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ロンドン金融街に潜む、廃墟と緑の「秘密の園」とは?

  • 2022.6.16
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ハイドパーク、グリーンパーク、リージェントパーク、ケンジントンパーク。これらおなじみの公園を筆頭にロンドンには都会に居ながらにして緑を満喫できる場所があちこちにある。そして、このような大きなスペース以外にも「秘密の花園」的な知る人ぞ知るグリーンスポットも数多い。

セント・ダンスタン・イン・ザ・イースト・チャーチ・ガーデンは、金融街シティに位置する歴史ある教会の廃墟と緑が美しく融合する小さな公園だ。

アーチ型のゲートがロマンティック。この先にはどんな風景が広がっているんだろうと心躍る。

ドラマティックな佇まいに、思わず息をのむ。

英国聖公会に属していたこの教会は1100年頃に建てられたが、1666年のロンドン大火災で大きな被害を、さらに第二次世界大戦中には1941年のロンドン大空襲で痛手を受ける。戦後の建て直しは叶わず、その代わりに公園として生まれ変わることになり1970年にオープンした。

大火災と大空襲を奇跡的に逃れたという、高くそびえる塔が目印。かつて教会だったことを示すアーチ型の窓が残る外壁は緑に覆われて鬱蒼としており、幻想的な雰囲気が漂う。一方、天井が抜け落ちた中央部分は明るく、円陣を組むようにベンチが置かれて人々がくつろげる場所となっている。お天気が良い日は、周辺で働く人たちがサンドイッチとドリンク片手にのんびりとランチタイムを楽しんでいる。

高い塔も壁に覆いかぶさる緑もストーリーを語りかけてくるよう。

外壁の静かさと生き生きとした緑のコントラストに圧倒される。

壁の外から中央のベンチのエリアを望む。

あちらこちらの置かれたベンチで、人々は思い思いの時間が過ごせる。

この教会が経てきた歴史が感じられる窓辺。

近年シティは建築ラッシュが続いており、歩いているとあちこちから工事の音が聞こえてくる。超モダンな高層ビルが増えて、歴史ある街の風景の変貌は激しい。その中で、本来の務めを終えながらも威厳は失わない教会の建物と緑で覆われたここは、まるで時が止まったかのよう。ちょっと不思議でロンドンらしい、とっておきのグリーン満喫スポットとなっている。

St Dunstan in the East Church Gardenwww.cityoflondon.gov.uk/things-to-do/city-gardens/find-a-garden/st-dunstan-in-the-east-church-garden

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