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齋藤学とのコンビにも期待!韓国1部初挑戦の安柄俊が語った誓い「ずっとこの舞台に立ちたかった」【現地取材】

  • 2022.7.7
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「ずっとKリーグ1の舞台でプレーしたかった。個人的な記録の目標はない」

韓国Kリーグ1(1部)の名門・水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスに期待の新ストライカーが加入した。

北朝鮮代表経験のある在日コリアンであり、かつて川崎フロンターレ、ジェフユナイテッド市原・千葉、ツエーゲン金沢、ロアッソ熊本に在籍したFW安柄俊(アン・ビョンジュン、32)がその人だ。

Kリーグ2(2部)の釜山(プサン)アイパークから新加入した安柄俊は、7月5日からチーム練習に合流。翌6日に加入が正式発表され、同日にホームの水原ワールドカップ競技場で行われたKリーグ1第20節の大邱(テグ)FC戦で、早速ベンチメンバーに名を連ねた。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)安柄俊

水原三星を率いるイ・ビョングン監督は試合前、安柄俊について「後半残り20分頃、決定力が重要となる場面で投入する考えだ。チームに合流して間もないが、ボックス内でのヘディングやシュートの精度が非常に優れていた」と絶賛していた。

指揮官の言葉通り、安柄俊は後半28分、同じく今夏に加入した元日本代表MF齋藤学(32)との交代でピッチに足を踏み入れた。

加入直後でコンディションが万全でなかったとはいえ、安柄俊は積極的に大邱FCの守備陣と戦った。空中戦の競り合いはもちろん、前線でのボールキープなどでチームの攻撃に活気をもたらした。

水原三星は前半30分で一人が退場し、約60分間を数的不利の状態で戦ったが、最終的に1-1の引き分けで終了。貴重な勝ち点1を獲得した。安柄俊は試合後、「崩れてしまってもおかしくない状況だったが、最後まで諦めずに価値ある勝ち点1を獲得できた。とても前向きに考えている」と振り返っていた。

「チームの勝利が最も重要」

2020年は21ゴール4アシスト、2021年は23ゴール4アシストの活躍で、Kリーグ2史上初となる2年連続での得点王、年間ベストイレブン、年間MVPの“個人3冠”を達成した安柄俊。

もはやKリーグ屈指のゴールゲッターとも言えるが、実は今回の水原三星移籍が、安柄俊にとって初のKリーグ1参戦となる。

そもそも、安柄俊は2021シーズンの開幕前、Kリーグ1の江原(カンウォン)FC加入が一度は確定しながら、過去に手術歴のある膝がメディカルチェックで問題視されたことで、一転して破談となった経験がある。

それだけに、「いつか必ず1部の舞台でプレーしたい」という渇望があった。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)釜山時代の安柄俊

「Kリーグ1でプレーしたいという思いはずっと持っていた。だから今回、その舞台に立つことができて本当に良かった。チーム練習に初めて合流したときは緊張もしたが、それでもチームメイトが良い雰囲気で僕を迎えてくれたので、少し楽になった」

安柄俊は、今回のデビュー戦で水原三星ホームの水原ワールドカップ競技場、通称“ビッグバード”と初めて訪問した。

同日の試合は雨が降る悪天候のなかでの戦いとなったが、ホームのサポーターは最後まで熱い声援を送り、後半途中、安柄俊が投入された際にはこの日一番の拍手と声援を送った。

「水原三星のファン、サポーターが情熱的だという話は聞いていた。自分たちが数的不利だったにもかかわらず、後半に相手よりももう一歩走ることができたのは、ファンの応援があったからこそ。本当に素晴らしい雰囲気だった」と、安柄俊は満足感を示した。

そんな安柄俊は、Kリーグ1初挑戦でも具体的な個人目標は立てていないことを明かした。

「水原三星が攻撃的な面を期待して僕を獲得してくれたことをよく知っている。Kリーグ2でも、得点王やMVPに選ばれるためにプレーしていたわけではない。Kリーグでは常にチームの1部昇格のためにプレーしていた」

「チームの勝利が最も重要であり、ピッチで最善を尽くせばおのずと記録はついてくる」と伝えた安柄俊は最後に、「Kリーグ1の舞台でも良い姿を見せたい」と力強い意気込みを語っていた。

水原三星の次戦は、来る10日にアウェーで行われる第21節の浦項(ポハン)スティーラース戦。今節では齋藤と安柄俊がともにプレーする機会がなかっただけに、次節では2人一緒にピッチに立つ光景を見てみたいものだ。

(構成=姜 亨起)

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