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片桐はいりと上白石萌歌のセッションに注目 『ちむどんどん』で最高の愛されキャラの予感

  • 2022.5.2
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『ちむどんどん』写真提供=NHK

朝ドラ『ちむどんどん』(NHK総合)で強烈なインパクトを放っているのが、比嘉兄妹の三女・歌子(上白石萌歌)が通う高校の音楽教師・下地響子(片桐はいり)だ。赤縁眼鏡がその迫力を増長させ、よく通る声と圧倒的存在感で歌子の誰にも開かれていない心のドアをノックし続ける。

片桐は『あまちゃん』『とと姉ちゃん』に続き本作が朝ドラ出演3作目。『あまちゃん』では強烈な個性を放つ北三陸の海女さん・あんべちゃん役を好演し、『とと姉ちゃん』では本作同様に教師・東堂チヨ役を務め、ヒロイン・常子(高畑充希)の人生に多大なる影響を与えた。女性であることを理由に夢を諦めることなく自分自身の信じる道に進むように、ヒロインの背中を力強く後押しする先進的な考えを持つ恩師役を説得力を持って熱演した。

内気で引っ込み思案な歌子に対して、「比嘉歌子。ちゃんと歌え。魂の叫び! ほとばしる情熱! モアパッション! モアエモーション! 歌は喉で歌うものではなく、心で歌うもの」と説く下地先生の圧、鬼気迫る形相は凄まじく、歌子にとって確実に彼女はキーパーソンになるに違いないことを予感させる。

歌子の中に眠る才能を見抜き、それを出し切ることを阻んでいる彼女の心のストッパー、リミッターをどうにか外そうとけしかける。歌子の澄み渡った歌声が響き渡る音楽室に「睨んだ通りね」と入ってきた下地が歌子ににじり寄る様子もコミカルで目が離せない。思わずそこから逃げ出してしまう歌子との対比も見事だった。

片桐演じる少し常人離れした個性豊かなキャラクターたちは、本人としてはごくごく自然に真面目にやっていることがどこか過剰だったりオーバーだったりするところにこそ“人間臭さ”が宿り、それがクセにも“愛されポイント”にもなる。

これまでも片桐は、人に流されず芯があり、自分自身のこだわり、矜恃を持ち合わせた役どころを演じることが多かったように思える。名バイプレイヤーとして数々の作品で気になる、目の離せない存在を演じてきたのはもちろん、主演を飾った連ドラ『東京放置食堂』(テレビ東京系)での曲がったことが大嫌いな初志貫徹の元裁判官・真野日出子役も正しくそうだった。

年齢不詳、生活感の全く滲まない“タダモノじゃない”圧倒的な存在感、キャラクターでありながらも、それが不思議な世界観ではなく日常の生活にしっかりと根付き、周囲の人々に馴染んで生活している様子の両側面を見せてくれる片桐は唯一無二の存在だと言えるだろう。

歌子が歌うまだ何も知らない無垢な「翼をください」が、下地との鮮烈な出会いによって、どんな味わい深いものになっていくのか、楽しみで仕方ない。(佳香(かこ))

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