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『きょうりゅうバスで としょかんへ』【今日の絵本だより 第290回】

  • 2022.4.30
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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。 こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

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『きょうりゅうバスで としょかんへ』 リウ・スーユエン/文 リン・シャオペイ/絵 石田稔/訳 世界文化社 1430円

4月30日は、図書館記念日。 1950年のこの日に図書館法が公布されたことから、1971年の全国図書館大会で4月30日が図書館記念日として制定されました。 実に半世紀の歴史がある記念日なのですね。 図書館の絵本というと静かなお話のイメージがありますが、発売になったばかりの新刊『きょうりゅうバスで としょかんへ』は、とても元気でアクティブな絵本です。

水曜日の午後は、町の図書館のお話の時間。 ミミとココとフェイフェイは、放課後に急いで図書館に向かいます。 そう、きょうりゅうバスに乗って! きょうりゅう専用道路をのっしのっしのっし、他の車に負けないくらいの猛スピードで図書館へ。 お話の時間に間に合った3人ですが、体が大きくて図書館に入れないきょうりゅうくんは、外で待つことになります。 中から聞こえてくる声に、一番上の部屋をのぞきこんでみたら、お話会の今日のお話は「あかずきんちゃん」。 最初は静かに聞いていたきょうりゅうくんですが、オオカミがあかずきんちゃんに飛びかかったところで、思わず窓から身を乗り出して 「ガウーーーー!」 と叫んだから、さあ大変。 図書館がぐらぐら揺れる中、館長さんがあわてて飛んできて、きょうりゅうくんを追い出しました。

目に涙を浮かべて、図書館を後にするきょうりゅうくん。 でも大丈夫、泣き顔がにっこり笑顔に変わる、とても素敵なできごとがきょうりゅうくんを待っているのです。 でも、それは読んでのお楽しみ。 台湾初のこの絵本、カバーの裏面には世界の移動図書館ポスターつき。 コロンビアのロバの図書館、スウェーデンの船の図書館、アフガニスタンの自転車図書館……、ほかにもたくさん。 本編とは別にもうひとつの物語があるような、ワクワクのサプライズです。

選書・文 原陽子さん はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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