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古き良き華やかな時代へタイムトリップできるアート展! 目黒・ホテル雅叙園東京で『大正ロマン×百段階段』開催中

  • 2022.4.27
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“日本美のミュージアムホテル”と称される「ホテル雅叙園東京」の東京都指定有形文化財「百段階段」にて、企画展『大正ロマン×百段階段』が2022年4月16日(土)〜6月12日(日)まで開催しています。美人画で有名な竹久夢二や大正ロマン風イラストが人気のマツオヒロミさんの作品など、大正から昭和初期の文化や流行を優美な文化財建築のなかで楽しめます。心躍るレトロモダンな世界へいざ出発!

東京都指定有形文化財「百段階段」ってどんなところ?

ホテル雅叙園東京
昭和10年(1935)に3号館として建てられた文化財「百段階段」。旧・目黒雅叙園は1号館から7号館までの建物があったが、現在残っているのはここだけ

文化財「百段階段」は「ホテル雅叙園東京」の前身、旧・目黒雅叙園に建てられたホテル内に現存する唯一の木造建築です。宴会場として使用していた7つの部屋を99段の階段廊下で繋いでいます。宮大工や画家、彫刻家など、職人の技術によって装飾された趣向の異なる部屋の装飾美は当時“昭和の竜宮城”と呼ばれていたそうです。現在ではさまざまな企画展を開催するアートの場となっています。

大正ロマンルームでファッションチェック!

ホテル雅叙園東京
日本近代画の大家・荒木十畝による花鳥を描いた天井画と黒漆の螺鈿細工がみどころ

階段を上った一番初め、7つある部屋のなかでもっとも格式が高い「十畝(じっぽ)の間」では「大正ロマンの旅への出発」をテーマに“モガ”と呼ばれた洋装を着こなすモダンガールの装いや、着物のコーディネートを当時流行した和洋折衷の室内装飾とともに展示しています。

ホテル雅叙園東京
ホテル雅叙園東京

こちらは旅支度をする姉妹。しっかりものの姉は準備万端、妹は持参する着物を決められずにあたふたしているという、ほっこりするシーン。鉄道網の発達とともに旅行ブームが起こった大正期にぴったりの設定ですね。

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映画や歌舞伎などの衣装を手がける松竹衣裳がコーディネート

まだまだ着物が中心の時代でしたが、鮮やかな色や柄、斬新なデザインが人気だったそう。ストライプ柄の着物や犬と手毬の帯がカラフルでかわいい!

マツオヒロミさんとのコラボ展示。夢の百貨店へようこそ!

ホテル雅叙園東京
床柱や欄間、天井にさまざまな彫刻を施して、純金箔などで仕上げた「漁樵の間」
ホテル雅叙園東京
虚構の20世紀初頭のデパートを舞台としたコミック&イラスト集『百貨店ワルツ』より「美粧部」

イラストレーターのマツオヒロミさんの単行本『百貨店ワルツ』で描いたイラストを、豪華絢爛な「漁樵(ぎょしょう)の間」で体感できるコラボレーション展示です。大正ロマンや昭和モダンの世界観を現代風に表現した、煌びやかな女性たちのイラストと文化財「百段階段」で一番華やかな「漁樵の間」の装飾は驚くほどにマッチ。夢の百貨店へ訪れたような非日常のショッピングを体験しましょう。

装飾美とともに休憩できちゃう「大正浪漫喫茶室」

ホテル雅叙園東京
当時は奥の間と控えの間に分かれていた「草丘の間」。晴天時には富士山が見えたこともあり、人気の宴会場だったそうです

40畳敷きの大広間「草丘(そうきゅう)の間」へ。奥の間の欄間には四季草花絵が、控えの間には松原の風景が描かれています。格天井には15面もの秋田杉に花鳥画が彩りを添えています。普段は畳の広間ですが、今回の企画展では、文化人が集う社交場として人気だったという、モダンな喫茶室をイメージしたその名も「大正浪漫喫茶室」に変身

ホテル雅叙園東京
アイスコーヒーとバームクーヘン、組子柄のオリジナルマスクケースが付いて1000円

「大正浪漫喫茶室」では当時、冷やしコーヒーと呼ばれていたアイス珈琲と、大正時代にドイツの菓子職人によって持ち込まれたとされるバームクーヘンをいただけます。日本ステンドグラス作家協会によるランプや衝立てなどの作品を鑑賞しながら大正ロマンを感じられるスイーツを召し上がれ。

大正ロマンを代表する画家・竹久夢二の世界へ

ホテル雅叙園東京
「星光の間」の欄間に描かれた食べ物はすべて実のなる物で豊穣を意味している

4番目の部屋、格天井に扇をあしらった「静水(せいすい)の間」と、欄間に柿やスイカなど、食べ物が描かれた5番目の部屋「星光の間(せいこう)の間」では、大正期に活躍した画家・竹久夢二の直筆原画を含む約50点の作品を展示しています。

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『黒船屋』の復刻版。手や足を大きく描くのが夢二式美人画の特徴
ホテル雅叙園東京
女性向け雑誌『婦人グラフ』11月号の表紙「秋のしらべ」。アール・ヌーヴォーを感じるモダンな表紙画

夢二の代表作『黒船屋』の復刻版をはじめ、女性向け高級グラビア雑誌や子供雑誌の表紙、楽譜の挿画なども展示しています。美人画で知られる夢二ですが、実は商業デザインも多数手がけていて、日本橋には自身がデザインした版画や便箋、手ぬぐいなどを販売する「港屋絵草紙店」もあったほど。まさにグラフィックデザインのパイオニア的存在ですね。繊細な描写と異国情緒を感じるノスタルジックなデザインをじっくり鑑賞しましょう。このほか、「明治・大正・昭和のガラス」をテーマにした展示もあるのでお見逃しなく。

フォトスポットでモダンガール気分♪

ホテル雅叙園東京
ホテル雅叙園東京
ホテル雅叙園東京
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「大正ロマン×百段階段」はフォトジェニックスポットがたくさん。最上段にある「頂上の間」では、アンティーク風の電話やカーテン、クリームソーダなどレトロな小道具を配しているので、モダンガール気分で映画のワンシーンのような写真を撮影してみましょう。

ホテル雅叙園東京
ホテル雅叙園東京

「十畝の間」にもフォトスポットがあります。こちらはソファに座ることができるので、おしゃれに着飾ったモダンガールと一緒にパチリ。

レトロ柄の着物に身を包んで、展示鑑賞やホテル内でアフタヌーンティーなどがセットになった「レトロ着物プラン〜レストランと文化財見学(https://www.hotelgajoen-tokyo.com/archives/72660)」も実施しているので、ぜひチェックしてみてください。

やっぱり気になるミュージアムグッズ

ホテル雅叙園東京
夢二がデザインした銀杏柄のA5クリアファイル440円(左)と、リングノート「玉椿」550円(右)

美術展の楽しみのひとつといえば、ミュージアムショップでおみやげ探し。展示作品の「HARIO」や「廣田硝子」など老舗ガラスブランドのグラスやアクセサリー、竹下夢二グッズも多数あります。

西洋の影響を受け、大衆文化が花開いた大正期。15年間と短いながらも新しい時代への期待を感じる華やかで夢のような大正ロマンを、竜宮城と称された文化財「百段階段」で体感できる企画展へぜひ訪れてみてください。

■大正ロマン×百段階段
住所:東京都目黒区下目黒1-8-1
会場:ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財 「百段階段」
入場料:一般1200円、学生600円
開催期間:2022年4月16日(土)〜6月12日(日)
開催時間:11時30分〜18時(最終入館17時30分)
休館日:2022年5月25日(水)
URL:https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/roman

Text:木村秋子(editorial team Flone)
Photo:田尻陽子

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