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オクラの茹で時間は?レンジが便利?下処理の方法も【専門家監修】

  • 2022.7.27
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オクラは夏に旬を迎える緑黄色野菜。五角形の細長い形状で、小口切りにして散らすと星のように見えて、料理を華やかにしてくれます。また、独特なネバネバの成分は、胃腸の働きを助けてくれて夏バテ予防にぴったり。健康食としても注目されています。今回は、オクラの茹で方、おいしく仕上げる下処理の方法、長持ちする保存方法、栄養素などを紹介します。

【特徴】食べたときのぬめりと、五角形の切り口が個性的な夏野菜

原産地はアフリカ北東部。アオイ科トロロアオイ属の多年草ですが、寒さに弱くて越冬できないため、日本では1年草です。

エジプトでは2000年以上前から栽培されていました。日本に伝わったのは江戸時代末期〜明治時代初期ですが、青臭さやヌメリが不評で普及しなかったそう。一般に広まったのは1970年頃からです。

オクラの英名はOkuraで、そのまま日本語として定着しました。異名は陸蓮根(おかれんこん)、青納豆など。アメリカでは、長くほっそりした形が女性の指を思わせることからレディースフィンガーとも呼ばれます。

オクラは花が咲いたあとにできる果実を、未熟なうちに収穫して食用にします。加熱して食べるイメージが強いかもしれませんが、新鮮でやわらかいものであれば生食もできます。

種類はいくつかありますが、最も一般的なのは、濃い緑色で長さ5~7cm、断面が五角形をしているタイプ。他に、大型で断面が円形の「丸オクラ」や、薄緑色の「白オクラ」などがあります。果皮が赤い「赤オクラ」は、茹でると緑色になるので色を活かしたいときは生食にします。

オクラを切るとネバネバした糸を引きます。この粘り成分はガラクタン、ペクチンなどの水溶性食物繊維で、整腸作用や便秘予防、コレステロールの吸収を抑えることでも知られています。

主な産地は鹿児島県や高知県、沖縄県など。旬は夏です。ハウス栽培もされているので通年で出回り、フィリピンやタイなどからの輸入ものもあります。

【選び方】濃い緑色でうぶ毛がびっしり生えているものを選ぼう

オクラは緑色が濃く鮮やかなものが良品。表面のうぶ毛がびっしり生えているものが新鮮です。

うぶ毛がなくなっているもの、ヘタの切り口が変色しているもの、しなびているもの、黒っぽくなっている部分があるものは、鮮度が落ちているので避けたほうがよいでしょう。

また、オクラは大きく育ちすぎると固くなり、えぐみや苦味が出ておいしくありません。適度な大きさ〜小さめのものを選びましょう。

【保存】ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。冷凍保存もできる

オクラは乾燥や冷気に弱く、低温障害を起こしやすいので、そのまま冷蔵庫の野菜室に入れると、早々にしなびて黒ずんでしまいます。キッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れて口を軽くしばり、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。3~5日ほど持ちますが、変色が見られたらすぐに使い切りましょう。

冷凍保存は、固めに茹でてから、キッチンペーパーで水分を拭き取り、冷凍保存袋に入れて冷凍しましょう。食べやすく切ってから冷凍しておくのも便利です。

冷凍オクラは1か月ほど保存可能。加熱調理するときは凍ったまま鍋へ。和え物などで食べるときは、自然解凍かレンジ解凍してから調味しましょう。

【下処理】調理の前にガクを取り、板ずりをするとおいしさアップ

オクラをおいしく調理するコツは、ガクやうぶ毛の下処理です。「板ずり」をするとうぶ毛が取れてなめらかな食感になり、加熱したときの色も鮮やかに。調味料も染み込みやすくなります。

■ヘタ部分の処理

オクラはヘタも食べられるので、ヘタの端(変色している部分)だけ少し切り落として。ヘタの周囲についているガクは口当たりが悪いので、包丁で一周くるりとむきましょう。

面倒なときはヘタ部分をガクごと切り落としてもOK。ただし、茹でる場合は、実の穴が見えてしまうと水が入り、仕上がりが水っぽくなります。ヘタを切り落とす場合は、先にまるごと茹でて、冷ましてから切るといいでしょう。

■板ずり

オクラを数本まな板に並べ、塩をふりかけて手の平でゴロゴロ転がしましょう。まな板にこすりつけるようにすると、うぶ毛が取れます。量が少なければ、1本ずつ塩をつけて手でこするのでも構いません。

板ずりした後、茹でる場合は、塩を流さずに沸騰した湯に入れてOK。炒め物などにするときは、塩を洗い流してから使ってください。

【食べ方】生食もOK。鍋で茹でるなら2分、レンジなら40秒

オクラは生のまま食べられます。生食の場合は、とくに産毛の口当たりが気になるので、板ずりをしましょう。塩を洗い流してから、小口切りにして、二杯酢やわさびじょうゆで和えたり、斜め切りにしてサラダに加えたりしてもいいですね。

加熱調理では、味噌汁や天ぷら、肉巻きなどが人気です。茹でたオクラは、好みの大きさに切って、マヨネーズをかけたり、おかか和えにしたり。刻んでから納豆やとろろと混ぜて、ネバネバ丼にするのもおすすめです。だし汁に浸して冷蔵庫で保存しておけば、作り置きの副菜になります。

オクラの茹で方は、鍋を使う方法と、レンジを使う方法があります。レンジを使う方法は歯触りが残りやすく、かために仕上がります。

■鍋で茹でる方法

鍋に湯を沸かし、板ずりしたオクラを投入し(塩で揉んでいない場合は湯に塩を溶かして)、2分茹でます。茹で過ぎると栄養素が流出してしまうので注意して。ザルにあげたら冷水に取り、色が悪くなるのを防ぎましょう。

■レンジで茹でる方法

オクラの下処理をしたら、加熱中に破裂しないように爪楊枝で2~3箇所、穴を開けます。オクラを耐熱容器に並べてラップをかけ、600Wの電子レンジで、4~5本なら40秒、8~10本で1分を目安に加熱しましょう。取り出したらラップを外し、そのまま冷まします。加熱時間は好みで調整してください。

【栄養・効果】緑黄色野菜で水溶性食物繊維も豊富

オクラのエネルギーは可食部100gあたり26kcal。オクラ1本は約10gなので、1本あたり3kcal弱です。

βカロテンが豊富な緑黄色野菜で、利尿作用のあるカリウムや、骨や歯を丈夫にするために欠かせないカルシウムも含みます。

また、オクラの特徴といえば、ネバネバしたぬめり。これは水溶性食物繊維の一種で整腸作用があります。ペクチンは血糖値の上昇を抑え、糖尿病予防に役立ちます。

他にもビタミンB1やB2、タンパク質なども含みます。とても栄養豊富ですし、スーパーでも入手しやすい野菜なので、健康食として日常的に取り入れるといいですね。

レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。

栄養監修:内山由香

「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。

[All Photos by shutterstock.com]

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