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引っ張りだこの“役者”佐々木希 起用が相次ぐその背景は?

  • 2022.4.10
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佐々木希さん(2020年10月、時事)
佐々木希さん(2020年10月、時事)

4月14日スタートの新ドラマ「やんごとなき一族」(フジテレビ系)に佐々木希さんが出演します。

佐々木さんといえば、先月に自身が主演を務めたドラマ「ユーチューバーに娘はやらん!」(テレビ東京系)が最終回を迎えたばかり。また、昨日まで放送されていたNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」にも出演するなど、近年、役者業で活躍が光る佐々木さんのキャリアを振り返ります。

視線を引きつける存在感

10代の頃に地元・秋田県の雑貨店で働いていたところ、漫画雑誌「週刊ヤングジャンプ」のスタッフにスカウトされた佐々木さん。同誌が主催する美少女発掘企画「ギャルコンJAPAN」と、ファッション誌「PINKY」のオーディションで、立て続けにグランプリを獲得したことが芸能界入りのきっかけとなりました。

整った顔立ちと抜群のスタイルで、鈴木えみさんや菜々緒さんらと同誌の専属モデルを務め、タレントとしてテレビ番組や、ロッテ「Fit’s」をはじめとするCMにも多数出演していた佐々木さんですが、芸能界デビューから間もなく役者業も開始。

2008年に公開された谷原章介さん主演の映画「ハンサム★スーツ」で俳優デビューを果たし、翌年には、当時流行のケータイ小説を原作とした映画「天使の恋」で主演に抜てきされました。

佐々木さんが演じたのは、圧倒的な美貌とカリスマ性を兼ね備え、周りの人間から慕われる一方で、過去のトラウマから他人を信用することができず、お金を得るために援助交際を繰り返す女子高生・理央。しかし、「ハンサム★スーツ」でも共演した谷原さん演じる、さえない大学講師・光輝と出会い、理央は初めて人を愛することの意味を知ります。

佐々木さんは当時まだ演技経験も少なく、若干のたどたどしさはありつつも、かえってそれが、理央の持っている純粋さを引き出したと言えるでしょう。最初は恐ろしいほどに大人びた理央が、光輝の前では天真らんまんな年相応の女の子に戻っていく、まさに“天使”のようなかわいらしさに、多くの人が心をわしづかみにされました。

2013年には、電子掲示板「2ちゃんねる」に書き込みされた体験記が基となった映画「風俗行ったら人生変わったwww」で風俗嬢を演じたことが話題に。佐々木さんは、満島真之介さん演じる29歳の童貞男・遼太郎が一目ぼれする、ワケあり風俗嬢・かよを好演。「人のために役立ちたい」という純粋な心を持っているがゆえに、ダメな男につけ込まれてしまう、かよの危なっかしさが表現されていました。

性別問わず、そこにいるだけで視線を引きつける存在感を武器に、ヒロイン役を射止めてきた佐々木さん。一方で、「ファースト・クラス」(フジテレビ系)ではわがままなモデルを演じたり、切り裂き殺人鬼役でドラマ「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」(関西テレビ・フジテレビ系)にゲスト出演したりと、2010年代前半には、振り切った悪女ぶりで新境地を開いています。

朝ドラ初出演となった「カムカムエヴリバディ」でも、佐々木さんは美しく自信に満ちあふれた芸能プロダクションの社長令嬢・奈々を演じることに。深津絵里さん演じるヒロイン・るいとオダギリジョーさん演じる錠一郎の恋が大きく進展する中で登場し、何か一波乱起きるのではないかと視聴者をハラハラさせました。

しかし、佐々木さん自身が語るように、奈々は「仕事を全うしようとする、プロ意識の高い一本筋の通った女性」。同作でプロデューサーを務めた松岡一史さんは、ヒロインとは違う魅力を持った女性を描きたかったようで、起用の理由を「るいが持っている、かれんさや内側に抱えている傷みたいなものが、感じられない華やかさがある人がいいと話していて、それを想像したときに出てきたのが佐々木さん」と説明しています。

新ドラマ「やんごとなき一族」でも、不動産事業を手掛け、莫大(ばくだい)な資産を有する深山グループで、松下洸平さん演じる健太の美人秘書・立花泉を演じる佐々木さんですが、その存在が土屋太鳳さん演じる庶民の家から深山家に嫁いだ健太の妻・篠原佐都にとって脅威となっていきます。自身が「徐々に壊れていく姿を見て少し怖いなと感じました…」と印象を語る、美しくも過激な一面を持った女性に扮(ふん)する佐々木さんの演技に期待が集まるでしょう。

光るコメディエンヌぶり

華やかで、誰もが憧れる絶世の美女…。ともすれば近寄り難い印象を持たれかねない存在でありながら、佐々木さんは親しみやすさも持ち合わせているところが魅力です。

時には恥を捨てて体当たりで役に挑み、2010年にはドラマ「土俵ガール!」(MBS・TBS系)でも相撲に情熱をそそぐヒロインを熱演していましたが、「ユーチューバーに娘はやらん!」では、それをはるかにしのぐコメディエンヌぶりを披露。ちゅうちょなく変顔を見せ、個性豊かなキャラクターに振り回される主人公のドタバタぶりを演じ切りました。

2020年の「24時間テレビ」(日本テレビ系)で「笑点」コーナーに登場し、大喜利やコントに挑戦したことも話題となりましたが、その飾らない魅力で役の幅を大きく広げる佐々木さんの役者業に注目してください。

ライター 苫とり子

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