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ディズニー『ゾンビーズ3』は大人も学べるメッセージがある青春ミュージカル映画【レビュー】

  • 2022.7.16

アップビートな音楽とダンスと共に、差別や偏見のおろかさと、違いを受け入れることを訴えたディズニーの人気映画シリーズ『ゾンビーズ』が、7月15日(金)からディズニープラスで配信される『ゾンビーズ3』でついにフィナーレを迎える。

宇宙人到来というカオスで描く、現代社会に響くメッセージ

『ハイスクール・ミュージカル』や『ディセンダント』などのヒット映画を生み出したディズニー・チャンネルによるオリジナル・ムービーとして誕生した『ゾンビーズ』。

その舞台であるシーブルックでは、ゾンビのゼッドと人間のアディソンのロマンスを通して人間とゾンビが和解した2018年の1作目『ゾンビーズ』、狼族が現れて街の調和を脅かした2020年の続編『ゾンビーズ2』を経て、現在は、人間、ゾンビ、狼族が平和に共存している。そんなシーブルックに今度は、UFOに乗って地球外生命体が登場。

画像: エイリアン役として、ドラマ『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』のマット・コーネット(エイリアンの中央)がシリーズ参戦!
エイリアン役として、ドラマ『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』のマット・コーネット(エイリアンの中央)がシリーズ参戦!

人間、ゾンビ、狼族と、カオスに思えるほど異なるキャラクター設定で“究極の多様性”を描いてきた『ゾンビーズ』だが、新作ではその違いが、“種”を超えて“星”レベルに。あまりに未知の生物のため、これまで種間の違いを乗り越えてきたシーブルックの住民さえも動揺させる。

UFOに乗ってシーブルックにやってきた宇宙人たちは、生まれた星も、考え方も、生活形態も異なり、人間やゾンビが持っていない多くの能力を持っている。エレクトロニクス調の音楽に合わせて披露される、ロボットのようにぴたりと合ったシャープなダンスのスタイルはシーブルックにいる種族とは全く異なっており、シーブルックの住民たちの間では、不安や恐怖から交流に反発する者も少なくない。このように、個性的なキャラクターを使って偏見や差別の根底にあることを非常にわかりやすく伝えているところはさすがと言える。

さらに今回は、“違いを受け入れる”といういつものメッセージに加え、“自分たちの暮らす街はひとつしかないのだから、そこで全員が調和して幸せに生きられるように努力しよう”という新たなメッセージが訴えられている。これは、さまざまな思想でぶつかり合っている現代の大人こそ聞くべきメッセージではないだろうか。

画像: 宇宙人到来というカオスで描く、現代社会に響くメッセージ

そして、『ゾンビーズ』の見どころのひとつであるダンスと歌。『ゾンビーズ』は1作目に比べて2作目でダンスや歌がレベルアップしたと評価されたが、3作目では、冒頭からすべての種族が参加する楽曲「Alien Invasion(意味:エイリアンの侵略)」がパフォーマンスされる。これは1作目の「BAMM(バム)」に匹敵するほどビッグなナンバーで、DCOM(ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービー)で最もダンスがハイレベルとされる『ゾンビーズ』シリーズのフィナーレを幕開けるナンバーとしては最適ではないだろうか。もちろん、アディソンやバッキーらチアリーダー集団によるアクロバティックなチアや、1作目で生まれたハートウェーミングなエンパワソング「Someday(サムデイ)」を彷彿とさせるようなエンパワソングもある。

最後に、1作目からファンをキュンキュンさせたゼッドとアディソンのロマンス。ゼッドは初めて大学に進学するゾンビを目指しており、アディソンもチアの全国大会の企画中。主人公たちがそれぞれ目標や課題に向き合っているという本シリーズの魅力は継続されつつ、2人は“同じ大学に進学できるか?”という課題に一緒に向き合う。

映画『ゾンビーズ3』は7月15日(金)よりDisney+ (ディズニープラス)で配信される。『ゾンビーズ』と『ゾンビーズ2』は配信中。(フロントロウ編集部)

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