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新しい暮らしから生まれる美。【青柳文子編】

  • 2022.4.24
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都会を離れ、自然に触れて学ぶ豊かな日常。

クレソンが自生する小川のそばに理想的な家を発見。

青柳文子|FUMIKO AOYAGI雑誌ほか、映画、ドラマ、CM、アーティストMVなど多方面で活躍。執筆業でも才能を発揮し、女性たちの支持を集める。母となって初めてのフォトエッセイ集『あか』(三栄書房刊)を昨年上梓。

東京で働く夫と離れ、5歳の長女と3歳の長男と九州を拠点としたお試し移住の生活を始めて約半年。青柳文子は自然豊かな場所で子育てをしたいと、ベストな環境を求めて各地を住み歩いている。

「本格的な移住をすると完全なワンオペ育児になるので、仕事との両立を含め、本当にやっていけるかをまず試してみたくて」

実際に田舎で生活してみると、さまざまな発見があったという。

「子どもはもちろん、何より私自身が楽しんでいます。現場に出向く仕事が物理的に減ったことで時間に余裕が生まれて、乗馬や土いじりなど好きなことができるように。庭作りは、こんなにも楽しくて熱中できるものに出合えるなんて!と思いましたね。寝る間も惜しんで本を読み、新しい知識が増える喜びもあります。この半年でたくさんの専門用語を覚えました(笑)」

週に3回は通う近所の乗馬クラブ。 全身運動で、腰回りが引き締まった。

園芸店が豊富なエリア。ここで購入した果樹やハーブ、花を庭で育てている。 

この新たな楽しみが「人生哲学」を知らしめたと語る。

「植物は、太陽があって土があって、虫や微生物がいて、自然界は完璧なバランスで成り立っていると教えてくれる。人間もその仕組みに抗わずに生きることがベストだと気付かされるんです。馬もそう。支配しようと高圧的な態度でも、機嫌をうかがうようにへりくだっても、馬は言うことを聞いてくれない。指示する側と受ける側が対等でいて初めてこたえてくれる、動いてくれる。ああ、人間関係も子育ても同じだなあって」

ここで過ごすうち、「だんだん元気になってきた」と言う。これって、一体……?

「誰しも、愛情というエネルギーを持っていると思うんです。それを人と人、人と自然、互いに渡し合って交換していないと腐るんじゃないか、と。人に会わない生活はどうしてもそうなりがち。動物や植物に愛情を注ぐでもいい、人に愛情をもらうのでもいい。注ぐともらえる、もらえると注ぎたくなる、そうやって循環させることで元気になるし、新しい何かが入る余地も生まれる気がします」

ここには海があって山があって、温泉もある。水も空気もキレイ。お腹も空くし、汗もかくし、よく眠れる。

「これだけで肌キレイになりますよね(笑)。田舎にいるとさまざまなノイズも減り、他人の目を気にすることなく自分と向き合える。自分のためにスキンケアをしたい、メイクをしようと思うようになりました。心が変わると、表情も変わるんですよね」

魚を釣ってその場で食べることから、子どもと命について話す。

山奥の秘湯。月明かりの中で入る温泉は最高!

沖縄の幼稚園を視察に。住みたい気持ちを夫に伝えたら「いいね!」が返ってきた。

*「フィガロジャポン」2022年5月号より抜粋

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