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スキンケア、コスメ。自分たちが出すゴミに新たな利用価値を  中島潮里

  • 2022.5.24
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美容師を目指し20歳で上京した中島潮里さん。4年前に原宿にヴィーガンカフェを併設したヴィーガンヘアサロン「whyte」を仲間4人で立ち上げた。現在33歳となった中島さんは、サロンのディレクターを務め、ビーチクリーンを始めとする海の環境活動も意欲的に行動している。彼女にとって健やかに生きるために重要なこととは?

美容師の体は不健康になりがち?

20歳で上京し、美容院のアシスタントとして就職した中島さん。美容師の仕事は接客業。お客さんが立て込んでしまったら、食べる時間はおろか、トイレに行く時間だってままならない。それをサポートするアシスタントであれば尚のこと時間は取れないことは想像がつく。ヘアカットやカラーを練習する時間は営業終了後の夜。中島さんの食生活は瞬く間にコンビニと冷凍食品ばかりになっていたそうだ。

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「ただでさえ忙しくて体を酷使しているのに、食生活まで乱れたらよくないって気づいたんです。そこで、コンビニと冷凍食品に頼ることをやめて、できる限り自炊するように心がけたんです。自炊って言っても、お米を炊いておにぎりを持っていく程度ですけど(笑)。出身は千葉の漁師町だったので、元々そんなに肉を食べる習慣もなかったこともあり、あえて選択肢に出てきたら肉を選ばないようにしたんです。そしたら体調がすごくよくなりました。体の変化を直に感じたことで、ヴィーガンに対しての意識がさらに高まりました。いつか、自分が独立してヘアサロンを立ち上げることになったら、美容師の働く環境を考慮しながら、スタッフだけでなく、お客さんたちにも健康に対しての意識が高まるようなコンセプトを持ったところにしたいと思い描くようになりました」

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「whyte」では早番・遅番シフトを採用し、スタッフの労働時間に対して配慮した運営方法を取り入れている。また、スタッフへの賄いは併設されたカフェのヴィーガンフード。なるべく食に対しての意識を持ってもらうようにしているそうだ。定期的に環境に対して知識を深めるため、スタッフ向けの勉強会なども行うという。そして、サロンで取り扱うヘアケア剤は、オーガニックであることはもちろん、ヴィーガンであることも重要なポイントにしている。

コスメ・スキンケア剤で選ぶポイントは?

仕事柄、多くのオーガニック、ヴィーガン向けのアイテムを手にしてきただろう中島さんだが、選ぶ上でどんなところに注意を払っているのだろうか?

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「まず、動物成分が入っていないヴィーガン処方であるかをチェックします。カタカナ表記のものは動物性が高い傾向にあると思います。もし、ヴィーガン処方ではない製品でも、どんな成分が配合されているか、表示を見るようにしたり、製造過程でどのように環境配慮しているかなどをホームページなどを見て、自分がコンセプトに共感できるかということも大事にしています。どちらかというと、オーガニックなものかどうかというよりは、環境に対してどれだけ配慮されて製造されているか、という部分に対して共感できるかが選ぶ上での重点度が高いです。今、自分がアンバサダーになっている「Davines(ダビネス)」は、本当に共感できたブランド。自社でヘアケア剤を作らなくてもいいと思ったほどです」

環境負荷をなるべくかけない製品選びと回収システム

現在の中島さんのお気に入りのスキンケアは、「/skin regimen/(スキン レギメンン)」のセット。フルラインナップで愛用する中島さんは、角質ケアもサポートする洗顔パウダーとブースターが特にお気に入りなのだそう。

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「選ぶ基準は成分、生産工程、自然環境の回復への還元に対してどう取り組んでいるかなど、ポイントはたくさんありますね。私が今気に入っている「/skin regimen/」は「テラサイクル」と提携して空き容器の回収システムを設けています。環境活動の一環としてビーチクリーンを定期的に実施しているんですが、いつ行っても、ビーチのゴミの量って本当に減らないんです。ペットボトル、缶、タバコのフィルター、お菓子の袋などのプラスチック家庭ゴミがたくさん落ちている」

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この問題の本質には、ゴミを出し続けるような消費システムがあると言えるだろう。中島さんがアンバサダーを務める「Davines」をはじめ、大手メーカーも参画しているのが、捨てるという概念を無くそうをコンセプトにグローバルに活動している「テラサイクル」※。彼らの活動によって、各企業で化粧品やスポンジなどの生活消耗品などの店頭回収の動きが日本でも徐々に広がりを見せている。例えばアットコスメでは、原宿の店頭で、ブランドを問わず、使用済みの化粧品等の空き容器(プラスチック、アルミ、ガラス製)を回収するシステムをテラハウスの協力のもと実施していたり、コスメキッチンやアスレティア、キールズなどのブランドでもリサイクルを主とした店頭回収システムを取り入れている。また、使用済みキッチンスポンジ (ブランド・メーカー問わず)や キッチンスポンジの包装プラスチックパッケージ などは、自宅から送ることができたり、近くのカインズホームの店頭での受け入れもしているようだ。

※参考リンクhttps://www.terracycle.com/ja-JP/brigadeshttps://www.terracycle.com/ja-JP/brigades/3m-jp-scotch-britehttps://www.terracycle.com/ja-JP/brigades/at-cosme

「このまま私たちがゴミを出しつづければ、海のゴミも減りません。私の実家の海では海面が上昇してきており、砂浜が少なくなっているのを感じます。地元の漁師や海関係の友人からは、生息している海洋生物達も変わっているとよく聞きます」

2015年の世界自然保護基金(WWF)とロンドン動物学会による調査報告書では、45年間で、海洋生物の数が半減したという報告書(7年前の調べ)が発表され、BBCやCNNでも大きくニュースで取り上げていた。

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「これからは、どうやってゴミを出さないような工夫、考え方ができるかかどうか。そのためには、自分たちも知らなければならないと思っています。ゴミを出さないようなシステムをどれだけ取り入れているか、というのがモノを選ぶ上では重要。消耗品に関しては、容器などはなるべく回収に出せることがわかっているものを事前に選びますし、レフィルのあるものを選ぶようにもしています。.使いきれずに酸化してしまったコスメは回収してクレヨンにしている団体「COSME no IPPO」に送っています」

ここでは、「COSME no IPPO」のインスタグラムにDMをして、カラーコスメを送付するというシンプルなスタイルをとっている。

「店をオープンしてから4年。うちを利用されるお客様は、確実にマイボトルやマイタンブラーをもってきてくださるお客様が増えました。大体5割くらいの方が持参してくださいます。その気持ちがうれしいので、カフェではマイボトルご持参で50円オフさせていただいております。また、お店のコンセプトに共感してくださる方が多く、環境意識やヴィーガンに興味があるお客様もかなり増えましたね。定期的に行っているビーチクリーンも多数の方が参加してくれています」

ビーチクリーンで出たゴミはどう処分している?

個人ではなかなかできないビーチクリーン。拾ったゴミをどう処分したらいいかわからないという理由も大きい。神奈川で拾ったゴミを、自分の住む自治体のゴミとして処理していいのか? 拾ったゴミの行き場所に関してセンシティブに考える人も少なくはないだろう。

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「私はまず自治体に連絡をして、ビーチクリーンをする場合、ゴミをどう処分すればいいか確認をしています。神奈川では「かながわ海岸美化財団」というところがゴミの管理をしてくれるので、ゴミ袋や仕分けの仕方などを丁寧に教えてくれ、拾ったゴミは受け入れてくれます。私の地元の勝浦は、そこまでシステマチックになってませんが、自治体に確認すると、しっかりと分別して家庭ゴミとして出してくださいと指示を受けたので、実家の前で分別して家庭ゴミとして出しています。どうすればいいのかわからないなら、知っている人を調べて、聞くこと。そして行動を起こすことを大事にしています」

去年は、沖縄の珊瑚の植え付けなどができるエコツアーを実施した中島さん。サロン運営だけでなく、環境活動を自分ごととしてシームレスに時間を費やすその姿に、心が突き動かされる。まずは、自分の持っているものをゴミに出す前に、どこなら、何を回収してくれるのかを調べる時間を作ることが、環境に対して自分ごととして行動を起こせる一歩と言えるだろう。

Photo: Takeshi Abe

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