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ヨウジヤマモト 2016年春夏コレクション - アンダーウェアで過ごす夏

  • 2015.10.3
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ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の2016年春夏コレクションが、フランス・パリで発表された。会場はパリ市庁舎。この街には数多くの名所があるが、大きなシャンデリアや、絵画と立体的装飾を組み合わせた壁画のあるこの地は、非常に美しいスポットの一つである。

真っ暗な空間に灯りが宿り、音楽が鳴るとショーの幕開け。着地する足裏の感覚を確かめるように、ゆっくりとした足取りで、モデルたちは進んでいく。洋服は「黒」で染め上げられいる。一色で表現されているからか、はたまた洋服自体の作り・着こなしが難解なのであろうか。トップスとボトムスの境目を見つけるは難しい。生地にふくらみをもたせ、ねじり、しばり、一部分は床につくほどに垂れ下がり、アシンメトリーなフォルムを形成している。

中盤からは、中世のヨーロッパで見られる「クリノリン」を想起させるドレスが登場。ドーム状の骨組みは変形し壊れかけているものもあれば、デニム地をまいたもの、格子状の穴から筒状のものがいくつも飛び出たものなど、個性的なウェアが交差し、コレクションは複雑性を増していく。

「黒」一色でスタートしたショーは、ドレス下のドロワーズパンツなどから抽象的な模様を差し込んでいく。髪の毛は終始、赤色を推している。足元にはスニーカーまたはブーツ、頭には大きな布をまとったサンバイザーをのせて。ラストに近づくと、大きな傘も現れた。

最終ルックは真っ赤なドレス。膨らみのあるシルエット、層のように重なるフリル…。でも何よりも驚かされたのは、モデルがカメラを回していること。ゆっくりゆっくり進み、観客席・カメラ席を慎重に捉え、すっと出た位置に戻っていく。同時にデザイナーの山本耀司が登場し、大きな拍手とともにコレクションは終わりを迎えた。

ショー直後の山本耀司に、2016年春夏コレクションについて話を聞いた。

今季、デザインのスタート地点となったのは何でしょうか。
いま地球の温暖化で、夏が異常に暑くなっています。それから、雨の降り方も異常で豪雨。夏が暑すぎるので、下着を提案をしようと。でも、本当の下着だと歩けないので、下着っぽい服で歩いたらどう?っていう提案です。日本の伝統的な下着からインスピレーションを得ているのと、それと18世紀ヨーロッパの下着からインスピレーションを得ています。テーマは全部下着です。暑いので(笑)。

演出の面でのこだわりはどのようなものですか。
こだわりは持っていません。今回はほとんどオートクチュールで、着付けることが多かったんです。とにかく時間通りに間に合わせるということだけに気を使っていました。
(途中音が途切れたのは)音楽が鳴りっぱなしなのは嫌いなので、たまには見ている人を「えっ?!」って驚かせたいと思いました。

ラストルックで、モデルさんが動画を撮影していたのは演出ではないのですか。
あれは演出ではなくて、今僕は映画を作っているんです。僕のファッションキャリアの中で、モデル目線の映像は一個もなくて。それで初めて撮ったんですよ。