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キューバ出身の最旬女優アナ・デ・アルマスの吸引力と、魅惑の「007」ロケーション

  • 2022.3.26
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ダニエル・クレイグ最後の勇姿に多くのファンが涙した『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のブルーレイ&DVDの発売を祝して、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』スペシャルサイト「#永久保存版007」が展開中だ。本稿では、ボンドウーマンの一人、パロマ役を演じたアナ・デ・アルマスにフィーチャーしたい。なにしろ、国内外のレビューでも“パロマの出演場面が傑出している”という高評価では一致しているのだ。シリーズ60年の歴史を振り返ってもこんな例はあまり多くない。アルマスが少ない出演シーンのなかであれほど強烈な印象を残せたのは、本人の積極的な役への取り組みと、同時に、人気俳優にありがちな偶然が幸いしたことをご存知だろうか。

マリリン・モンロー役の『Blonde』など待機作多数のアナ・デ・アルマス

ボンドウーマンからモンロー役まで、引く手あまたのアナ・デ・アルマス

ブラックドレス&ヒール姿での痛快なアクションが話題を呼んだアナ・デ・アルマス NO TIME TO DIE [c] 2021 Danjaq & MGM. NO TIME TO DIE, 007 Gun Logoand related James Bond Trademarks, TM Danjaq. Package Design [c] 2021MGM. All Rights Reserved.
ブラックドレス&ヒール姿での痛快なアクションが話題を呼んだアナ・デ・アルマス NO TIME TO DIE [c] 2021 Danjaq & MGM. NO TIME TO DIE, 007 Gun Logoand related James Bond Trademarks, TM Danjaq. Package Design [c] 2021MGM. All Rights Reserved.

アルマスを監督のキャリー・ジョージ・フクナガに推薦したのはダニエル・クレイグだったことはよく知られている。クレイグは『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』(20)で共演したアルマスの個性が、本作のボンドウーマン役にマッチしていると感じたからだ。そして、予想は的中する。『ナイブズ~』では陰謀渦巻く富豪一家の中で、唯一イノセントで、オマケに嘘をつくと吐いてしまう看護師のマルタ役に扮したアルマスの天然に近い演技は、そのままパロマ役にも活かされた。

ダニエル・クレイグがアナ・デ・アルマスの魅力を買ってボンドウーマンに抜擢したそう NO TIME TO DIE [c] 2021 Danjaq & MGM. NO TIME TO DIE, 007 Gun Logoand related James Bond Trademarks, TM Danjaq. Package Design [c] 2021MGM. All Rights Reserved.
ダニエル・クレイグがアナ・デ・アルマスの魅力を買ってボンドウーマンに抜擢したそう NO TIME TO DIE [c] 2021 Danjaq & MGM. NO TIME TO DIE, 007 Gun Logoand related James Bond Trademarks, TM Danjaq. Package Design [c] 2021MGM. All Rights Reserved.

キューバの地でボンドのミッションに協力する新米CIAエージェントのパロマは、激しいアクションの中で思わず、『私3週間しかトレーニングを受けてないの』の口走るのだが、それは本番前にアルマスがクレイグに言った言葉がそのまま採用されたもの。トレーニング不足を自ら告白するボンドガールも珍しいが、アルマスが繰りだすハスキーな台詞回しは、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の現場に入る直前まで撮影していた『Blonde』(22)で演じていたマリリン・モンローが抜け切れていなかったとは、本人の弁である。

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ロンドンプレミアでのアナ・デ・アルマス 写真:SPLASH/アフロ
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ロンドンプレミアでのアナ・デ・アルマス 写真:SPLASH/アフロ

こうして、自然体でコケティッシュ、セクシーだがボンドの魅力に決して与しない新世代のボンドウーマンとしてセンセーションを巻き起こしたアルマスは、クランクイン前に危惧していた超大作への抜擢による重圧に押し潰されることもなく、いまやハリウッド最強の売れっ子俳優として引く手数多だ。

『Blonde』のレイティング、NC-17 (17歳以下は鑑賞禁止)が物議を醸すなか、ベン・アフレックと夫婦役を演じるエロティックなサイコスリラー『底知れぬ愛の闇』(22)がHuluで配信されたばかりだし、『ナイブズ・アウト~』つながりのクリス・エヴァンスとはアクション・スリラー『The Gray Man』(22)とアドベンチャー・ロマンス『Ghosted』(22)で連続再共演。

『ブレードランナー 2049』でAIを搭載したホログラムのヒロイン、ジョイ役を演じた 写真:SPLASH/アフロ
『ブレードランナー 2049』でAIを搭載したホログラムのヒロイン、ジョイ役を演じた 写真:SPLASH/アフロ

前者では『ブレードランナー 2049』(17)のライアン・ゴズリングも共演者リストに入っていて、なぜだか、アルマスはもう一度仕事してみたいオーラの持ち主みたいだ。そして、その後には「ジョン・ウィック」シリーズのスピンオフ映画『Ballerina』への出演が噂される。そこでは当然、格闘シーンが必須なのだが、さて、今回は3週間の準備で済むかどうかが問題だ。

 キューバ出身のアナ・デ・アルマス 写真:SPLASH/アフロ
キューバ出身のアナ・デ・アルマス 写真:SPLASH/アフロ

話をパロマに戻そう。この役を打診された際、アルマスは母国キューバが舞台であることに誇りを感じたと語っている。「この経験をキューバ国民と共有したい」と言って撮影に臨んだ彼女は、勢い余って母国語のスペイン語でエキストラに話しかけたこともあったという。ものすごい没入感というか素顔も天然キャラなのだ。しかしながら、実際の撮影場所はキューバではなく、ロンドンのバインウッド・スタジオ内にハバナの街並みを克明に再現したセット。キューバではよく見かけるミッドセンチュリー時代のアメ車もセットデザイナー・チームのこだわりの逸品だ。

たとえ作り物でも、アルマスから母国語が飛び出すくらい、そこには懐かしいキューバの空気が漂っていたに違いない。そう、「007」シリーズではボンドウーマンを引き立てるロケ地の魅力も重要な要素だ。ジェームズ・ボンドがシリーズ作品を通して、これまで訪れた国は50か国以上と言われている。コロナ禍で、残念ながら気軽に聖地巡りというわけにはいかないが、ここからはボンドウーマン(ガール)に特化して、魅惑のロケーションを再探訪してみよう。

イタリアの世界遺産の街、マテーラの風景も『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の見どころ 写真:SPLASH/アフロ
イタリアの世界遺産の街、マテーラの風景も『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の見どころ 写真:SPLASH/アフロ

『ノー・タイム・トゥ・ダイ』にも登場、「007」にビーチは欠かせない!

引退したジェームズ・ボンドが暮らすサン・サン・ビーチの家は本作のために建てられたもの NO TIME TO DIE [c] 2021 Danjaq & MGM. NO TIME TO DIE, 007 Gun Logoand related James Bond Trademarks, TM Danjaq. Package Design [c] 2021MGM. All Rights Reserved.
引退したジェームズ・ボンドが暮らすサン・サン・ビーチの家は本作のために建てられたもの NO TIME TO DIE [c] 2021 Danjaq & MGM. NO TIME TO DIE, 007 Gun Logoand related James Bond Trademarks, TM Danjaq. Package Design [c] 2021MGM. All Rights Reserved.

カリブ海周辺はシリーズの発祥地としてなじみのある海域だ。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』でボンドはジャマイカのポート・アントニオにあるサン・サン・ビーチの一角にあるコテージで引退生活を送っている。ジャマイカはシリーズ第1作『007 ドクター・ノオ』(62)で初代ボンドガール、ウルスラ・アンドレス扮するハニー・ライダーが、ビキニにベルトに差したナイフ姿で登場したラフィング・ウォーターズ・ビーチがある場所だ。

ラフィング・ウォーターズ・ビーチ(『007 ドクター・ノオ』より) 写真:Everett Collection/アフロ
ラフィング・ウォーターズ・ビーチ(『007 ドクター・ノオ』より) 写真:Everett Collection/アフロ
シリーズ40周年記念作だった『007 ダイ・アナザー・デイ』(02) 写真:Everett Collection/アフロ
シリーズ40周年記念作だった『007 ダイ・アナザー・デイ』(02) 写真:Everett Collection/アフロ

ハニーが鼻歌を歌いながら波打ち際まで戻ってくるこのシーンは衝撃的で、後にシリーズ40周年記念作『007 ダイ・アナザー・デイ』(02)でハル・ベリーがこのスタイルと登場シーンを完コピして話題になった。ジャマイカと並んで”カリブ3か国”の楽園の一つに数えられるバハマの首都ナッソーが舞台の『007 サンダーボール作戦』(65)で、クローディーヌ・オージェ扮するドミノとボンドが出会うのが、有名なリゾート地「アトランティス・パラダイス・アイランド」。ショーン・コネリー演じるボンドがドミノの足の裏に刺さった棘を口で吸い取るシーンのエロチックなことと言ったらなかった。海はボンドと女性たちの出会いの場としては最適だ。

クローディーヌ・オージェ扮するドミノとボンドが出会うパラダイス・アイランド(『007 サンダーボール作戦』より) 写真:Everett Collection/アフロ
クローディーヌ・オージェ扮するドミノとボンドが出会うパラダイス・アイランド(『007 サンダーボール作戦』より) 写真:Everett Collection/アフロ

マニアの間ではシリーズ屈指の名編に数えられる『女王陛下の007』(69)で、ジョージ・レーゼンビー演じるボンドとダイアナ・リグ演じるトレーシーが劇的な再会を果たすのは、スイス、グリンデルヴァルトのスケートリンクだ。この後、トレーシーは悲劇的な末路を辿ることになる。

『女王陛下の007』(69)ではスイス、グリンデルヴァルトが舞台に 写真:Everett Collection/アフロ
『女王陛下の007』(69)ではスイス、グリンデルヴァルトが舞台に 写真:Everett Collection/アフロ

アジアに目を向けると、『007は二度死ぬ』(67)の日本、『黄金銃を持つ男』(74)の香港、タイ、『トゥモロー・ネバー・ダイ』(97)のベトナムなど、過去に何か所が登場しているが、そろそろ久しぶりに日本ロケを期待する声は高い。

『007は二度死ぬ』(67)では日本が舞台に。初の日本人ボンドガールとして若林映子と浜美枝が登場 写真:Everett Collection/アフロ
『007は二度死ぬ』(67)では日本が舞台に。初の日本人ボンドガールとして若林映子と浜美枝が登場 写真:Everett Collection/アフロ

あの時、若林映子や浜美枝が限界ギリギリで躍動した欧米人にとっては異国の地だった日本が、いまならどう映るかをファンは知りたいのだ。実は『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では予定していた日本ロケがキャンセルになった経緯があり、ロケーション・マネージャーのチャーリー・ヘイズによると近々日本ロケ案の復活もあり得るとか。果たしてそこでは、どんな新ボンドが、どんなボンドウーマンと、どんな風に関わるのか、永遠に興味は尽きないのだ。

発売中の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』4H UHD&Blu-ray&DVDには、「マテーラでの撮影」「世界を駆けるボンド」といった本作のロケーションの裏側がわかる特典映像も収録されている。また、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』スペシャルサイト「#永久保存版007」では、スペシャルグッズ 6点セットが当たるキャンペーンも実施中だ。ぜひパッケージで作品を観直して反すうし、想いの丈を綴ってほしい。

文/清藤秀人

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