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女版マザコン!? 母娘で依存し合う「ピーナッツ親子」のリスク

  • 2015.9.16
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【ママからのご相談】

0歳の女の子を育児中です。結婚したばかりのころ、旦那に、「君たち(私と、私の母)はピーナッツ親子だ」と言われました。ネットで調べてみたのですが、ピーナッツ親子とは “殻の中で二つ並んだピーナッツのように仲の良い母娘”という意味だそうです。実家や母に依存しすぎていた私の態度が、いつの間にか旦那のストレスになっていたのだと知りました。女版のマザコン状態だったのだと思います。そんな態度をできるだけ改め、直そうとしているのですが、心配は私の娘に対する態度です。ピーナッツ親子として育ってきた私は、母がしたようにしか娘を育てられる気がしません。ネット上では、男性の間で“ピーナッツ母娘の女との結婚”が地雷扱いになっているようで、わが子がそのようにならないよう、注意したいのですが、娘と仲良しでいたい思いも強いです。

●A. ピーナッツ親子=理想的な母娘ではない理由を考えてみましょう。

ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。

ピーナッツ親子、一卵性親子、親子共依存……。さまざまな呼び名で扱われている問題ですが、相談者様のおっしゃる通り、乱暴な言い方をすればまさに『女版のマザコン』です。マザコンの夫を持った女性がストレスを感じるように、ピーナッツ親子の女性を妻に持つご主人もまた不快感を抱くことは当然でしょう。

とはいえ“親子が仲の良いこと”は、一見すればとても理想的な家族像です。ピーナッツ親子と理想的な親子の間には、どのような違いがあるのでしょうか?

●共依存親子が誕生するステップは?

“尾木ママ”の愛称で親しまれている教育評論家・尾木直樹さんは、著書『親子共依存』のなかで、子どもはもとより、親も子どもに依存しているという“異常事態”に警鐘を鳴らしています。

例えば、思春期を迎えても反抗期がない、親と一緒にお風呂に入っている……。こんな親子関係を、「仲が良くてイイね!」と感じる方も少なくはないでしょう。

ところが、実際これはとても深刻な問題をはらんでいます。甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる親のそばは居心地がよく、子どもの親離れは遠ざかりますし、世話を焼くことに喜びを感じる親も、子離れができなくなってしまうのです。こうして、良い歳してもお互い離れられない“共依存親子”が出来上がってしまうのです。

共依存親子の関係で親に頼ることが当たり前になってしまった子どもたちは、“精神的な自立”、“経済的な自立”、“社会的な自立”、“性的な自立”など、一人の成人として必要な自立心を失ってしまいます。

仲の良い親子は確かに理想的ではありますが、行き過ぎてしまうと大切なわが子の人生を壊しかねないのです。本当に理想的な親子とは、いつまでも親友のようにベッタリと寄りかかり続ける関係ではなく、あるべき時期にきちんと反抗期を迎え、親と子どもとの間に適度な距離感がある関係を指すのではないでしょうか。

●ピーナッツ親子を避けたいのであれば、ママ自身の依存心と向き合ってみて

子どもの人生に干渉してしまうほど、過保護な子育ては親子共依存につながります。ですが、かといって子どもの自立を促すために放ったらかしにしてしまうことも正しいとは言えないでしょう。このバランスを上手に取るためには、ママ自身の依存心と向き合ってみることをオススメします。

ピーナッツ親子として育った子どもは、誰か(母親)に依存し成長していきます。その後、結婚や出産を経て、その依存先がわが子へと向かうケースも少なくはありません。つまり、ピーナッツ親子は遺伝してしまうのです。

この負の連鎖を断ち切るためにも、まずはママ自身の中に潜んでいる“誰かに依存したい”という思いを解消させる必要があるのではないでしょうか。

考えてみてください、お子様の人生はお子様自身のものです。母親が舵を取るべきものではありません。そして、それと同じように、相談者様の人生は相談者様自身のものなのです。母親のものでも、お子様のものでもありません。

一人の母親としてわが子の世話をし育てることは、確かに大切です。しかし、それと並行して、ママ自身が一人の人間として心を自立させることも忘れてはいけません。誰に依存するべきなのかといえば、それは“自分自身”なのではないでしょうか。

●適切な距離感で、お子様の自立を見守ってあげたいですね。

相談文には、『男性の間で“ピーナッツ母娘の女との結婚”が地雷扱いになっているようで、わが子がそのようにならないよう、注意したい』とありました。

しかし、ピーナッツ親子の弊害はそれだけに留まりません。娘さんにとって、もっと本質的で、もっと深刻な問題となりかねないのです。

まだ0歳ということですので、反抗期までには猶予があります。それまでに、ぜひ心のバランスがとれた素敵な母親になっていたいですね。

【参考文献】

・『親子共依存』尾木直樹・著

●ライター/木村華子(ママライター)

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