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フラゴナールをめぐる、パリの3つの話題。

  • 2015.10.7

リュクサンブール美術館では現在「恋するフラゴナール 粋人そして放蕩者」展が開催中だ。この小さい美術館、いつになくホットな雰囲気に包まれている。18世紀のロココ時代を代表する画家のひとりジャン・オノレ・フラゴナール(1732〜1806)。この展覧会は、彼がエロスに多くインスパイアを得ていた点に焦点を当てて、作品を展示しているからだ。あいにくと有名な「ぶらんこ」は、ロンドンのワラス・コレクションからの貸与がないものの、見る者の好奇心を刺激したり、頬を赤らめさせる作品の展示には事欠かない。軽薄、アンモラル、享楽......だけど、最後のコーナー「恋愛の寓話」では思い切りロマンティックな絵画が見られる。

(左)1770年頃の作品「L'Instant désiré」(欲望の瞬間)。©collection George Ortiz /photo Maurice Aeschimann (右)1770〜1773年ごろの作品「La Résistance inutile」(無駄な抵抗)。 ©Nationalmuseum, Stockholm

(左)1770年頃の作品「La Jeune Fille aux petits chiens」(子犬を抱いた若い娘)。©Koons Collection (右)展覧会のビジュアルにも使われている、1777〜1778年ごろの作品「Le Verrou」(閂)。©Photo Rmn-Grand Palais(musée du Louvre)/Daniel Arnaudet

(左)1765~1770年頃の作品「Les Suites de l'orgie」©Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam/photo Studio Tromp(乱行パーティの結果)。(右)展示風景

Fragonard amoureux , galant et libertin
会期:2016年1月24日まで開催
会場:Musée du Luxembourg
19, rue de Vaugirard75006 Paris
開館:10:00〜19:00(月、金 〜21:30) ※12月24日、31日、1月1日は10:00〜18:00
休)12月25日
料)12ユーロ


画家フラゴナールは香水の町グラースの生まれ。その地で1926年に創業したパフューム・メゾンのフラゴナールの名前は、地元を代表するこの画家に由来している。販売している香りの種類はとても豊富。ブティックでは香水以外の雑貨的商品も販売していて、香水同様、お土産に人気を呼んでいる。

パリではこの春にオペラ座からそう遠くないところに、2フロアの合計が300平米という、とても大きなブティックがオープンした。ライフスタイル・ブティックと呼べばいいだろうか。香水、石鹸、インテリア用パフュームといったフラゴナールの香りはもちろん、食器、クッション、ストール、ポーチ、アクセサリー、プレタポルテと、買いやすい価格の品がなんでも揃っている。お土産探しのつもりで入ったら、自分用にあれこれ買ってしまった! という結果になるかも。

本誌で活躍するイラストレーター、プリューヌ・シレリによる動物のクッションやお皿も並んでいる。

香りからプレタポルテまで!

チャーミングなオリジナル小物にあふれるブティックだ。

Boutique Fragonard
5 , rue Boudreau
75009 Paris
Tel. 01 40 06 10 10
営)10:00〜20:00
休)日


先月、このブティックの隣にパリで3つめのフラゴナールの香水美術館が開館した。こちらも地下の広い展示スペースに驚かされる。ブティックと美術館を擁する建物は、2年前までは英国家具のブティックと倉庫だった。もともと19世紀には劇場だったそうで、その後はパリっ子たちの自転車練習場として使われていた、と聞けば、その広さにも納得がゆく。美術館内、香水の製造工程をわかりやすく説明するコーナー、古代エジプトから現在に至る香りにまつわる歴史的オブジェや香水ボトルのラベルなどの展示がなされている。なお、こちらにも香り関係の品を販売するブティックがあるが、美術館訪問客専用だ。

Musée du Parfum Fragonard
3-5 square de l'Opéra Louis Jouvet
75009 Paris
Tel. 01 47 42 04 56
開館:9:00〜18:00
休)日
入場無料

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