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【小澤陽子のMY CHOICE#5】自然と笑顔が出るようになった私。ときにはSOSも発信!

  • 2022.5.6
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バラエティーや報道番組などで幅広く活躍するフジテレビアナウンサーの小澤陽子さん。昨年30歳を迎え、自身を見つめ直す機会が増えた――と話す小澤さんが、仕事やプライベート、今後のキャリアについて今、感じている率直な思いを語ります。3年ぶりに緊急事態宣言やまん延防止措置が出ていないゴールデンウイーク(GW)のまっただ中ですが、小澤さんは変わらず仕事だそう。そんな小澤さんに理想のGWの過ごし方や、“笑顔でいる理由”などについて、お話を聞きました。

GWとは無縁だったけれど…

GWですね。今回は最長で10連休の方もいらっしゃるとか。中学は吹奏楽部、高校ではダンス部に入っていて、大学時代は旅行資金を貯めるためのバイトに明け暮れていた私は、社会人になっても仕事で、これまでGWとは無縁に生きてきました。
だからこそ、「家族ができたら満喫したい」という思いはあります。森に囲まれた場所で、ゆったりキャンプをしたり、自然に触れたりするのが理想ですね。

季節も変わって、暖かくなってきました。これからは梅雨入り、そして夏到来。7月生まれということもあって夏が好きですが、暑くも寒くもない今の時期は気分が上がります。過ごしやすいうえに、ファッションが楽しめますから。テラスでお茶をしたり、たまの休みにゴルフに行ったりするのにも最適です。

朝日新聞telling,(テリング)

悩みや不安を抱えているのが“普通”

一方、5月は新入社員の方や異動や転勤をされた方が、新たな環境に慣れ始めるころ。そんな時期だからこそ、感じる迷いや不安もありますよね。私の場合は入社半年後、地上波への出演を始めた頃に戸惑いを覚え始めました。
社会人になりたての頃は、目を輝かせながら一生懸命頑張っていたけれど、ふと落ち着くと、不安になることがありました。結局は当時のアナウンス技術など、自分自身の実力を受け入れ難かったんだと今、振り返って思います。そつなく仕事をこなしたいのだけれど、実際は不器用な自分。それなのに不器用と思われることも、なんだか嫌で……。
冷静に考えてみれば、それぞれのペースもありますし、器用や不器用はタイプの問題で、必ずしもどちらが良かったり、悪かったりするものではありませんよね。不器用だからこそ、愚直に物事に取り組むことができるという面もあります。当時の私はそれが分かっていなかった。
加えて当時は視野が狭く、新しい世界に入ったら、多かれ少なかれ悩みや不安を抱えている状態が“普通”だということにも気付けないでいました。

私も入社8年目になり、後輩の悩みを聞いたり、アドバイスを送ったりする機会が増えました。その時に、その後輩の状況に近い、私がかつて抱えていた思いを話すと「先輩もそうだったのですね。安心します」といった反応が返ってくるんです。新入社員だった私は気づかなかったけど、自分ができないことは、みんな意外とできず、悩んでいる――。「自分だけじゃない」とわかれば、心持ちは随分、変わっていくと思います。

朝日新聞telling,(テリング)

今の私が思う大事なことは、もうひとつ。自分の味方になってくれる頼りになる人を見つけて、困ったときにはSOSを発信すること。これまでの私は、仕事の打診があると「何でもできます!」と言い、辛いときにも弱音を吐かず、一人で解決しようとする傾向がありました。
ところが最近、レギュラー番組などが増えたこともあり、新たな仕事をさらに引き受ける心の余裕が自分自身に無くなっていました。先輩のアナウンサーから「辛いときは手をあげなさい」とアドバイスを受けていたこともあり、この状態に陥って初めて「無理です」とSOSを発信しました。このとき、吹っ切れたような感覚を覚えましたね。
私は経験を積み、この歳になってようやくSOSを発することを覚え、楽になれました。
社会人になった早めの段階で、辛いと表明することの大事さに気づけたり、助言をもらっていたりすれば違ったのに……と痛感しています。だから今、悩みや不安がある新人や若手の方には、私のような遠回りをしないでほしい、と心から思いますね。

朝日新聞telling,(テリング)

控えめで目立つのが苦手だった幼少期

人生は試行錯誤で、反省と学びの繰り返し。私は詩人の金子みすゞさんの有名な詩の一節にある「みんなちがって、みんないい」という言葉が好きなのですが、幼少時の言動は違いました。言うなれば「みんなと同じがいい」。控えめで目立つのが苦手。人と違うことが嫌だった私は、学校の先生から「姿勢がいいね」と褒められたら「目立っている」と思って逆に姿勢を悪くする練習をする始末で……。習っていたバレエでは公演の本番でもないときに、ほかの子がちゃんと持ってきた衣装の白いタスキを私だけが忘れたことで、「みんなと違う」と号泣。
大きな転機は、高校時代にオーストラリアのクイーンズランド州の郊外へ留学したこと。異文化に触れ、様々な人と出会ったことで個性というものの素晴らしさに気づくことができました。今は、人と違うことや変わったことをしたいですし、着るモノも私の個性を生かしたいと考えるようになりました。

そんな私が常日頃から意識しているのが、明るく過ごすこと。もちろん私も、今でも悩みを抱えていたり、不安なことがあったりします。それでも基本はポジティブ。自然と笑顔が出るようになりました。幼少期からの葛藤や様々な経験を経て、この境地にたどり着きました。

留学先では道路を歩いている人が、初めて会う人に対してもみんな笑顔で挨拶しながら行き交っている。本当に気持ちのよい光景でした。
一緒に住んでいた祖母の影響も大きいですね。私から見た祖母は“無償の愛”を与える人。新聞配達のお兄さんにお茶を入れるなどはもちろん、その日会った人にも分け隔てなく全力で愛を注いでいました。

朝日新聞telling,(テリング)

笑顔が笑顔を引き寄せる

人に興味を持ったり、好きになったりすることはすごくエネルギーが必要なこと。でもそのプラスαによって、よりよい人間関係を築くことができる――。私がプラスαで接した相手も好意的な反応をしてくれるようになるので好循環。私はお仕事をご一緒する方には、積極的に興味を持とうと思って、接するように心がけています。

様々なことを受け入れられるようになってから、心の中でいろんな葛藤があっても、前向きな思考ができるようになり、自然と笑顔が出るようになったのだと思います。

明るくしていることの一番の効用は、それが伝わった人も気持ちがよく、楽しい気分になれること。逆に暗くしていると、悲しい気持ちが伝播する。笑顔が笑顔を引き寄せる――私はそう信じて、今日も笑ってポジティブに過ごしています。

■小澤陽子のプロフィール
横浜市生まれ。慶応大学環境情報学部卒業後の2015年、フジテレビに入社。現在はニュースバラエティー番組「全力!脱力タイムズ」や競馬番組「馬好王国」「BSスーパーKEIBA」、ニュース番組「Live News イット!」、フィギュアスケート中継などを担当。趣味は旅行や写真撮影など。

■岩田智博のプロフィール
ハイボールと阪神タイガースを愛するアラフォーおひとりさま。神戸で生まれ育ち、学生時代は高知、千葉、名古屋と国内を転々……。雑誌で週刊朝日とAERA、新聞では文化部と社会部などを経験し、現在telling,編集部。20年以上の1人暮らしを経て、そろそろ限界を感じています。

■岡田晃奈のプロフィール
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。

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