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【小澤陽子のMY CHOICE#最終回】どんな道を選んでも、将来は笑っていたい

  • 2022.6.10
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バラエティーや報道番組などで幅広く活躍するフジテレビアナウンサーの小澤陽子さん。昨年30歳を迎え、自身を見つめ直す機会が増えた――と話す小澤さんが、仕事やプライベート、今後のキャリアについて今、感じている率直な思いを語ってきました。今回は最終回。小澤さんに今後の“キャリア”や“選択”などについて聞きました。

自分と向き合えた半年

気づけば2022年も6月になり、折り返し地点を迎えました。1月に始まった連載も今回で最終回。連載は私にとって初めての経験でした。これまでは一日一日を頑張ることに精いっぱいだった私でしたが、この半年はtelling,読者のみなさんに付き合っていただきながら、自分自身と向き合うことができました。

四世代が同じ家で暮らす大家族で育ち、高校時代に留学したり、大学時代に海外でインターンシップをしたりした“過去の私”と、アナウンサーとして活動している“今の私”が、繫がっていることも実感。これまでの点と点が線になりました。アナウンサーは仕事柄、相手のお話を聞くことは多いですが自分のことはあまり話しませんし、日々更新しているインスタグラムでも仕事についての考え方などは発信していません。この連載を機に小澤陽子というアナウンサー、そして人間を見てくれた方が非常に多くて。私にとっては貴重な経験でした。

朝日新聞telling,(テリング)

人事を尽くして天命を待ったら…

タイトルは「小澤陽子のMY CHOICE」なので改めて、これまでと今後の選択についても話そうと思います。進学先など、何か大きな選択をするときは、“長い目で見た自分にとって大切なこと”を意識してきました。長期的な視点を意識するようになったきっかけは、四世代の大家族で育ったことだと今、振り返って思います。曽祖母もいるので日頃から自然と長い時間軸を意識して生活していましたし、実際に「20年後のことを考えなさい」とアドバイスされることも多かったですね。

そんな私は今、今後の仕事について考えています。現在は「全力!脱力タイムズ」といったバラエティーから「Live News イット!」などの報道番組、そして競馬やフィギュアに至るまで様々なジャンルの番組を担当しています。そんな日々の中で特定のジャンルに集中する時期が欲しいと思う一方、そうすれば、ほかの番組への出演を諦めざるを得なくなる。
そんな葛藤も抱えています。

人生の節目で祖父から「人事を尽くして天命を待つ」と言われ続け、この言葉を座右の銘にしてここまで来ました。だから、会社員になってからも、与えられた仕事や環境を好きになるように努め、100%以上の努力をしてきたつもりです。そのうえで、フィギュアなど自分がやりたいことは譲らず、粘り強く主張も続けました。そして7年目にしてようやく念願のフィギュアの中継担当に就くことができました。

朝日新聞telling,(テリング)

私のロールモデル!

同じ仕事をしているチームはいつも「家族」のように思っています。だから率先して挨拶したり、暑い日は飲み物を買いに行ったり。ありがたいことに、そんな姿勢を見て評価してくださる人も増えていると聞きましたし、私自身もチームのメンバーに積極的に接することで、緊張しにくくなったり、頑張りやすかったり、相談しやくなったりと仕事上でもポジティブな影響がありました。

今の私のアナウンサーとしてのロールモデルは社内では2011年入社の三田友梨佳さんと1996年入社の佐々木恭子さんです。

三田さんは一つ一つの仕事に丁寧に向き合われている中で、状況に応じて、自ら持つ考えを番組でも臆せず発言されています。積極的にアナウンサーがコメントするスタイルを築かれた点も含めて尊敬しています。三田さんは年次が私の4つ上。同じようになれるとは思っていませんが、私も三田さんのような年の重ね方ができれば、と考えています。

一方、佐々木さんは子育てをしながら、バリバリ仕事をされています。ご家庭があり今の私には知る由もない悩みを抱えてこられたと思うのですが、「誰かのせいにするような選択をしたくない」とおっしゃっていたのが印象的でした。仕事面でも後輩の面倒見もすごく良くて、私が新人の頃から何かある度に、ちょっとしたアドバイスや提案をしてもらい、寄り添って支えてくれました。人の心をつかむのも上手で、憧れの先輩です。

様々な先輩を見習って、私も後輩へ対応する時は色んなことに配慮しています。他人のミスと自身の不注意で失敗をして「最悪」と話していた後輩を指導するときには「人のせいにしちゃダメだよ」と頭ごなしに注意するのではなく、「大変だったね」とまずは寄り添い、「こうする方がいいかも……」と隣に立つような目線を意識してアドバイスをしましたね。

朝日新聞telling,(テリング)

大きな分かれ道がいっぱいの“今後”

そして私の今後。
確かに私はアナウンサーという仕事が好きです。初回にお話ししたように発信したり、誰かの人生の「きっかけ」となるような影響を与えたりしたいですし、現場や当事者の声を“知ってもらいたい”という気持ちも強い。だから、たとえアナウンサーから離れたとしても“伝えること”は続けていきたいですね。

プライベートでは、年齢的にも結婚をして家庭を持ちたい気持ちは強いですね。パートナーとは互いにリスペクトし合い、それぞれが自立して高め合えるというのが理想。過度な依存はしないけど、家庭自体は温かく、喜びを与え合い、支え合えるような家族関係を築いていきたいです。子どもができても同じように――。子どもに注力し過ぎると、本人のためにも、私のためにもならないような気がしています。

改めて今回が最終回。
社会人になったり、実家を離れたり、がむしゃらに仕事をしたりして一生懸命に毎日を生きていた20代を経て昨年、私は30歳になりました。そして目の前を見渡すと結婚、妊娠、出産、キャリア形成など大きな分かれ道がいっぱい。先日には、友人からパートナーと別れるか否かで悩んでいるとの相談がありました。その時に私はどんな選択をしても応援することを伝えたうえで、「50年先に笑顔でいられるようにしてほしい」と言い添えました。

朝日新聞telling,(テリング)

今の私が想像している“姿”とは…

この先の決断は一つ一つが重いし、伴う責任も大きい。決めるために大きな勇気が必要になるでしょう。どんな岐路でも、決断に正解はないから不安にもなると思います。ただ、逆に言えばどの決断も正解。どんな道を選んだとしても、10年、20年、そして50年先の自分が楽しく暮らせていて、笑っていられればいい。将来の自分が笑顔でいる姿を想像し、今の私は生きています。

改めて半年間、読んでくださりありがとうございました。
telling,読者のみなさんにも幸せがたくさん訪れますように。Good luck to all of us!

■小澤陽子のプロフィール
横浜市生まれ。慶応大学環境情報学部卒業後の2015年、フジテレビに入社。現在はニュースバラエティー番組「全力!脱力タイムズ」や競馬番組「馬好王国」「BSスーパーKEIBA」、ニュース番組「Live News イット!」、フィギュアスケート中継などを担当。趣味は旅行や写真撮影など。

■岩田智博のプロフィール
ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。

■岡田晃奈のプロフィール
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。

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