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「痩せない理由」は肝臓が原因だった?解毒を助ける「タラのアボカド焼き」【コロナ太り解消 ダイエットレッスン Vol.19】

  • 2022.4.18
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自分にあう痩せ方を見つける『マイダイエットメソッド』を主宰しています、管理栄養士で、おうちごはん研究家の金丸利恵です。

運動したいけどダルい、疲れがたまってる、朝が起きられない、食べすぎたわけでないのに体重が増加傾向・・・など、なんとなく不調を感じる方は、肝臓がお疲れ気味なのかもしれません。

・食べ過ぎていないのに体重が増えるのはなぜ?

肝臓は「肝心かなめ」という言葉があるくらい、カラダにとって重要な働きをします。その働きとは栄養の貯蔵と供給、たんぱく質の合成、脂肪を消化する胆汁を作るホルモンや鉄のコントロール、毒素の解毒などです。

■お酒を飲まなくても脂肪肝に?!

肝臓に中性脂肪がたまる「脂肪肝」の状態だと、糖の代謝に関わるインシュリンというホルモンの感受性が悪くなり、大量に分泌されるようになります。これをインシュリン抵抗性と言います。インシュリンは余った糖を脂肪に変える働きがあるので、脂肪肝だと太りやすくなってしまうのです。

脂肪肝というと、お酒を過剰に飲み続けることで起こる「アルコール性脂肪肝」のイメージが強く、お酒を飲まない方は関係ない、と思われるかもしれません。しかし「非アルコール性脂肪肝((NAFLD)」や「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」は、肥満や生活習慣、特に糖質や脂質の過剰な食生活が原因で起こります。アルコール由来のものより悪化しやすいのが特徴です。肝臓は沈黙の臓器と言われ、ツライ自覚症状がでないので、見過ごされがちですが、肝機能数値が高い、またはエコー診察で脂肪肝があると診断された場合は、早めに改善への対策を打ちましょう。

・体重をゆっくり減らすと改善する

アルコール性ならお酒を減らし、非アルコール性なら甘いものや脂っこいものを減らして脂肪肝を解消することが大事です。脂肪肝の場合、現在の体重の7%減量できると内臓脂肪が減り、症状が良くなります。60㎏の方なら約4㎏です。1年くらいかけてゆっくり減量するのがリバウンドしにくく理想的です。

■肝臓が悪いものを「解毒」してくれている

とはいえ、脂肪肝、そして栄養不足により肝臓がお疲れの方は、なかなか痩せにくいという点があります。これは肝臓の働きの主なものである「解毒」がうまくいってないからと考えられます。カラダにそのままあると毒素となる、アルコールや薬、重金属、食品添加物などは、肝臓で解毒されます。

解毒には多くの活性酸素が発生するので、肝臓にたまった脂肪は酸化されダメージを受けます。そうなると糖質や脂質の代謝も滞り、脂肪が蓄積されるという悪循環に。また、体内の毒素が排出できないことで、疲労感、だるさ、頭痛のような調子の悪さも表れてきます。

Point1:「毒になるもの」を摂らない

肝臓を保護するには、身体が解毒しなければならないもの、例えばアルコール、必要以上の服薬やサプリメント、添加物の多い加工品、タバコや水銀などの重金属、そういったものを摂取しないことが大事です。

Point2:「回復を助けるもの」を摂る

また、肝臓の組織の「回復」には、良質のタンパク質が必要ですが、脂身の多い肉や揚げ物は、かえって代謝に負担がかかります。高たんぱく低脂質の「タラ」や「イカ」や「タコ」「鶏肉のささみ」「豆腐」などを選ぶと良いでしょう。

■解毒、抗酸化作用を強化する食材はコレ!

解毒と抗酸化に働くグルタチオンという物質は体内で作られます。体中の細胞に広く存在していますが、肝機能低下や、解毒するものが多すぎたり、加齢などにより減っていきます。肉や魚、小麦胚芽、アボカド、キウイ、酵母など食品にも含まれており、食事からも摂取できますので、バランス良く食べることも大事です。

・発芽野菜とビタミンEに注目

また、「スルフォラファン」という成分は、グルタチオンの生成を促進したり、他の抗酸化物質の活性をたかめます。スルフォラファンはアブラナ科の野菜に多く含まれ、「大根」や「菜の花」「芽キャベツ」などに多いですが、特に注目されているのは「ブロッコリースプラウト」です。「ケールの新芽」や「カイワレ」のような発芽野菜に多く、サラダとしても食べやすいので、ぜひ活用しましょう。

ビタミンA、C、Eは抗酸化作用がありますが、脂肪肝の抗酸化には脂溶性である「ビタミンE」の効果が期待できます。「ビタミンE」は植物性油やナッツ類、アボカドなどに多く含まれています。ビタミンEはトコフェロールとも言い、いくつかの種類に分類されますが、生理活性が強いのはαトコフェロールです。植物油のなかではオリーブ油が多く100g中で7.4㎎、ゴマ油が0.4㎎、あまに油が0.5㎎ えごま油が2.4㎎となっています。ドレッシングに新鮮で良質のオリーブオイルを使うと良いですね。

解毒作用を助ける「タラのアボカド焼き」の作り方

調理時間 25分 1人分 244Kcal

今回ご紹介するメニューは、良質のたんぱく質の「タラ」に、ビタミンEやグルタチオンを含む「アボカド」を組み合わせました。付け合わせには、スルフォラファン豊富な「ブロッコリースプラウト」と「大根」に、「オリーブ油」で作るドレッシングを和えます。

レシピ制作:金丸 利恵

<材 料 2人分>

タラ切り身 2枚

塩 小さじ1/6

コショウ 少々

片栗粉 小さじ1

アボカド(熟したもの) 1/2個

レモン汁 小さじ1

白みそ 小さじ1

ピザ用チーズ 20g

大根 3~4㎝

ブロッコリースプラウト 1パック

<A>

オリーブ油 小さじ2

酢 小さじ1

塩 小さじ1/4

コショウ 少々

・アボカドは皮をむき、種を取る。

・大根は皮をむいて千切りにする。

・ブロッコリースプラウトは洗ってから根を切り落とし、水気を切る。

<作り方>

1、ボウルにアボカドを入れ、レモン汁をかける。白みそを入れて、フォークなどでつぶしながら全体を混ぜ合わせる。

2、タラはキッチンペーパーで表面の水分をふき取る。魚焼き用のホイルなどにのせ、分量の塩、コショウをし、表面に片栗粉を薄くまぶす。(※甘塩タラの場合は、塩はしない)

3、①のアボカドみそを、②の表面にぬる。上にピザ用チーズをかける。オーブントースターまたは魚焼きグリルで、10~13分程度、チーズがとけ、こんがりとした焼き色がつくまで焼く。

4、<A>の材料をボウルにいれ、しっかり混ぜ合わせてドレッシングを作る。

5、大根とブロッコリースプラウトを混ぜ合わせ、④のドレッシングで和える。

6、焼きあがった③を器にのせ、⑤を添える。

コツ・ポイント・栄養成分 エネルギー244Kcal タンパク質22.9g 脂質13.5g 炭水化物11.0g 食塩相当量2.8g

肝臓を回復させ、働きをサポートする食材を食べるとともに、脂っこい物、甘い物、アルコールなど肝臓に負担のかかるものを避けるようにしましょう。また脂肪肝の解消には運動が効果的です。天気の良い日に散歩すると、ダルい感じも払拭できるのではないでしょうか。代謝の中心である肝臓ケアを意識した生活を送ることで、疲れにくい、太りにくいカラダ作りをしていきましょう。

参考文献 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』健康長寿ネット 食品成分データベース

(金丸 利恵)

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