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映画、ときどき私 Vol.4『ヴェルサイユの宮廷庭師』で語る“バラのように生きる”女の人生論!

  • 2015.10.2
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映画、ときどき私 Vol.4『ヴェルサイユの宮廷庭師』で語る“バラのように生きる”女の人生論!

それでは、今回は10月10日より公開する映画『ヴェルサイユの宮廷庭師』をご紹介したいと思います。まずは作品のあらすじからどうぞ!

時代は17世紀、舞台はフランス。

女性庭師のサビーヌ・ド・バラは、フランスの田園地方で造園家として樹木や土と格闘しながら、ひとりで生きていた。そんなある日、サビーヌのもとへ届いたある知らせがサビーヌの人生を大きく変えることになる。

それは、なんとフランス国王ルイ14世のヴェルサイユ宮殿における庭園建設計画への参加を求めるものだったのだ。

ところが、面接で責任者の庭園建築家ル・ノートルとまさかの対立!

しかし、他にはないサビーヌの感性と新たな可能性にかけたル・ノートルは、〈舞踏の間〉の建築指揮にサビーヌを抜擢する。数々の困難に見舞われながらも、持ち前の力強さで乗り越え、常に仕事へ真摯に向き合うサビーヌ。

そんな姿とサビーヌの人柄にル・ノートルは女性としても惹かれ始めていた。名もない女性庭師が起こした奇跡と愛のドラマがいま明らかに……。

さまざまな想いが交錯する豪華絢爛の宮殿。裏側に秘められた物語とは?

「17世紀フランス・宮殿・貴族・庭園」と聞くと、そのあまりに優雅な響きがセレブやマダムのような成熟した女性向けの映画のように感じてしまう人もいるかもしれません。もちろん、幅広い女性が楽しめる作品ではあるのですが、実は働き盛りの女性にこそ観てもらいたいのがこの映画。

なぜなら、時代設定は300年以上も前なのに、そこに描かれているのは女性にとって今も昔も変わらない普遍的なテーマだからです。

そこで、試しに設定を現代風に変えてみたらこうなった!

男性の多い会社で働くひとりの女性。ある重要なコンペに参加することになった彼女は、並み居る強敵たちを抑えてその権利を獲得することに。時にライバルたちからの心ない嫌がらせなどを受けながらも、一つ一つ解決していき、全力を注いでプロジェクトの成功を目指していた。

そして、同じ目標を夢見て共に戦っている仲間との間に生まれる密かなオフィスラブ。はたして、この一大プロジェクトと秘めた恋の行方とは……。

そう聞くと一気に親近感が湧いてきますよね? そうなんです、それがこの作品のすごいところ。たとえ、時代が違っても、国が違っても、現代の女性たちが共感でき、力をもらうことができるのです。

何事も一つ一つの積み重ねが大切!

木を一本ずつ運び、石を一つずつ積み上げて庭園完成へと全身全霊で取り組む姿勢には、ル・ノートルだけでなく観客もサビーヌの虜になってしまうはず。そして、そんなサビーヌを魅了しているのは豊かで美しい自然や植物。でも、思わず魅了されてしまう気持ちは私にも少しわかります。

実は私は中学・高校・大学と華道を習っていたことがあり、一応「師範」と名の付く免状を取得したこともあるので、花に携わる仕事をしたいと考えていた時期もありました。庭園作りとは規模が違いますが、与えられた植物の長さや向きなどを変えながら切り、一本一本を花器に生けることで、はじめは新聞に包まれて出荷されたままの状態だった花や草木が一つの作品として生まれ変わっていくことに大きな喜びを感じていたからです。

そしていま、扱うものはまったく変わってしまったけれど、文字を一文字一文字つなげることで一つの原稿を完成させることに達成感を感じています。

つまり、たとえどんなことでも、どんな仕事でも、一つ一つの作業の積み重ねが土台となり、それによって一つのものを完成させるということにおいては、時代や国だけでなく、職業さえも関係なく共通しているものなのです。

17世紀流の職場恋愛にも胸キュン!

ちなみに、今回描かれているのはサビーヌの仕事への情熱だけではありません。今でいう職場恋愛がみせる展開にも胸キュンポイントは高め! 同じ目標を持つ者同士だからこそ生まれる仕事中の一体感とふと男と女になる瞬間の空気感、そのどちらにもくぎづけになること間違いなし。

中学・高校・大学と女子校出身、そして社会人になっても女性しかいない職場で女社会にどっぷり浸っていた私からすると、一度は経験してみたい憧れのシチュエーションであり、何ともうらやましい限りです。誇りを持っている仕事への情熱と好きな人への愛情の2つこそ、女性を魅力的に輝かせる要素なのかもしれません。

誰のなかにも“花”はある!

どんな過酷な環境でも強く咲くというバラのように信念を貫くサビーヌ・ド・バラの姿とバラの花言葉でもある「愛」と「美」が詰まった本作は、きっとあなたの中にもある“花”を咲かせてくれるはず。

逆境のなかで道を切り開こうとしているあなたにも、新しいことに挑戦しているあなたにも、ぜひオススメしたい一本です!

作品情報

『ヴェルサイユの宮廷庭師』

公開表記:10月10日(土)より角川シネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国公開

配給:KADOKAWA

© BRITISH BROADCASTING CORPORATION, LITTLE CHAOS LIMITED, 2014

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