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「DMV」が叶えた線路と道路を走る新感覚体験とは?見所や特徴を試乗レポート

  • 2022.3.27
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2021年12月25日から徳島県の阿佐東線で本格営業運行が始まった「DMV(デュアル モード ビークル)」。道路と線路の両方を走行できる世界初の乗り物として、地元徳島だけでなく全国でも話題になっていますよね。一体どのようにして走行しているのか?車体の構造や見どころは?などなど、乗ったことがない人にとってはまだまだ謎だらけ。そこで今回は大注目のDMVに実際に乗車して、その特徴を詳しくレポートしてみます。

提供:阿佐海岸鉄道

 

世界初の本格運行がスタート!DMVってどんな乗り物?

開発されてから20年以上が経過し、2016年に徳島県・阿佐東線への導入が正式決定。2021年12月25日より本格営業運行が開始されたのが、今回紹介する「DMV」です。

正式名称を「Dual Mode Vihicle(デュアル モード ビークル)」と言い、その名の通り、道路と線路の両方を走ることができる乗り物。道路を走るための通常のゴムタイヤと、線路を走るための車輪の両方を備えているので、乗客はバスと列車を乗り換える必要なく、より便利な移動を叶えてくれるというわけです。

提供:阿佐海岸鉄道

DMVが走行するのは、徳島県海陽町と高知県東洋町にまたがる区間。「阿波海南文化村駅」を始発とし、「リビエラししくい(道の駅宍喰温泉)」までが基本の運行ルートとされ、「阿波海南駅」~「甲浦(かんのうら)駅」までが鉄道として、そのほかの区間がバスとして運行されます。土、日、祝日には「室戸(海の駅とろむ)」までの区間も運行(1日1往復)されています。

提供:阿佐海岸鉄道

車両の見た目はコンパクトなバスといった印象でしょうか。トヨタ自動車のコースターを改造した車両だそうです。座席数は全部で18席、車両のカラーは赤、青、緑の3色。どのカラーの車両が運行されるのかは日によって異なるので、乗車するその日までのお楽しみです。

2021年12月25日の本格営業運行の開始以来、2022年3月時点で延べ8,000人が乗車。鉄道ファンや観光客にも人気で、DMVを目当てに徳島県の現地に訪れる人も多いようです。

最大の見せ場「モードチェンジ」はどこで行われる?

DMVでもっとも気になるのが、バスから線路走行へ切り替える「モードチェンジ」ではないでしょうか。甲浦駅と阿波海南駅では、乗客を乗せたままモードチェンジが行われます。モードチェンジの合図は、車内に流れる海部高校郷土芸能部による「海南太鼓」。わずか10~15秒ほどで完了しますよ。

阿波海南駅では、間近でモードチェンジの様子をチェックすることができました。写真に収めたい人向けに、「撮影スポット」の看板も設置されていましたよ。

バスから鉄道へのモードチェンジの際は、線路走行用の車輪が登場し、車高が高くなる様子を見ることができました。思わず、「おお~」という声が出てしまいます。モードチェンジが終わると、運転士さんによる安全確認をしてから出発します。

ちなみに、車外からモードチェンジを撮影したいなら阿波海南駅、DMVの車体を撮影したいなら始発停留所のある阿波海南文化村駅がおすすめですよ。

DMVに乗りたい場合は?

前述もしましたが、DMVの座席数は18席。地元の人に愛されている公共交通機関なので、満席で乗車できない場合も。必ず乗りたい場合は、事前に予約しておくのがスムーズです。「発車オーライネット」でオンライン予約できるので活用してくださいね。

時刻表や運賃など、DMVの運行については、阿佐海岸鉄道の公式サイトでご確認ください。

鉄道区間では車窓の景色も楽しんで

鉄道として運行される区間には、19ものトンネルがあります。宍喰駅から海部駅間には、那佐湾を望めるポイントも。車窓から見えるのどかな景色も楽しみのひとつです。

ここでしか乗ることができないDMV。世界初の新しい乗り物は、まるで童心に戻ったかのようにワクワクしました。徳島を訪れた際には、ぜひ利用してみてくださいね。やっぱり、モードチェンジは必見ですよ!

[Photos by Chika]

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