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とどのつまりの「とど」は海獣でアシカの仲間「トド」とは関係ない?!ならどこから来たの??

  • 2022.6.24
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「結局のところ」や「行き着くところ」という意味で使われる「とどのつまり」。 この言葉の「とど」は、アシカ科の海獣であるトドとは全くの無関係です。

ではどこから来たのかというと、「鯔(とど)」という魚ののことを指しています。 なぜ魚の鯔が言葉の語源になったのか不思議ですよね。

ここでは、とどのつまりの意味や語源、由来について解説します。

とどのつまりとは

 

「とどのつまり」とは、どういう意味があるのでしょうか。

とどのつまりの意味

「とどのつまり」には、「行き着くところ」「結局のところ」という意味があります。 厳密には、紆余曲折を経て最終的に行き着いたところという意味があり、そこから「結局のところ」という意味などで使われるようになった言葉です。

ポジティブな意味として使われる言葉ではありません。 むしろネガティブな表現で使われ、主に予想に対して思わしくない結果になってしまった場合に用いることが多い言葉となっています。

とどのつまりの類義語

あまりよろしくない意味で使われる「とどのつまり」は、何から何まで試してみた結果というニュアンスを含む言葉ということもあり、その類義語もたくさんあります。

挙げ句の果て

「挙げ句の果て」は、結論など紆余曲折を経て、一定の膠着状態で決着してしまった様子を表します。 とどのつまりと同じで、あまり好ましくない結果になってしまった場合に用いることが多い言葉です。

詰まるところ

「詰まるところ」は、あらゆる考えを繰り返してたどり着いたことを述べる際に用いる言葉です。

やはり

「やはり」は、以前の状態や他のものと違わないことを意味します。 ただし、予想や期待の通りになったことを示すこともあるため、ポジティブな意味で使われることも多いです。

到底

「到底」は、これ以上議論をしても前に進めないことを表す「とどのつまり」などと似たような意味を持ち、ある事柄ができないことを強調する言葉となっています。

所詮

「所詮」は、結果として行き着くところを意味し、結局のところというような意味もああります。 多くの場合は否定的な言葉と一緒に使われる言葉です。

とどのつまりの用い方

とどのつまりは、単体の「つまり~」とは違い、その後に続くのはネガティブな情報なのが一般的となっています。

「会議を何度も重ねたものの、とどのつまりこの計画は中止」などのように、紆余曲折を経た結果行き着いたところという意味で使います。 これ以上話し合いをしても進捗が見られない場合など、「結局」という意味で用いられることが多いです。

ニュアンスとしては「何をしてもダメだった」というような否定的な意味合いが込められており、単なる「結論」や「結果」にネガティブな要素を含んだ言葉として用いられます。

とどのつまりの「とど」とは

 

では、「とどのつまり」の「とど」とはどういう言葉なのでしょうか。 「とど」という発音を聞けば、多くの人は水族館にもいる海獣「トド」を思い浮かべると思います。

しかし、漢字で書くと「とど」は「鯔(とど)」となります。 これは魚のことであり、アシカの仲間のことではありません。

海獣ではなく魚のこと

「とど」とは、海獣の「トド」ではなく魚の「鯔(とど)」のことです。 「はた」という魚は、成魚になるまでの間に何度も名前が変わります。 いわゆる出世魚と呼ばれる魚です。

はたは、最後に「とど」という名前になるところから生まれたた言葉とされます。 はたは、成長するに従い、「はた→おぼこ→いな→ぼら→とど」と名前が変化していきます。 つまり「とど」は一番最後の名前という事になりますね。

そのため「最終的にそうなる」という意味で使われるようになりました。 これが転じたことで「行き着くところ」「結局のところ」というような意味となったとされています。

出世魚とは

そもそも出世魚とはどういうものなのでしょうか。 出世魚とは、成長段階によって名前がとこなる魚のことを指します。

なぜ「出世」という言葉が使われているのかというと、明治時代まで続いた武士などの風習と関係があるとされています。 当時、武士や学者は成人になると名前を幼名から大人の名前に改めるという風習がありました。 成長に合わせて着るものや出で立ちも変えることで大人の仲間入りをしていたのです。 この風習から、成長することでまるで出世したように名前が変わる魚が出世魚と呼ばれるようになったとされています。

また、出世の折々で身分に応じた改名をする風習があったことから、成長によって名が変わっていく魚を「出世魚」と呼んで縁起物としたとされています。

代表的な出世魚は他にもブリやスズキ、コハダ、マグロなどがいます。

「はた」や「とど」と呼ばれる魚から生まれたとされる言葉は他にも

 

「はた」からはじまり「とど」になるこの出世魚から生まれた言葉は「とどのつまり」だけではありません。 他にもいくつかの言葉があるとされているのでご紹介します。

青二才

「青二才」とは、若くて未熟な人を表す言葉です。 青少年や青年のように女性ではなく、男性に向けられることが多い言葉です。 青二才の「青」は未熟を意味し「二才」はぼらやとどになる前の幼魚、「はた」「おぼこ」「いな」を指す別名「二才魚」や「二才」のことをだとされています。

ただし、正確な語源についてはわかっていません。

いなせ

「いなせ」は、粋で勇み肌でさっぱりしている人を指す言葉です。 身だしなみや身なりを褒めるのに使う言葉となっています。

江戸日本橋魚河岸の若者の間で流行った髪型に由来しているとされます。 その髪型が、ぼらになる前の「いな」の背に似ていたことが語源となっているとされます。 漢字で書くと「鯔背(いなせ)」となります。 いな・ぼら・とどは漢字が共通していますので、文字通りいなの背の姿かたちから付けられた言葉となっています。

まとめ

「とどのつまり」とは、手を尽くした末の結果を意味する言葉であり、行き着くところや結局のところを意味する言葉となっています。

この言葉に使われている「とど」とは、アシカの仲間であるトドではなく、魚の鯔(とど)に由来しているとされます。 この魚からは「青二才」という今でも使われることのある言葉や「いなせ」という江戸時代の美意識に関する言葉が生まれたとされています。

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