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独断と偏見で選ぶ、ロンドンが舞台の名作ラブストーリー。(Airi Nakano)

  • 2015.9.22
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パリ編

NY編に引き続き、映画でシティを巡る旅のラストは、ロンドン。邦題に“ロンドン”が入っているものはごくわずかでしたので、今回は完全なる独断と偏見で選んだ、私の好きなロンドンラブストーリーををお届けします。

『フォロー・ミー』(1972) 折に触れて見返したい、最高に可愛くて魅力的なラブストーリー。

『第三の男』などで知られる映画監督キャロル・リードの遺作ともなった『フォロー・ミー』は、私の大好きなラブストーリーの1つ。英国上流階級出身のチャールズ(マイケル・ジェイストン)は、気ままに生きるベリンダ(ミア・ファロー)と恋に落ちて結婚するも、互いの結婚観の違いによりやがてすれ違いが生まれる。家を空けることが多くなったベリンダを怪しんだチャールズは、探偵クリストフォルー(トポル)を雇って追跡させるが…。この映画で紡がれる恋愛・結婚観は“恋人”や“妻””という枠組みに当てはめることなく、純粋に互いを想い合う喜びが詰まった私の理想的な在り方。初心を忘れないという意味で、これから先も折に触れて見返したい大事な作品です。ロンドンの美しい風景や、風変わりでチャーミングな探偵、ミア・ファローが着こなす70年代ファッションなど、ただ眺めているだけでも可愛く一見の価値あり。長らくDVDや、VHS、LDになっておらず、幻の名作だったそうですが、2010年に熱いリクエストに応えて初のDVD化が行われたのだとか。是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?(私は何度も見返したいのでamazonで購入してしまいました。)

『アルフィ』(1966) どこか哀愁漂うプレイボーイの恋模様。

イギリスの名俳優、マイケル・ケインの魅力が炸裂した映画『アルフィ』。ロンドンに生きる生粋のプレイボーイ、アルフィは人妻から富豪の未亡人、恋人と別れたばかりの若い女性まで、見境無くあらゆる女性と関係を結ぶ。そうやって女性達を手玉にとっていたつもりが、最後には皆他の男性へと去っていき、気付けば残るものは何もない。飄々としたなかにどこか悲哀を帯びたアルフィが画面越しに観客に語りかける言葉の数々は、軽妙ながらも心に響きます。「今 これまで出会った女達や 彼女達がしてくれたことをすべて思い起こすと おれは幸せ者に見える 得たものは?数シリング イキな服を数着 車 健康も取り戻し自由の身だ だが心の安らぎがない 何もないのと一緒だ 片方が手に入ればもう一方が入らない 何が答えだ?いつも自問する 人生とは?分かるか」

『ノッティングヒルの恋人』(1999) 現代版ローマの休日とも言うべき王道の恋物語。

前回お届けしたNY編の『ニューヨークの恋人』に引き続き、私の好きな王道ラブストーリーの1つが映画『ノッティングヒルの恋人』。既に観たことのある方も多いかと思いますが、あえて挙げたい作品です。エルビス・コステロの名曲「She」も大好きな映画主題歌の1つで、ジュリア・ロバーツ演じるアナの姿とともに流れるオープニングから、映画の世界観に引き込まれます。ハリウッド女優とノッティングヒルにある小さな書店の冴えないオーナー(ヒュー・グランド)の恋。普段なら出会うことすら叶わないはずの2人が環境の違いに戸惑いながらも惹かれ合っていく様子を、ノッティングヒルを舞台に時に切なく、時にユーモアを交えながら優しく綴った名作。観賞後にも素敵な余韻を残してくれます。

『クローサー』(2004) 大人の恋の駆け引きを緻密に描着だす。

世界中でヒットした舞台劇が原作の、マイク・ニコルズ監督の『クローサー』は、ロンドンを舞台に繰り広げられる男女4人の恋愛模様を描いた大人のラブストーリー。繰り返されるキーワード、巧みな駆け引き、わずかなタイミングのズレ、恋人の放つ空気の変化。些細なきっかけに左右されながら移ろいゆく彼らの関係性を、徹底的にコントロールされた巧妙なストーリーとともに映し出しています。時に身をつまされるほどのリアリティを帯びた、現実に起こりうる恋愛の大胆な要約ともいうべき作品。きっと共感出来る人物や胸に刺さるシーンも人それぞれ。他人に求める物、恋愛に対する価値観の差異などによって映画の捉え方そのものが変わってくる、そんな“感じ方”の余白が残された映画です。

参照元:VOGUE JAPAN

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