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絶景と秘湯に出会う山旅(40)「八ヶ岳ホテル風か」を満喫、そして入笠湿原へ

  • 2022.5.20
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首都圏からも遠くない長野県富士見町の入笠山(にゅうかさやま)に、美しくさわやかな湿原があります。新緑の時期、ここではスズランの花が咲き乱れ、リンゴに似た清新なズミの白い花が出迎えてくれます。今回は八ヶ岳南麓にある「八ヶ岳ホテル風か」に宿泊し、早朝の入笠湿原を散策しました。

(C)Masato Abe

編笠山のふもと「八ヶ岳ホテル風か」へ

新緑のまぶしい季節になりました。今回宿泊したのは、八ヶ岳南麓の編笠山のふもとにある「八ヶ岳ホテル風か(ふうか)」です。首都圏からは車で2時間ほど。

(C)Masato Abe

周囲を静かな森に囲まれた「八ヶ岳ホテル風か」。アクセスがしやすく、中央道小淵沢ICから約3分。JR中央本線の小淵沢駅からタクシーで約8分。また小淵沢駅から15時10分発、16時15分発、17時15分発の3便、無料の送迎バスもあります。

(C)Masato Abe

最初に驚くのはロビーラウンジ。天井が高く、大きな窓の向こうには広々とした緑まぶしい庭が広がります。ここではウエルカムサービスの生ビールや地元のお菓子、また挽きたてコーヒーやハーブティー、そして各種ソフトドリンクを無料でいただくことができます。

(C)Masato Abe

ラウンジから戸外に続くテラスも広々として素晴らしい場所です。「星見のテラス」と名付けられていました。まさしくテラスに置かれたソファでくつろぎながら美しい星空を眺めることもできますね。

(C)Masato Abe

女性限定の色浴衣も男性の作務衣も自由に選べます。

8つの「1000Mのおもてなし」

「風か」のサービスは「1000Mのおもてなし」といい、標高992m地点にあって1,000mまで足りない8m分を、「8つのおもてなし」としてゲストに還元しているとのこと。ウエルカムドリンクや浴衣のほかにもうれしいサービスが目白押しなのです。

(C)Masato Abe

今回はひとり旅でクイーンサイズベッドの洋室に宿泊しました。部屋には茶香炉が置いてあります。こちらも「1000Mのおもてなし」。お茶の葉に熱を加えて、さわやかな香りを楽しめました。

(C)Masato Abe

このほか温泉檜風呂付100平米のスイートルームや星見ジャグジー付客室、また100インチを超えるスクリーン付客室など、10種の趣の異なる客室が用意されているそうです。

(C)八ヶ岳ホテル風か

広々とした内湯は、備長炭を使った「麗水備長炭風呂」とのこと。また露天風呂は長野県茅野市北山地区から運んでいるという「芹ヶ沢温泉」。泉質はアルカリ性単純温泉です。湯上り処ではアイスキャンディのサービスもあります。

ちなみに芹ヶ沢温泉は、茅野市から蓼科に向かう途中にあり、ガソリンスタンドのように「芹ケ沢温泉スタンド」も設けられています。登録さえすれば誰でも購入できるそうです。

夕食はオールインクルーシブで美食フレンチ

注目は八ヶ岳ホテル風かの夕食。とても優雅な気分に浸れます。大人の雰囲気の落ち着いたレストランでおいしいフレンチをいただきました。

夕食時やバータイムはアルコールを含む約80種の飲み物がフリー。すべて宿泊代に含まれているのです。そして食事は、ここでしか味わえないフレンチのコース料理。

(C)Masato Abe

上から順番に、前菜は「誘い」と名付けられた一品。地鶏とモッツァレラチーズに、食用ほおずきという「フィサリス」のコンフィ。次いで「甲州」と名付けられた一品は、ポークの低温ロースト。甲州ワインと玉ねぎのソースだそうです。そして「南麓」と名付けられた一品は、とうもろこしとミルクの冷製スープ。という具合に、ネーミングも調理もこだわっています。

(C)Masato Abe

夏の香りと書いて「夏香(かこう)」と読ませる魚料理は、鱧(はも)のティアン。ティアンとはフランス・プロヴァンス地方の料理で、野菜の薄切りを重ねて焼き色をつけたものだそうで、初めて聞く調理法でした。そして「寛ぎ」という肉料理は、牛ロースのブランチャ。ブランチャも初めて聞く言葉で、こちらはスペイン料理の鉄板焼きのことだそうです。

(C)Masato Abe

こちらは、「郷土(きょうど)」と名付けられたデザートです。その名の通り、八ヶ岳高原のミルクとバニラのブランマンジェ。山梨県産白桃のコンポートとともにいただきました。ブランマンジェはフランス語で「白い食べ物」といい、パンナコッタに似たデザートなのだそう。すべておいしくいただきました。山登りの前に大満足です。

八ヶ岳ホテル風か

住所:山梨県北杜市小淵沢町上の原3989-1

電話:0551-36-6414

東京から2時間で入笠山の湿原へ

入笠山(にゅうかさやま)を訪ねたのは、2021年の6月上旬の早朝。梅雨の手前の気持ちの良い日でした。ホテルからは車で20分ほど。今回は登山口駐車場から1時間ほどかけて湿原まで歩いて登りましたが、楽に行けるアクセス方法をご紹介します。

中央道諏訪南ICからだと10分足らずで富士見パノラマリゾートに。じつはそこからゴンドラ(往復1,800円、片道1,200円)に乗れば8分ほどで山頂駅に到着です。またJR富士見駅からは10時発の無料の送迎バスもあります(帰りのバスは15時)。

(C)Masato Abe

標高1,700mの高原には入笠湿原が広がっていました。この湿原の面積は1.85ヘクタールといいますが、その場所だけではなく、高原の各所に貴重な植物の花畑が広がり、さらに入笠山を挟んだ南側にも「大阿原(おおあはら)湿原」が広がっているのです。

(C)Masato Abe

ちなみに「入笠湿原」という名前は富士見町や山小屋関係者によって、1977年(昭和52年)に名付けられたそうです。以来、湿原への立ち入りを防止する木道を整備し、柵を設置するなど、環境保護に進めてきました。その成果もあって新緑の季節のスズラン大群落や、多くの草花を楽しむことができます。

(C)Masato Abe

上の写真が「大阿原湿原」。入笠湿原から歩いて1時間ほどの場所にあり、ピクニック気分で散策できます。とはいえ、スニーカー程度の靴は必要です。

スズランやクリンソウなどの花々だけでなく、シラカンバ、ズミ、ヤナギ、レンゲツツジなどの低木、またヤマドリゼンマイなどのシダ類、ホソバオゼヌマスゲなどのスゲ類も見ることができます。

スズランとズミの白い花に感動

(C)Masato Abe

さて、スズランです。湿原にもたくさんの花が咲き誇っていましたが、上の写真、八ヶ岳を目の前にした、広々とした斜面にスズランの花畑があります。ゴンドラを降りてすぐの場所なので、簡単に訪ねることができます。小さなスズランの花はとても可憐でした。

(C)Masato Abe

スズランとともに見入ったのが、ズミの花です。ズミはリンゴに似た花を咲かせるバラ科リンゴ属の落葉高木で、入笠湿原にたくさん咲いていました。オオシマザクラやカイドウに似た、うっすらピンクがかった白い小さな花を咲かせています。清新な花で、心が癒やされました。

(C)Masato Abe

珍しい花々もたくさん咲いていました。上の写真は高原地帯に咲くアツモリソウ。柵に囲まれ保護されています。ランの仲間で、唇弁と呼ばれる花弁の一枚が袋状にふくらんだ独特の形をしていて、愛好家に人気の花だとか。そのため日本では自然の状態でのアツモリソウはほとんど絶滅しているといいます。下の写真のツマトリソウも貴重な花です。

(C)Masato Abe

上の写真、アマドコロも初めて見ました。入笠湿原のスズラン群生地のなかにところどころ見かけました。不思議で可憐な花々をふんだんに見ることができるのですね。大切に保護されている、貴重な湿原です。

(C)Masato Abe

そして入笠山の山頂まで訪ねてみました。標高は1,955m。入笠湿原から30分もあればたどり着きます。ルートは険しくはありませんが、山頂まで歩くのであれば、登山靴があったほうがいいでしょう。山頂からは、西側に遠く南アルプスを展望することができます。

5月下旬から6月の晴れた日にぜひ入笠湿原を訪ねて、花々と絶景に癒されてください。

入笠湿原

住所:長野県諏訪郡富士見町富士見6666-703(富士見パノラマリゾート)

電話:0266-62-5666

[All Photos by Masato Abe]

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