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睡眠の借金返済って!? 平日の“寝不足”を週末に解消するアイデア

  • 2015.10.6
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【パパからのご相談】

40代の契約社員です。アルバイトをしている妻と共稼ぎで3人の子どもを育てています。私の方は夜帰宅してからもパソコンを使った在宅ワークの副業をやっているので、よく“理想的な睡眠時間”といわれる7時間半の睡眠をとることなど、どうやっても無理です。 平均すれば睡眠時間は3~4時間かと思います。こんなありさまでは今は何とかやれていても、長生きもできそうもなく心配です。睡眠不足を解消するためのいい解決法はないでしょうか?

●A. 睡眠時間は人によって違うので大丈夫ですが、週末に睡眠の借金を返済しましょう。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

最適な睡眠時間というのはその人その人によって違いますので、ご相談者様が平均的な日本人の睡眠時間より少なめだったとしても、日常生活が支障なく送れているのでしたら特別気になさることはありません。

「長生きできないのでは?」というご心配について申し上げるならば、睡眠時間と平均寿命の相関関係についての研究はありますが、睡眠時間の少なさが“長生きできなくさせる”ことを裏付けるデータは得られていません。

ただ、4時間ならまだしも毎日3時間睡眠となると、お仕事中に眠くなってしまったりということもあるかと思いますので、週末に“睡眠の借金返済”をされることをおすすめいたします。東京都調布市にある『スリープクリニック調布』の院長である医師の遠藤拓郎先生の説をご紹介しながら、お話を進めてまいりましょう。

●あまりにも睡眠時間が少なかった日は、その日の午前中に仮眠をとるとよい

厚生労働省の『平成22年国民健康・栄養調査結果の概要』によれば、わが国の男性の平均睡眠時間は6.60時間で、女性の平均睡眠時間は6.49時間でした。

睡眠に関する研究では、多くの研究者たちが1時間半の倍数の睡眠時間(9時間、7時間半、6時間、4時間半)がスッキリ目覚めるための理想的な睡眠時間であると言っています。これは、レム睡眠(浅い眠り。脳が覚醒状態に近く起床に適した睡眠の状態)とノンレム睡眠(深い眠り。脳が休んでいる状態のため無理やり起こされると目覚めがよくない睡眠の状態)の周期が1セット約1時間半であるためです。

その意味では3時間も1時間半の2倍ですので理想的ということになるのですが、さすがに3時間睡眠となると仕事中の“居眠り”や絶対的睡眠不足によるストレスが心配になります。スリープクリニック調布の院長である医師の遠藤拓郎先生は、次のような主旨のことをおっしゃっています。

『(前日の夜に寝るのが遅くなり、眠くて仕方がないときは)午前中に仮眠をとれば、その睡眠は前日の睡眠不足を補うものになります』(遠藤拓郎/医学博士)

午前中から仮眠をとるのは難しいとお思いになるかもしれませんが、通勤電車で運よく座ることができればそれで睡眠不足は解消できるということですし、座れなくても会社に15分だけ早く着いて社員食堂で仮眠をとれば全然違うということなのです。

●平日に睡眠時間を長くとれないのであれば、週末に睡眠の借金を返済することが可能です

また遠藤先生は、いわゆる“寝だめ”(たくさん眠っておけばその後の睡眠時間は短くて済むという考え方)について触れ、次のような趣旨のことを述べています。

『寝だめができるかということについて言うなら、答えはNOです。睡眠は貯金のようにはためられません。しかし、“睡眠の借金”は可能です。平日、少ない睡眠で活動したのを、週末にまとめて返済することができるのです。私は、平日はわずか4時間半睡眠ですが、日曜だけは早く寝て7時間くらいの睡眠をとっています。こうすることで翌月曜日は自然と早起きになり、週の初めのスタートダッシュがよくなるわけです』(遠藤拓郎/医学博士)

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いかがでしょうか。

ご相談者様のように平日の睡眠時間が1日3~4時間しかとれない方でも、週末に睡眠の借金を返済すれば健康な生活を維持して行くことは可能であると、睡眠を専門に研究している医師がおっしゃっています。ぜひ参考にしていただいて、週末の“睡眠の借金返済”で、良好な体のコンディションを維持なさってください。

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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