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パートで「働き損になる」年収の分岐点はいくら?

  • 2022.6.15
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パート収入のある被扶養配偶者が気にすべきものとして、いわゆる年収の壁というものがあります。収入が一定額をオーバーすると「働き損」になってしまうことも。そこで、今回は「働き損」になる理由や基準となる年収について解説します。

■「働き損」とはどういうこと?

妻が夫の扶養に入っている場合、パートに出たとしても一定金額までは社会保険料の負担がありません。

その一定金額をわずかに超えたくらいの年収の場合、社会保険料発生が給与から天引きされることによって、ボーダーラインの手前の年収の人と比べて、実質的な手取り金額が劣後します。

これが働き損の内容です。

■「働き損」の分岐点

大企業勤務の場合、ボーダーラインは年収106万円です。

この値の前提となる条件は以下の通りです。

1)勤務先(雇用元)の保険加入者が501名以上いる
2)週の所定労働時間が20時間以上
3)月額賃金が88,000円以上(年間約106万円)
4)1年以上の勤務の見込みがある(契約更新有りの場合も含む)
5)学生ではない

例えば、大企業でパートをしていて年収110万円の場合、社会保険料は年収の15%程度なので約16万円です。その結果、手取り金額は93万ほどになります。一方、年収100万の場合、社会保険料がかからないので、丸々100万円が手取り金額です。このような、手取り金額の逆転現象が「働き損」です。

なお、従業員数500人以下の会社に勤務する場合、社会保険料負担の発生するボーダーラインは年収130万円となります。

■例外もあるので注意

2022年10月からは、従業員数101人~500人以下の会社に勤めるパートやアルバイトも、大企業の場合と同様年収106万円超から社会保険料負担の対象になります。この変更は今後さらに従業員数が少ない会社へ適用拡大される予定です。

また、夫に家族手当が出る場合、妻の収入に条件を設けられているケースが多いです。その場合は、家族手当の支給条件となる金額がボーダーラインとなり、働き損が発生するケースもあるので注意が必要です。

■見方によっては「働き損」ではない

社会保険料を負担することは、長い目でみれば、「働き損」ではないと考えることもできます。

2022年10月以降は、年収106万円を超えた場合、厚生年金に加入することができます。厚生年金保険料のうち半分は勤務先負担となりますし、将来もらえる年金額が増え、受給が始まればその後生きている限りずっともらい続けることができます。

老後生活資金を考えた場合、ボーダーラインを超えて稼ぐことにはメリットもあるので、ここも踏まえた上でパート収入をどうするか考えてみてください。

文・fuelle編集部

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