は布を中心に、ファッションやインテリア、香りなどを揃え、4階はギャラリーになっています」。細い階段を上るたびにガラリと世界観が変わるのが面白い。

フィールシーン 店内
1階はフランスのライフスタイル雑貨がメイン。カラフルな色と賑やかな柄に気分まで明るくなる。
ジェリー・ランソンのランプシェード
パリの作家ジュリー・ランソンのランプシェード。132,000円。
ヴィンセント・ヴェルデの器
南仏の陶芸家ヴィンセント・ヴェルデの器も大人気。楕円のプレート36,300円。
ラ・キュイジーヌ・マルト
バイヤーのマルトがデザインしたテーブルウェア「ラ・キュイジーヌ・ド・マルト」。ボウル3,300円。プレート3,850円。
フィールシーン2階
障子張りの窓がモダンな2階は<アッシュ・ペー・フランス>の創業者であった村松孝尚によるセレクト。
木工作家パトリックによる作品
木工作家パトリックによる作品。ノート(A5)27,500円、(A6)19,800。ボトル17,600円。ブレスレット19,800円。リング各13,200円。
パトリックのランプシェード
樹齢200年の木材を使用したパトリックのランプシェード。253,000円。
ジョン・デリアンのペーパーウエイト
ジョン・デリアンのペーパーウエイト各11,000円。
ペイジ・マーティンのリング
樹脂木工を組み合わせたペイジ・マーティンのリング。52,800円。
ジョン・デリアンのコレクションを集めたステッカーブック
ジョン・デリアンのコレクションを集めたステッカーブック。この一冊に700のシールが収められている。5,600円。

Information

FEELSEEN /フィールシーン

住所:東京都中央区銀座3-12-7
TEL:03-6260-6335
営:12時〜19時
休:無休
Instagram:@feelseen.ginza

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