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『風と雲と雨』のパク・シフの演技は9年前の『王女の男』とどう変わったか

  • 2022.5.20
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パク・シフは『風と雲と雨』で主人公チェ・チョンジュンを颯爽と演じている。彼が時代劇に主演するのは9年ぶりのことだった。

その9年前というと、パク・シフは『王女の男』に主演していた。このドラマは15世紀の朝鮮王朝で起こった王位強奪事件(端宗〔タンジョン〕が叔父の世祖〔セジョ〕に王位を奪われた出来事)をテーマにした時代劇で、大変な話題作となった。

この人気作でパク・シフが演じたのは名門の御曹司キム・スンユだった。しかし、スンユは王位強奪事件に巻き込まれ、無惨に殺された父の復讐を果たす鬼と化していった。このように、優雅な御曹司から鬼気迫る勇者に変わっていく波乱万丈の役をパク・シフは若々しく演じていた。

結果的に、『王女の男』はパク・シフを超一流の俳優に押し上げていった。

以後、彼は時代劇に主演しなかった。それは、『王女の男』の大成功に依存しないで新たな俳優の道を歩もうとした彼の心意気があったからだ。

パク・シフは主人公のチェ・チョンジュンを演じている(写真提供=© 2020 TV Chosun)
パク・シフの成長を実感

しかし、9年の歳月が流れ、パク・シフはこれ以上『王女の男』を過剰に意識する必要もなくなった。そこで、満を持して時代劇の大作に挑んだ。それが、『風と雲と雨』というわけである。

このドラマでは、パク・シフの9年の経験が存分に生きていた。

まずは、主役としての貫禄が際立っている。『風と雲と雨』で演じるチェ・チョンジュンは、王朝随一の易術家であり、国王の後継者争いに影響を与えるキングメーカーだった。それほどの大人物を演じるにあたり、パク・シフには堂々たる存在感が備わっていた。それもすべて、この9年間に様々な主役を経験して演技の多様性を身に着けた成果であった。

さらに、政敵によって激しく攻められる大ピンチの場面でも、チェ・チョンジュンは冷静な眼差しを決して忘れなかった。そういう場面でパク・シフが見せる落ち着きは、9年前には見られないものだった。それだけで、この9年間のパク・シフの成長を実感することができる。

そういう意味で、『風と雲と雨』は本当にパク・シフの代表作になる傑作だ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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