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意外!?脳を鍛えるには頭を使うより運動を!ジェンダーフリーな脳のアンチエイジング法教えます!

  • 2022.6.21
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アンチエイジングと聞くと、肌や体型、ヘアといった、美容のことを思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。

アンチエイジング=美容系のキーワードと思っている男性もいるかもしれません。

しかし、長い人生を考えたとき、私たちの体の中で最も若々しくあってほしい場所であり、アンチエイジングで最も重要な場所は「脳」ではないでしょうか?

今回は、男性女性ともに知ってほしい、脳のアンチエイジングやトレーニングについてお話ししたいと思います。

脳トレじゃダメ?! 脳を鍛える方法とは?

脳のトレーニングというと、頭を使って解くパズルやゲームのようなものをイメージされるかと思います。

一時大ブームになった“脳トレ”ですが、実はあまり効果がないという報告もあるのです。

英国ケンブリッジ大学でAdrian M.Owen博士が18~60歳の1万1430人の対象者を

(1)論理的思考等を鍛える脳トレゲーム

(2)短期記憶等を鍛える脳トレゲーム

(3)脳トレゲームはおこなわず、課題に対してネットサーフィンをする

という3つのグループに分けて実験の前後に認知機能を調査する4種類のテストを実施し、成績の比較をおこないました。

すると、なんとすべてのグループの結果がほぼ同じになったのです(出典:Nature volume 465, pages775–778 (2010))。

一生懸命脳トレに励んだことのある方にとっては、ちょっと残念な結果ですね。

しかし、「トレーニングした項目については若干の伸びを見せた」という結果も同時に出ており、脳トレは、脳そのものの機能向上にはつながりませんが、トレーニングすればその能力に関しては伸びる可能性があるようです。

ちなみにOwen博士は、脳トレをするなら普通に勉強した方がよいという、身も蓋もないというか・・・反論の余地が全くないことをおっしゃっています!

一方で、脳トレにも一定の効果があるという報告もあります。

米国のワシントン大学のJoshua J.Jackson博士により、高齢者が数独やクロスワードパズルによる訓練をおこなうと、積極性が増し前向きになるといった結果が報告されていますし、カナダのトロント大学のRaza Naqvi博士は、認知症の予防にパズルゲームが効果的だと報告されています。

まだまだ未知数な部分もありますが、トレーニングした項目だけを伸ばす脳トレも、脳の機能全般を高めるような脳トレも、どちらも存在するといえるのかもしれません。

脳の働きを高めるには、やはり継続的に脳を使うということがいちばん大切なようです。

脳を鍛えるには・・・実は筋トレが効果的?!


筋トレばかりして、オツムの方はイマイチ・・・という人を、脳筋(脳まで筋肉でできているという意味)といって揶揄するようなスラングもあります。

しかし、筋トレは、脳にとっても重要な効果をもたらすようです。

以前、運動することで成績が向上したという高校についてお話ししましたが、認知症を患う高齢者にとっても、軽い運動をすることで認知機能の改善効果があるとの報告があります。

疫学データでも、頻繁に体を動かしている人は認知機能が低下しにくいといったものがいくつも示されており、「運動」と「脳の働き(認知機能)」には大きな繋がりがあることに疑いはなさそうです。

さらに、継続的な運動はアルツハイマー病の予防にも期待がされています。

なぜ体を動かし、筋肉を鍛えることで、脳の機能に効果があるのでしょうか?

その鍵のひとつは「BDNF(Brain Derived Neurotrophic Factor):脳由来神経栄養因子」にあるといわれています。

BDNFは、脳内で記憶を司る海馬や視床下部に多く存在するたんぱく因子で、神経細胞の発生や成長、維持や再生を促す働きがあるとされています。

神経細胞の動きを活発化させる効果が期待されることから「脳の栄養」と呼ばれることもあります。

BDNFは65歳以上になると男女ともに年々減少することがわかっていますが、運動することによって脳内で量が増えるということが分かったのです。

脳内には神経細胞であるニューロンと、そのニューロン間の結合部で電気信号を伝達する役割を持つシナプスが存在しています。

何かを記憶するためには、新しいシナプスの結合の形成が重要なのですが、BDNFにはシナプスの可塑性を高める作用があるため、運動することでBDNF量が増加すると、脳の機能が高まるわけです。

ラットを使った実験では、脳に損傷を与え認知機能を低下させたラットに運動をさせることで、BDNF量の増加と認知機能の回復が確認されました。

米国Pittsburgh大学のKirk I.Erickson教授は、高齢者120名(平均年齢約67歳)にウォーキングなどの有酸素運動を定期的におこなわせることにより、海馬の体積が1~2%程度増加したという報告をしています(出典: Proc Natl Acad Sci USA 2011; 108: 3017-3022)。

記憶や学習能力に関わる海馬は、高齢になると一般的に年1~2%程度縮小し、縮小することによって認知機能障害のリスクが高まることがわかっています。

高齢者であっても、定期的な有酸素運動をおこなうことで、海馬が1~2%増加する、すなわち1~2年若返ってしまうとは驚きですよね!

ちなみに、気になる定期的な有酸素運動の中身ですが、週3日間のウォーキングプログラムを1年間継続しています。

ウォーキング時間は、1回40分が目安となっていますので、何とか続けられそうな時間ではないでしょうか?

少し意外ですが、脳のトレーニングでは、頭を使うトレーニングだけでなく、体全体を動かすことが重要なようです。

いつまでも若々しくいるためには、文武両道が一番の近道かもしれませんね!

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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