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東京が世界の都市総合力ランキング3位に!理由は働きやすさ改善にあり?

  • 2022.6.21
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2021年版「世界の都市総合力ランキング」で東京は3位にランクインしました。世界の都市と比べ、東京はどのような面で評価されているのでしょうか。そして今後の展望は。不動産ライターの逆瀬川勇造さんが解説します。

「世界の都市総合力ランキング」は森ビル創業者により創設された森記念財団が毎年発表しているランキングです。 2021年には東京が世界中の都市の中で3位にランクイン。 世界の都市の中で、東京はどのように評価されているのでしょうか。 本記事では、ランキングの内容や、ランキングから見える日本の課題、今後の展望などお伝えしていきます。

2021年世界の都市総合力ランキングで東京が3位にランクイン

2021年11月に発表された、2021年版「世界の都市総合力ランキング」で東京都は3位にランクインしました。 順位こそ前年と同じ3位でしたが、いくつかの項目で上位の都市を追い上げる形となっています。

2021年版「世界の都市総合力ランキング」1位:ロンドン(1644.1)2位:ニューヨーク(1482.9)3位:東京(1411.0)4位:パリ(1350.8)5位:シンガポール(1232.8)

「働き方の柔軟性」が大幅上昇

世界の都市の総合力ランキングでは、「経済」、「研究・開発」、「文化・交流」、「居住」、「環境」、「交通・アクセス」の6分野で評価されます。2021年において、特に東京の評価を高めたものが「居住」分野の「働き方の柔軟性」です。

東京はこの分野において、2020年に41位だったものが、2021年には2位にまで上昇。新型コロナウイルスにより、リモートワークが普及したことが大きな要因として考えられるでしょう。

その他、「文化・交流」面において、「発信力」の評価が高くなっていますが、これは東京オリンピックが開催されたことが大きな要因として考えられます。

東京オリンピックのメイン会場として使われた新国立競技場(画像:photo AC)

東京の都市としての課題とは?

一方、同ランキングから分かる東京の都市としての課題は「経済」です。2021年度は、経済分野において「ワークプレイス充実度」がスコアを伸ばしました。ワークプレイス充実度とは、例えばクリエイティブオフィスやコワーキングスペースなど、働きやすい環境が整えられているか、という指標で、これもやはりコロナ禍への対策が奏功したものだといえるでしょう。

一方、「証券取引所の時価総額」や「世界トップ500企業」など、他の指標ではスコアを落としています。これらは日本全体の課題ともいえるものでしょう。

今後の展望

東京の都市としての今後の展望はどうなのでしょうか。

東京の風景(画像:photo AC)

エネルギー問題とインフレ・円安

2022年は、年初からロシアによるウクライナ侵攻と、それにより引き起こされているエネルギー問題などが大きな問題となっています。 また、コロナ禍対策でお金をたくさん刷った影響として、世界各国でインフレが進行。アメリカがこれを抑えるために利上げを進める一方で、日本は金融緩和を維持しており、過去に例がない速度での円安が進行するなどしています。

日本が、今後こうした問題にどのように対応していくかが問われるでしょう。

「観光地の充実度」がポイント

こうした中で、世界の都市総合力ランキングから見える、東京の課題として「観光地の充実度」を高めることが一つのポイントとなるといえます。

東京の観光地浅草寺(画像:photo AC)

今後円安が進むと、日本の経済に大きな影響が及ぶ可能性がありますが、一方で、他国からすると割安で日本に旅行できることになります。

まだ新型コロナウイルスの脅威が完全になくなったわけではありませんが、世界各地で移動がしやすくなっている中、観光地としての充実度を高め、外国人を多く受け入れることができれば、経済分野でも高いスコアを獲得できる可能性があるでしょう。

まとめ

2021年版「世界の都市総合力ランキング」から、東京が都市として評価されているポイントや課題、今後の展望をお伝えしました。

2021年は特にコロナ禍への対応から、「働き方の柔軟性」などの指標が高く評価されましたが、一方で経済分野ではさまざまな課題があります。「世界の都市総合力ランキング」は毎年発表されていますが、東京が都市として世界からどのような評価を受けているかを知る指標として、今後も参考にしていきたいですね。

逆瀬川勇造(不動産ライター)

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