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夜更かしは短気の元!? 子どもの成長に“早寝早起き“が大切なワケ4つ

  • 2015.10.1
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【ママからのご相談】

2歳になる女の子がいます。就寝時間について質問があります。うちの子は、夜は10時半ごろに寝ています。パパが9時ごろに帰ってくるので、そこからパパと遊んだり、風呂に入ったりするとこの時間になります。先日、 義母に、「寝かせる時間はもっと早いほうがよい」ということを言われました。家族の時間も大事だし、朝は起こさずにゆっくり寝かせているので睡眠時間に問題はないと思うのですが……どうなのでしょうか?

●A. 子どもは早寝・早起きが基本です。夜更かしは成長に影響します。

ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐藤理香です。

子どもの就寝時間について、他者から指摘を受けるといろいろと考えてしまいますよね。ご相談者様がおっしゃるとおり、家族みんなで過ごす時間も大事にしたいですし、そもそも早く寝てくれないということもあるかもしれません。

日本小児保健協会では、夜10時以降に就寝する子どもの割合を調べています。昭和55年→平成22年のデータを比較すると以下のようになっています。

・1歳6か月児:25%→30%

・2歳児:29%→35%

・3歳児:22%→31%

・4歳児:13%→26%

・5〜6歳児:10%→25%

このように、すべての年齢で夜10時以降になる子どもが増えていることがわかります。2歳児においては、3人に1人以上が夜10時以降に寝ています。

人間の体のリズムは、約3,800万年前から“昼に動く動物としての体の仕組み”になっています。成長段階の子どもは、その仕組みに合った生活ができないと、心や体をよりよく発達させることができないそうです。そこで、今回は、早寝・早起きが大切なポイントを4つお伝えします。

●早寝・早起きが大切なポイント4つ

●(1)夜に浴びる光は、子どもにとって危険がいっぱい!

夜も明るい環境で過ごすと、体内時計が昼間だと勘違いしてしまいます。このまま夜更かしをし、朝寝坊状態が続くと、生体リズムはバラバラになり体調が悪くなります。常に時差ボケのような状態です。

また、夜の光は“メラトニン”というホルモンを出しにくくしてしまうのです。“メラトニン”は、細胞を守る・規則的に眠気をもたらたす・性的な成熟を必要な時期まで抑えるという作用がある大切なホルモンです。5歳くらいまでに最も多く分泌されるようです。メラトニンは、夜暗くなると出てくるホルモンなので、夜更かししているとメラトニンの分泌が抑えられてしまうんですよ。

●(2)成長するには夜寝ているときに分泌されるホルモンが必要!

“寝る子は育つ”とはよく聞きますが、これには裏付けがあります。

夜寝ているときに、成長ホルモンが集中的に分泌されるようになっているのです。生後4か月くらいから分泌が始まります。4~6歳ごろからは、寝てすぐの深い眠りのときに特にたくさん分泌されることがわかっています。この成長ホルモンが十分に分泌されないと、脳や体の成長に影響が起こることが心配されます。

●(3)朝の光で体内時計をリセット!

私たちは、体内時計の働きで、睡眠・体温・ホルモン分泌などのリズムを刻んでいます。

地球の周期は24時間ですが、人間の生体リズムは24.5時間のため、1日でズレが生じます。このズレをリセットするために必要なのが朝の光です。脳の中にある“視交叉上核(しこうさじょうかく)”というところで朝の光をキャッチし、体内時計をリセットするのです。

朝の光を受けないと、体温やホルモン分泌のリズムも崩れてしまうのですね。

●(4)睡眠の乱れは体温の乱れに直結!?

体温は、明け方に低下し、起きると上昇することは一般的に知られています。このように体温が調節されることによって、脳や体を目覚めさせ活発に動けるようなリズムになっています。睡眠が乱れると体温のリズムも乱れてしまい、

・午前中にぼーっとする

・疲れやすい

・イライラする

・グズグズする

・一日中だるい

なんていうことになってしまいます。

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いかがでしたか? 夜更かしが子どもに与える影響についてお伝えしてきました。家族の時間も大切ですが、それも子どもの健康があってこそ。子どもの体と心の成長のためには、質の高い睡眠が必要なのです。

とはいっても、これまでの習慣を一気にかえることは難しいかもしれません。1日10分ずつ前倒しして就寝するといったように、子どもに負荷のないやり方で生活を見直すいい機会かもしれませんね。

【参考文献】

・『乳幼児期を大切に~心と体の基礎を育てるとき』東京都教育委員会

【参考リンク】

・『幼児健康度に関する継続的比較研究』日本小児保健協会(PDF)

●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)

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