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俳優・町田啓太さんインタビュー「僕は引っ張っていく人間じゃない。周りと共同でやっていくスタイルの方が生きやすい」

  • 2022.7.1
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レディたちが気になる「彼」の本音に迫る『#いま彼を知りたい』。今回は、美人百花2度目の登場となった町田啓太さんのインタビューをお届け。ドラマ「チェリまほ」の大ヒットをはじめ、快進撃が止まらない町田さんが「求められ続ける理由」を改めて掘り下げてみました。

掲載:美人百花2021年11月号「#いま彼を知りたい」

作品はひとりで作るものじゃない

出典: 美人百花.com

――笑顔でも「目が笑っていない」印象を受ける人がいる。でも町田さんはその逆。真顔でも、目の奥が常にほほ笑んでいる。撮影前、よろしくお願いしますと挨拶したときの目元もなんとも言えず温かく、一瞬で気持ちが解けていく。2019年、美人百花に初登場してくれた前回は「考えすぎてちょっとねじ曲がっている時期」と言っていたが、あれから約2年。ほほ笑みの色合いはより濃くなっているように感じた。

「心境の変化とかは……うーん、どうかな? 何かしら変わっているんだろうけど、よくわからない(笑)。ただ、ねじ曲がっていたって表現はあれだけど、当時はいろいろな仕事が重なって頭がぐちゃぐちゃで、こんがらがっていたんです。今は少しずつ解消されて、自分がどういうふうにやっていきたいか、何をやらなくてはいけないのかが明確になってきた。そこがわからないと結局、無理をすることになって、仕事の質が落ちてしまう。そうならないために、自分に合ったペースを意識しながら、1つ1つの濃度を増していくことが大事だなと。そういった部分のアップデートは心がけてきたから、2年前よりちょっとは前進したかもしれないです」

――「ちょっとの前進」どころか、ここ数年は出演作が増え、人気、認知度も上がり活躍はめざましい。その分、プレッシャーを感じる場面も多くなっていると思うのだが……。

「主演はその物語にいちばん多く関わるポジションですから、その人の良し悪しで見え方が変わるっていう責任はもちろん感じます。でも作品はひとりで作るものじゃない。みんなで考え一緒に物作りをする方が楽しいし、いいものができると思っているので、僕は共演者やスタッフにひたすら甘え、相談するようにしています。だからどんな役だろうと、スタンスはあまり変わらないです」

――抱える荷物が重くなったらひとりで背追い込まず、無理せず荷を下ろして周りと協力していけばいい。そう思える潔さは町田さんの強みだろう。

「僕は自ら周りを巻き込んで引っ張っていくタイプじゃないんです。なのになぜか昔から生徒会とか部の長とか、リーダーを任されることが多い。当時は頼まれると断れない性格だったから『誰もやるヤツがいないけど、ギリこいつならやってくれそう』って思われていたのかもしれないです(笑)。でも結局、一生懸命やっても空回りするって感じだったので、引っ張っていく人間じゃないって気づいた。何かをみんなでやるときは周りに意見を求め、合意のもと共同でやっていく。そういうスタイルの方が僕は生きやすいんだなってわかったんです」

――自分自身を含め場の状況や全体像をじっくり見据える町田さんの視界は常にクリアでフラット。感覚に頼らずひたすら思考して役を作るクレバーさは持ち味だが、それゆえの悩みもある。

「役が抜けないとか役を引きずるとかそういう苦労はないけど、役を考えるための準備や時間は必要。僕の場合、それが質を上げていくことにつながるので、作品が詰まってくると物理的につらくなる。(作品と作品の)時期がズレていて時間的な余裕があれば、もしかしたらもう少しできたんじゃないかなって思っちゃうんです。そうなると自分もやるせないし、関わった人にも観てくれた人にも申し訳ないなと……」

十人十色でみんな違うから作品作りは面白い

出典: 美人百花.com

――考える人・町田さんは誠実な人でもある。理想の役者像についても「役者である前に人としてどうか」に焦点を合わせていく。

「僕の周りには人として素敵な俳優さんがたくさんいて、そういう人はお芝居をされても、なんなら立っているだけでも魅力的で素晴らしい。しかも、それぞれその人なりの感性や芸術性をちゃんと表現されていて、僕もどうやったらそうなるのか、そもそもなれるものなのかなって思います。でも、十人十色でみんな持っているものが違うからこそ、作品作りは面白い。それを見ながら『すごいな』『こういう表現もあるんだな』って、新たな発見をするのもこの仕事の楽しみなんですよね」

――町田さんが一躍注目された作品といえば、やはりドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(=チェリまほ)。これ以降、俳優・町田啓太のフェーズは確実に変わったけれど、自身はどう感じているのだろう。

「いざ自分がそうなってもあまり自覚がないんです。たくさんの人に観てもらい、こうしてインタビューしてもらえる機会も増えて僕にとっても大切な作品ではあるけど、どの作品も作るときの気持ちは同じなので不思議な感覚。でも、これだけ注目してもらえたのはいろんな奇跡的な出会いがあったおかげ。本当に感謝しかないです」

Profile

町田啓太(まちだけいた)

1990年7月4日生まれ。2010年俳優活動をスタート。「今際の国のアリス」のカルベ役やNHK大河ドラマ「青天を衝け」の土方歳三役も話題に。

撮影/中村完(f-me) スタイリング/石川英治 (TABLE ROCK STUDIO) ヘアメイク/KOHEY 取材・文/若松正子 再構成/美人百花.com編集部

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