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「もっと深いところにいけるかもしれない」燃え殻さんが与えてくれた希望【BE:FIRST・LEO】

  • 2022.5.1
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2021年11月に結成された7人組ダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST(ビーファースト)」。

デビューシングル「Gifted.」のYouTube再生回数は1,802万回、5月にリリース予定の2ndシングル「Bye-Good-Bye」は1665万回と大ヒットを記録しているほか、4月からグループ初の冠番組『BE:FIRST TV』(日本テレビ系)がスタート。また、今クールの連続ドラマ「探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~」(読売テレビ・日本テレビ系)の主題歌『Betrayal Game』を担当するなど、今注目のグループです。

そんな「BE:FIRST」のメンバー・LEO(レオ)さんが、ベストセラー小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』やエッセイ集『すべて忘れてしまうから』などで知られる燃え殻さんの著書を愛読していることが、ファンの間で話題に。

そこで今回、燃え殻さんの最新エッセイ集『それでも日々はつづくから』(新潮社)が4月27日に発売されたことに合わせ、“燃え殻ファン”のLEOさんに、作品の魅力についてお話を伺いました。前後編。

まさに「運命」だった…燃え殻さんの本との出会い

——LEOさんが燃え殻さんの本を読んでいたことがSNSでも話題になっていました。燃え殻さんの本を読んだきっかけを教えてください。

LEOさん(以下、LEO):きっかけは本当に偶然で、本屋さんに行ったときに、『ボクたちはみんな大人になれなかった』がたまたま目に入ったんです。「これを読んでみよう」と思って手に取ったのが最初ですね。

——それが、燃え殻さんの本との出会いだったんですね。

LEO:そのときまでは、燃え殻さんのことは知らなかったのですが、本を読んですごく好きになりました。『断片的回顧録』に 「『運命』という言葉は過去形がよく似合う」という言葉がありましたが、まさにそれです。燃え殻さんの本に出会ったのは、自分にとっては運命でしたし、作詞をするうえでも影響を受けています。今、自分がリリック(歌詞)を書いたりする立場にいる中で影響を受けたのは“運命”だろうなって。燃え殻さんのその言葉が、すごく刺さったんですよね。

僕は作詞のときに言葉選びを大事にしているのですが、燃え殻さんの言葉選びがすごく好きで……。『ボクたちはみんな大人になれなかった』を読んだときも「こんな表現をするんだ」とすごく感動したのを覚えています。

——『ボクたちはみんな大人になれなかった』以外にもいろいろ読まれているのですか?

LEO:読んでいます。燃え殻さんの本を読むと、自分が生きていく中で、「あの日はこういう言葉を言ったな」「あのときああいう感情になったな」「あの場所でこういうことを思ったな」と、自分が過去に置いてきた感情を、思い出させてくれるような気がして。そういう言葉がたくさん詰まっていると感じます。

さっきの「『運命』という言葉は過去形がよく似合う」という言葉も、自分に置き換えてみると、SKY-HIさん(「BE:FIRST」のプロデューサー)と出会い、その後「THE FIRST」のオーディションを受けて、BE:FIRSTになれたことも運命だなって思うんです。というか、「今まで生きてきたのもすべて運命だったのかな?」と思うと、その言葉がすごく心に響いて……。

とはいえ重い感じで迫ってくるのではなく、軽い感じでスマートにパンチラインを打ってくるのが、燃え殻さんらしい感じがします。僕も作詞をするときは、言葉選びを大事にしていますし、心に残るたった一言を伝えたいなと思っています。

「ありきたりの表現をしない」 作詞をするときに意識していること

——作詞をするときはどんなことを意識していますか?

LEO:基本的にリリックを書くときは、ありきたりの表現をしないようにしています。例えば、「THE FIRST」で書いた「“A” Life」という曲があるのですが、ちょっと嫌なことが続くことを「神様どうして意地悪するんだ~」と表現したり、普通のことでも自分の言葉で表現するようにしています。伝えたい世界観は共感性があるけれど、言い回しは当たり前じゃないような言葉を考えています。

——歌詞はどんなシチュエーションで生み出されるんですか?

LEO:ただ歩いているときや楽器を弾いているとき、トラックだけを聴いているときに出てくる言葉だったり。あとは例えば、誰かとドンッとぶつかったときに抱いた感情を残しておくとか。過去の自分の言葉を拾って書いたりもしますし、そこから派生してどんどん言葉が出てきたりもしますね。

——日常の何気ない1コマを、ちゃんと言葉にするということですね。

“お気に入り”を言いたくない理由

——LEOさんが燃え殻さんの本を愛読しているのを見て、LEOさん経由で燃え殻さんのことを知ったファンも多いそうですね。『それでも日々はつづくから』のお気に入りの部分があれば教えてください。

LEO:たくさんあるのですが、なるべく言いたくなくて……。それには理由があって、ファンの方が、僕をきっかけにして燃え殻さんのことを知ってくれたとき、僕のフィルターで作品の邪魔をしたくないという感情がすごく強いんです。僕が、「ここがいい」「あそこがよかった」と言うことで、燃え殻さんの素晴らしさを邪魔してしまうんじゃないか? と思うんです。それよりも燃え殻さんの言葉の素晴らしさを伝えられたら、一番すてきなことかなって考えたり。

本に登場する、居酒屋で隣り合った女の人と朝まで飲んでそのまま熱海に行っちゃう話も、「こんな経験したことない」「この話がすごくよかったです」と僕が言ってしまうと、みんなも「やっぱり、熱海の話がよかったね」と感じてしまうかもしれないと思ってしまうんです。「もっといいと感じる話があったかもしれないのでは?」「あなたに刺さる話はそこじゃないかも?」などと思ってしまうことが、自分的にはすごく悔しいし、悲しいなって。だから、僕がきっかけで燃え殻さんのことを知ってもらえることはすごくうれしいことなのですが、僕のフィルターを通して読んでほしくないという気持ちがあって。

——確かにファンならなおさら「LEOさんが言っているから」と思ってしまうかも……。

LEO:同じ感動を共有できることはすごくすてきなことなのですが、何も知らないで読んでいただくほうが絶対に、より作品の良さが伝わると思いますし、僕きっかけで知ってくれた人にも120%で楽しんでもらいたいと思っています。

「表現力の可能性を感じた」燃え殻さんが与えてくれた希望

——では、改めて燃え殻さんの魅力について教えてください。

LEO:燃え殻さんの本は、確実に自分の中にいろいろなものを残してくれていますし、心の栄養として存在していると感じています。いろいろな影響を受けていますが、表現の仕方であったり、当たり前のことを当たり前に書かなかったりと、クリエイティブの面ですごく衝撃を受けていて。

一番衝撃だったのは、『ボクたちはみんな大人になれなかった』の中で、主人公の「ボク」が女性の部屋から出なくてはならない状況になって、90分もの間、外で待っているときの表現です。

「90分は永遠みたいに長かった」とあり、「緑色が所々腐食して剥げてしまったフェンスに同化して、魂の抜け殻のようになった……」とあるのですが、この箇所を読んだとき、「こんな表現の仕方があるのか。『待っている』という状況について、自分はここまでの表現はできないな」って思ったんです。

でも、衝撃を受けたと同時に、「僕も書けるかもしれない。もっと深いところに行けるかもしれない」というふうにも思えたんです。それは、燃え殻さんの表現力の素晴らしさが、僕の中にある表現力の可能性を刺激してくれたような感覚で。

だから、僕も言葉選びやリリックを書くことに対して、絶対に妥協したくないという気持ちがあって。その場のテンションで良い言葉が出ればいいんですけど、僕は一回持ち帰ってじっくり考えたいタイプなんです。だから、「“A” Life」を制作したときは、すごく時間がかかりましたし、ギリギリまで悩んでいました。そこで出てきた言葉が、「神様どうして意地悪するんだ~」だったんです。

あのときも、燃え殻さんの言葉が頭の中にあったから、「自分ももっと深いところで書きたい」と思えました。考えれば考えるほど、深いところに行けるんです。「悩んで悩んでよかったな」という気持ちが、結局は自分の誇りになると思っています。

※後編は5月中旬に公開です。

(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子、写真:宇高尚弘)

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