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King & Prince 神宮寺勇太が働く人に“気づき”を与える 『受付のジョー』は新しい働きドラマ

  • 2022.6.20
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『受付のジョー』(c)NTV・J Storm

2022年春ドラマで面白い試みをしている作品がある。King & Princeの神宮寺勇太が主演を務める『受付のジョー』(日本テレビ)だ。

これまでも、総務部が舞台の『ショムニ』(1998年ほか/フジテレビ系)、経理部を舞台にした『これは経費で落ちません!』(2019年/NHK総合)など、1つの部署に特化した作品は数多く存在するが、本作はその中でも珍しく、受付にスポットを当てている。

『受付のジョー』のあらすじは、広告代理店の営業マン・城拓海(神宮寺勇太)が、あまり深く考えずにプレゼンした“受付デジタル化計画”が採用され、3カ月以内に受付嬢全員をリストラする形に……。城は、猛反発する彼女たちのことを理解するため、自ら受付の仕事に飛び込む、というもの。

回を重ねるごとに、受付嬢の大切さを思い知らされていく城。今後は、新しい受付の形“デジタルとヒューマンのハイブリット化”を目指す彼の奮闘ぶりも楽しみのひとつだが、見どころはそれだけではない。働く大人たちが、今一度襟を正すポイントがちりばめられているのだ。

城は受付チームとして働く中で、社員たちが彼女たちを見下していることに気づく。あるとき、彼の先輩で営業部成績No.1の西大輔(田村健太郎)が、他社を呼び込む相談会のチラシを制作。受付嬢の写真を勝手に使用し「おいしいお茶と笑顔でお待ちしております」との文言を記載した。さらに、城がお茶を準備していると「お茶なんか受付の子に頼めよ」と暴言。城は西に「受付の仕事はそういうことではありません。受付のみなさんは、受付のプロなんです!」と注意した。

また、受付嬢の派遣社員・熊本淑子(美山加恋)が会社の不正を偶然見つけ、下請け会社にリークした際には、企画部次長が怒鳴り込んできて「派遣は派遣の仕事だけやってりゃいいんだよ。俺ら社員の邪魔をしないでくれ。受付がなくなる前に、ウチの会社をやめさせてやるからな!」と問題発言。城は、大ごとになる前に問題を防げたのにも関わらず、彼女を脅した愚行に「派遣、委託先……会社を支えてくれている人を大切にしない人が、心に響く広告を作れると思いますか!?」と怒りをぶつけた。

本作は、受付嬢と城の物語のほかに、もう1つの軸があった。それは、彼が想いを寄せる同僚・春口光咲(松井愛莉)が抱えた問題。ある日、彼女は休職してしまう。その原因となったのは西。彼は、明るく優しい先輩ではあるが、上述したように無神経な一面も多々ある。たとえば、春口が大きな案件を成功させたとき、彼女を担当に指名した西は「よく頑張ったな。お前のおかげだ」と労いつつも「やっぱり可愛い女の子を担当にして正解!」と声をかけた。その言葉を聞いた春口は顔面蒼白。一生懸命仕事をし、その結果、成功したと思っていたが、自分はクライアントの機嫌をとるために担当を任されただけ……。そうした配慮のない言動もあって、彼女は休職に追い込まれる。後日、適応障害と診断された。

城の支えもあって春口は別の部署で復帰することに。その後、自分のせいで彼女が会社を休んだと知った西はショックを受け、城に「そんなつもりはなかった」とこぼした。受付チームとして働く中で成長した城は、彼にこう言葉をかけた。

「西先輩が何をしたかというより、春口さんがどう感じたか、じゃないかと思うんです」
「西先輩は……いや僕もなんですけど、人の気持ちが見えてなかったというより、自分の見たいようにしか見ていなかったってことだと思うんですよ」

この城の言葉にハッとした人もいるのではないだろうか。彼もあのまま営業部にいれば、西と同じ状況に陥っていたかもしれない。受付にいたことで感じた“気づき”があったから今の彼があるのだ。

大半のビジネスパーソンは、人と接して仕事をしている。お互い気持ちよく働くためには、自分の言葉で相手が傷ついていないか、よく考える必要がある。本作は、そんな自分の仕事ぶりを今一度振り返る“きっかけ”を与えてくれる作品となっているのだ。現に、ドラマ放送終了後は、SNSで『受付のジョー』に関連するキーワードがトレンドにランクイン。今をときめく神宮寺が主役なので、当たり前のことなのだが、それだけでなく、女性軽視、モラハラ、職業差別といった現代社会が抱える問題と向き合っていることを賞賛する書き込みが多くある。

『受付のジョー』は、毎週月曜深夜24時59分から放送されている『シンドラ』枠の作品。こちらは、ジャニーズ事務所に所属するアイドルが主演を務める放送枠だが、恋愛要素やファンにはたまらない可愛らしいシーンがありながらも、ここまで社会問題に一石を投じた作品は珍しい。

24歳の神宮寺と同年代はもちろん、30代、40代、50代……と誰にだって刺さるであろう本作。新しい“働きドラマ”として歴史に名を刻んだことは間違いない。(浜瀬将樹)

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