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子どものケンカ「やめなさい」「貸してあげようね」はトラブルのもと!?成長に繋がる対応って?

  • 2022.5.25
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保育士の中田馨さんが、子ども同士のケンカが起きたときの親の対応について教えてくれました。おもちゃの取り合いやお友達にケガをさせてしまったとき……、ママやパパはもしかしたら間違った対応をしているかも!?

こんにちは。保育士の中田馨です。子どもが友達とトラブルを起こしたとき、親としてどう対応すればよいのか? ケガをさせてしまったときにはどうすればよいのか?と悩みますよね。

今回は、幼児さんのお友達トラブルへの対応方法についてお話しします。

幼児期はトラブルがあるもの!とまずは理解する

保育所で子どもたちの様子を見ていると、1歳すぎたあたりから、だんだんとおもちゃの取り合いが表面に出てきます。0歳のときはおもちゃを取られても「あっ」程度で、また別のおもちゃに意識が向くのですが、成長とともに「取られた!」という気持ちが芽生えてきます。

また、お友達の遊んでいるおもちゃや姿が楽しそうなので興味を持ち、そのおもちゃを取ろうとする姿はよくある光景。

「うちの子、お友達のものばかり取って大丈夫かしら?」や、「お友達に譲れないのは、イジワルなんじゃないか?」など心配する必要はありません。まだ、一人遊びが中心の1歳、2歳、3歳なので「みんなで仲良く一緒に遊ぶ」ことはこれから身につけていく力なのです。

ケンカが始まったら、そばで見守る

お友達とのものの取り合いなどが始まると、ヒヤヒヤしてしまいますよね。友達とのトラブルに親は介入した方がよいのかどうなのか…?と悩むところでしょう。トラブルに発展してほしくないので、とっさに「やめなさい!」と止めてしまいがちですが、ママはできる限り見守ることができるといいですね。

見守るというのは「いつでも体で止められるように、すぐそばで子どものやり取りを見る」ということで、「見る」だけではありません。なぜ見守るかというと、当人たちで解決する方法を見つけてほしいからです。

すぐに大人が止めて、大人の考えをアレコレ提案すると、子どもの気持ちが収まらず混乱する場合もあります。ただし、ケガをさせそう(しそう)な時は、体で割って入り止めましょう。

お友達にケガをさせてしまった時の対応

年齢が低いほど、自分の気持ちを言葉にして伝えることがなかなか難しいため、たたいたり、引っかいたり、蹴ったり、噛んだりと、とっさに手や脚、口などが出てしまうことがあります。そんなときは、とにかく謝ります。

子ども自身に謝らせようとすることに必死になることもあるでしょうが、まずは親自身がしっかりと謝りましょう。子どもには「叩いたらダメ」なこと、お友達が痛い思いをしていること、ママもとっても悲しい思いをしていることを、目を見て真剣に伝えます。

もし、お友達が病院に行かなければいけないようなけがをした場合は、救急車の手配など必要な措置をするようにしましょう。

ケガが起きたときの真摯な対応は、やはり大切だと思います。

「かして」「どうぞ」「いいよ」だけでなく「イヤ」も言えるようにする

お友達とのトラブルに発展しないためにも、普段の家族でのやりとりで自分の気持ちを伝える練習をするのもよいでしょう。幼児さんの場合、「一緒に遊びたい」、「お友達の使っているおもちゃを貸してほしい」という気持ちからのトラブルも多いかと思います。例えば、生活の中で「かして」「どうぞ」や「一緒に遊ぼう」「いいよ」というやり取りを取り入れてみるのもおすすめです。

親としては「友達とのやり取りをスムーズにできればいいな」と思いがちですが、実は全てがそうではありません。「かして」や「一緒に遊ぼう」と言われたときに「イヤ」と言えることも大切なので、嫌なことは「イヤ」と言ってもいいことも伝えます。

子どもが今遊んでいる、楽しい世界を守る方法も伝えていきたいですね。

お友達とのトラブルは、親としてはないに越したことないことですが、子どもにとっては人間関係を学ぶチャンスでもあります。子どもの成長を、親たちみんなで見守っていけるといいですね。


著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨

0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!

ベビーカレンダー編集部

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