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『ちむどんどん』和彦の煮え切らない態度に“わじわじ” 恋愛面での鈍感さは暢子といい勝負

  • 2022.7.1
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『ちむどんどん』写真提供=NHK

ヒロイン・暢子(黒島結菜)がようやく和彦(宮沢氷魚)への特別な感情ーー恋愛感情を意識し始めた『ちむどんどん』(NHK総合)。

どうやらそれは暢子の一方通行ではないようだ。普段は落ち着いている和彦も、暢子と彼女へのアプローチを本格化させた智(前田公輝)とのやりとりが気になって仕方ない様子。智からのデートのお誘いにワンピースを着てオシャレして臨む暢子に対して「ドキッとした。あんな暢子初めて見たから」と感想を漏らす。その相手が自分ではなく智だったことに対してなのか、どこか悔しそうな表情も覗かせた。

新聞社の同僚で恋人の愛(飯豊まりえ)でさえ、智から暢子への好意に気がついていたのに、全くそれを感知していなかった和彦の鈍感ぶりは暢子といい勝負だろう。恋愛面以外では“似た者同士”というわけでもない暢子と和彦だが、こと恋愛になると鈍感で頑固者同士の2人は、まるで同じ極同士の磁石のように反発し合いなかなか厄介だ。

和彦は愛の両親が進める2人の縁談に待ったはかけられない。にもかかわらず、そんな自分のことは棚に上げて、智からのアプローチに対してはっきりNOを突きつけず、何とか話を逸らしその場から逃げようとする暢子の態度にどこかイライラを募らせているようでもある。自分が変わるのはいいが、暢子が変わってしまうのは受け入れられない、「それとこれとは話が別」というような、本人に自覚はなくとも都合の良い立ち振る舞いがここのところ目立つ。

可哀想なのは、“お察し力”の高い愛だ。結婚話が進んでいる中、肝心の和彦がどこか上の空で、暢子のことになるといきなりムキになり、いつもの和彦の顔ではなくなる。悪気なく自分勝手さを発揮している和彦に愛こそ“わじわじ”させられ、完全に心かき乱され振り回されている。

嘘がつけない正直者とも言えるが、和彦も自分自身の中での“わじわじ”した感情の原因や正体をはっきりと特定し言語化できていないのに、とりあえず見切り発車的に行動に出てしまうのがまた罪なところだ。恋人不在の暢子が誰とどこで食事しようが、それを誰かに咎められる筋合いなどないし、「僕はこのまま結婚しても良いのかな?」とあろうことか暢子に質問を投げかけるなんてズルい気がしてしまう。一体、暢子からどんな言葉が飛び出すのを期待していたのだろうか。これでは本人は意図していなくとも“大切なターン”や“決定的なこと”を暢子の方から言わせ、暢子に今後の展開を委ねる形になってしまっていることに和彦は気づいていないのだろうか。

さらに、暢子から核心を突かれるなり「関係ないだろ、僕たち2人の問題なんだから」と突き放してみるのはさすがに大人げないだろう。一度和彦のことを意識してしまった暢子は、少しでも2人になろうものならすぐさまその場を立ち去ろうとするため、ようやく2人で話せる場では互いの言い分が極端にどこか刺々しくなってしまうのもわからなくはないが……。

さて、智からも和彦からも逃げてしまっている暢子が彼らに向き合う時は来るのか。そして、和彦は自分の中に芽生えた違和感や“わじわじ”する感情を整理し、自分にとって本当に何が大切なのか選び取れるのだろうか。(佳香(かこ))

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