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女性特有の病気「子宮筋腫」とはどのようなもの?医師がアンサー!

  • 2022.6.27
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女性特有の病気のひとつである子宮筋腫。漠然とコワイ病気というイメージはありますが、実際の症状や治療についてよく知らないレディが多いのではないでしょうか。今回は、子宮筋腫について、「直レディースクリニック」院長の竹村直也さんに伺いました。

Q.子宮筋腫について教えてください

子宮の筋肉から発生する「こぶ」のことを子宮筋腫と言います。20代~30代女性の4〜5人に1人は筋腫があると言われています。ただしそのほとんどが経過観察で管理できる大きさ、位置にあります。

おなかの上から触ってわかるほどの大きな筋腫ができることもありますが、婦人科で超音波検査をして初めてわかることも少なくありません。筋腫はこのほかにも生理の量が多くなる原因にもなりえます。

症状:生理痛や生理の量が多いといった生理のトラブル、大きくなった場合にはおなかが膨れてきたり膀胱を圧迫して尿が近くなったりすることもあります。ただし筋腫があっても何も症状がないことがよくあり婦人科診察で初めて指摘されることも多いでしょう。

診断:臨床症状にもとづいて内診、超音波検査をすることにより診断可能です。内診と異なり膣から超音波検査を行うことで筋腫のより正確な位置や小さな筋腫もわかったりします。セックスの経験のない貴女にはお腹の上から超音波検査をすることできます。このほかにも非常に大きな筋腫の場合はお腹の上からの超音波検査がわかりやすいこともあります。

筋腫の位置、見え方によっては卵巣腫瘍との鑑別が必要なこともあります。また子宮肉腫という悪性疾患があって子宮筋腫との鑑別が必要なこともあります。こういったほかの疾患との鑑別が必要な時や筋腫の正確な位置、大きさを調べるためにMRI検査を勧められることがあります。内科ではCT検査が多用されますが婦人科疾患の精密検査ではMRIのほうがはるかに得られる情報量が多いです。

治療:筋腫は良性疾患であり症状、年齢、本人の希望を考慮して多くの場合、3〜12か月ごとの経過観察が可能です。その一方で手術治療が必要な場合があります。

1. 症状が強い場合
2. 妊娠希望があり今後の妊娠に影響を及ぼすと考えられる場合
3. 悪性疾患との鑑別が困難な場合

今回は2.について説明します。

妊娠希望があり今後の妊娠に影響を及ぼすと考えられる場合には筋腫部分のみを切除する必要があります。

筋腫が子宮の内腔に突出している場合:子宮鏡という細いカメラを膣から子宮の中に挿入して筋腫を切除します。

筋腫が子宮の内腔に突出していない場合:開腹もしくは腹腔鏡で筋腫を切除(核出)します。

いずれの場合においても妊娠に向けて正常子宮は残ります。開腹もしくは腹腔鏡で筋腫を切除(核出)した場合には術後6~12か月間の避妊期間が必要です。これは筋腫を切除した正常子宮の傷が元に戻るまでの時間が必要だからです。またこの手術後に妊娠した場合の分娩方法は帝王切開となります。筋腫を切除された子宮の筋肉が弱くなっており経腟分娩ではこの部位に負荷がかかり子宮破裂の可能性がありこれを未然に防ぐためです。

子宮筋腫は非常にありふれた疾患で症状、年齢、本人の希望を考慮して管理方針が多岐にわたります。子宮がん検診を受ける際などに超音波検査も併用して子宮筋腫が隠れていないか診てもらうことが大事です。気になる症状がなくても一度婦人科受診されることをおすすめいたします。

教えてくれたのは

出典: 美人百花.com

「直レディースクリニック」院長 竹村直也さん

2000年神戸大学医学部卒業。現在は直レディースクリニック院長として診療を行う。婦人科診療は生理、妊娠に関する相談、更年期治療、筋腫、卵巣のう腫などの管理など産科婦人科疾患全般の診療に携わっている。

直レディースクリニック公式サイト:https://nao-ladies.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/nao_ladies_clinic/

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