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盲目の少女が、スマホアプリで武装集団と対峙!新感覚スリラーの魅力を日系人監督が語る

  • 2022.6.29
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盲目の少女がサポートアプリを相棒にして強盗集団に立ち向かう姿を描く、カナダ発のFPS(ファーストパーソン・シューティング=一人称シューティング)スリラー『シーフォーミー』が8月26日(金)より日本公開を迎える。本作でメガホンをとったのは、トロント国際映画祭短編部門で受賞歴のある日系カナダ人のランドール・オキタ監督。映画に留まらず多様な表現領域を縦断するアーティストとして活躍してきたオキタ監督が本作に込めた想いを紹介しながら、一挙解禁となった場面写真と共に見どころを紐解いていこう。

【写真を見る】盲目の少女の目の前を、武装した侵入者が闊歩…スリラー映画の鉄板とFPSゲームの要素が合体した『シーフォーミー』

盲目の少女がスマホを片手に強盗集団に立ち向かう! [c] 2021 SEE FOR ME FILM INC.
盲目の少女がスマホを片手に強盗集団に立ち向かう! [c] 2021 SEE FOR ME FILM INC.

映画の舞台は人里離れ、雪に閉ざされた豪邸。ペットシッターのアルバイトでその屋敷を訪れた窃盗常習犯の盲目の少女ソフィ(スカイラー・ダベンポート)は、金目のものを盗みだそうとしていた。ところがその屋敷内に武装した強盗集団が侵入。命の危険を感じたソフィは、視覚障がい者サポートアプリ“シーフォーミー”を起動し、元軍人でFPSゲームの熟練プレーヤーであるケリー(ジェシカ・パーカー・ケネディ)に助けを求める。圧倒的に不利な状況下で侵入者の攻撃から身をかわしていくのだが、無情にもスマートフォンのバッテリー残量は減っていく。

ソフィはサポートアプリを通じて元軍人のケリーに助けを求めることに [c] 2021 SEE FOR ME FILM INC.
ソフィはサポートアプリを通じて元軍人のケリーに助けを求めることに [c] 2021 SEE FOR ME FILM INC.

スリラー映画を敬愛していると語るオキタ監督は「この脚本を手にした瞬間、そのおもしろさにどんどんページをめくらずにはいられませんでした」と一瞬で物語に魅了されたことを振り返る。古くはオードリー・ヘプバーン主演の『暗くなるまで待って』(67)やリチャード・フライシャー監督の『見えない恐怖』(71)、近年ではマイケル・キートンが出演した『ブラインド・フィアー』(12)やシリーズ化もされた『ドント・ブリーズ』(16)など、スリラー映画の鉄板設定である“盲目の住人”と“侵入者”の攻防劇。

【写真を見る】盲目の少女の目の前を、武装した侵入者が闊歩…スリラー映画の鉄板とFPSゲームの要素が合体した『シーフォーミー』 [c] 2021 SEE FOR ME FILM INC.
【写真を見る】盲目の少女の目の前を、武装した侵入者が闊歩…スリラー映画の鉄板とFPSゲームの要素が合体した『シーフォーミー』 [c] 2021 SEE FOR ME FILM INC.

本作ではそこに、ビデオ通話映像によってサポートが受けられる“視覚障がい者サポートアプリ”という要素が加わることで、FPSゲームさながらの臨場感とスリルが与えられていく。「この作品は、視覚障がい者について私たちが誤解していることを描いていると同時に、非常にスリル満点な映画です。すばらしいほどに巧妙で魅力的な物語も持ち合わせています」と、オキタ監督は強い自信をのぞかせる。そして「主人公のソフィは視覚障がい者でありながらも、これまでスクリーンで観たことのないようなユニークでパワフルなキャラクターです」と続ける。

希少な変性疾患で視力を失い、ダウンヒルスキーヤーとしてオリンピックに参加するという夢を絶たれたソフィ。もう視力は戻ってこないことを知り喪失感を味わいながらも、自分一人の力で現実に立ち向かおうとする闘志を内に秘める。そして、生きていくためには手段を選ばないという強かな一面も持ち合わせている。「彼女は決して簡単に諦めるような少女ではありません。彼女を非力な少女だと思っている侵入者の男たちの予想とは裏腹に、彼女は持ち前の強さで戦うことを選ぶのです」。

このうえない緊張感と予測不能な展開にヒヤ汗 [c] 2021 SEE FOR ME FILM INC.
このうえない緊張感と予測不能な展開にヒヤ汗 [c] 2021 SEE FOR ME FILM INC.

ソフィーを演じたのは、自身も視覚障がい者であるスカイラー・ダべンポート。これが映画初主演となる彼女は、これまで声優業をメインに活動し、北米で放送・配信される日本アニメの英語吹替えなどを数多く務めてきたノンバイナリーのパフォーマーだ。オキタ監督は「私がこのプロジェクトに惹かれた理由のひとつに、スカイラーと一緒に仕事ができる機会だったという点が挙げられます」と明かし、その迫真の演技を讃えた。

そして「私は常に社会的弱者を主人公とする映画、特に普段見過ごされたり、社会から阻害されたりすることの多い立場を詳しく描くストーリーに惹かれてきました」と語るオキタ監督は、「ソフィは決して犠牲者ではありません。意外な人物であるケリーの助けを借りながら、彼女は自分を過小評価していた人たちにとっての致命的な脅威となっていくのです。そして二度と自分自身を過小評価しないことを学ぶのです」と、本作に込めたテーマを力説。

『シーフォーミー』は8月26日(金)より公開! [c] 2021 SEE FOR ME FILM INC.
『シーフォーミー』は8月26日(金)より公開! [c] 2021 SEE FOR ME FILM INC.

あらゆるステレオタイプを一蹴する人物造形に、次から次へと訪れる予測できない行動の数々。ラストシーンまで油断できない、巧妙なスリラーを是非とも劇場で目撃してほしい。

文/久保田 和馬

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