1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 喉に刺さるケースも!? 子どもの「歯磨き事故」を防止するポイント

喉に刺さるケースも!? 子どもの「歯磨き事故」を防止するポイント

  • 2015.10.3
  • 20545 views

【ママからのご相談】

先日、2歳の息子が歯磨き途中に走りまわって転ぶという、ヒヤリ体験をしました。幸いケガはありませんでした。でも、歯磨き中は注意しても、目を離さないようにしてもこの年齢の子どもは危ないことをします。どうすれば、 歯磨き事故から防げるのでしょうか。

●A. 小道具を使って短時間だけ集中、できなければその場は無理強いしないことです。

こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているフリーライターの桜井涼です。ご相談ありがとうございます。

歯ブラシをくわえると、ケガをしてしまわないかと心配になりますよね。お母さんの言うことを聞かないで、走り回る子もいれば、転んでしまう子もいます。だから、歯みがきの時間になると、どうしてもお母さんの神経もたってしまいますし、つい怒ってしまいますよね。

乳幼児は、特に短時間しか集中できないことを理解し、小道具で気を引いて、何とか歯を磨き終わるようにしてみてほしいと思います。

●歯磨き事故の現状

先日、時事通信で発表された東京消防庁のまとめである、『2014年に歯磨き中の事故で救急車で搬送された乳幼児』では次のようなことがわかりました。

・10~14年の5年間では、計207人の乳幼児が搬送された

・入院が必要な中等症以上と診断されたのは全体の15%

・生命の危険があると診断された事故もあった

・年齢別で見ると、1歳児(97人)と2歳児(61人)で全体の約76%を占めた

口の中の粘膜は柔らかいので、切れやすくなっています。それだけでなく、歯ブラシをくわえたまま転べば、脳やそれに近いところまで突き刺さってしまうことだってあります。そんなことになれば、どんなに悔やんでも悔やみきれません。

こういった事故を起こさないようにするために、「親が目を離さないのは当たり前で、一層注意するべき」と、どのような育児本にも書かれています。

●1歳の娘の前歯を全て折ってしまった実例

先日お話を伺ったN子さん(20代・専業主婦)の事例をご紹介します。

N子さんが鳥の形をしたベビーチェア(低めのタイプのもの)に娘さん(1歳2か月)を乗せ、乳児用のゴム製の歯ブラシを渡し、歯みがきをさせていたそうです。「上手にできたね!」とほめながら歯みがきをさせていたそうですが、ハエが飛んできたのでそれを何とかしようと一瞬目を離した隙に、娘さんは歯ブラシをくわえたままベビーチェアから落ちたそうです。

すぐに抱き起こしたのですが、歯茎から大量の出血をしていたため、すぐに救急車を呼んだとのこと。入院には至りませんでしたが、歯ブラシをくわえたまま床に顔ごと打ったので、せっかく生えていた前歯が歯茎の中で折れているとのことだったそうです。

ほんの一瞬目を離しただけでこのような事故が起きてしまうのですから、歯ブラシをくわえたままの状態で目を離すことがどれだけ怖いかおわかりになると思います。

N子さんは、「自分が一瞬でも目を離したことが許せない」と心を痛めています。今は娘さんの折れた歯も無事くっつき、顔の擦り傷も良くなったものの、心の傷が癒えるまでには時間がかかるとおっしゃっていました。

●目を離さない歯みがき例

きっと相談者様を始めとするお母さんたちは、一生懸命に目を離さないようにしていることでしょう。それでも1~2歳の子どもは何をしだすかわかりません。これだけは頭に入れておきましょう。

大切なのは、転んで歯ブラシが喉の奥や脳に近いところまで刺さることがないように、歯みがきに集中させることです。そのための具体的な方法を挙げましょう。

・手鏡を持たせて、自分の歯を磨くところを見せる

・お母さんも一緒に歯みがきをするために、子どもさんと座って一緒にやる(「お母さんの歯みがきもお願いね」と声をかけるのもいいと思います)

・嫌がったときや、他のものに気を取られたら、いったん中止して歯ブラシを口から外す

・洗面所以外の場所では歯みがきをしないようにする

歯みがきの落とし穴から自分の子どもを守るための具体的な例です。実際に私もこの方法を実践し、子どもが口の中を歯ブラシでケガするということを防いできましたので、実践していただきたいと思います。

----------

相談者様や年の近い乳幼児を子育て中のお母さんにとっては、この歯みがきの時間が怖いと感じることでしょう。でも、目を離さずに一緒に歯みがきをしたり、手鏡という小道具の力を借りたら、じっとしていない子でも、少しくらいの時間は我慢ができるはずです。

大事なお子さんにケガをさせないように、そして、お母さんの心に傷を残さないようにするために試してみていただきたいと思います。ご相談ありがとうございました。

【参考リンク】

・乳幼児の歯みがき中の事故にご注意! | 東京消防庁

●ライター/桜井涼(フリーライター)

の記事をもっとみる