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毎日いびきをかいていると危険…?医師に聞いた「睡眠時のいびきと無呼吸症候群」

  • 2022.3.23
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家族からいびきをかいていると指摘されたことはありますか? 今回は、いびきと無呼吸症候群について、「たかまつ耳鼻咽喉科クリニック」院長の高松俊輔先生に伺いました。

いびきや無呼吸症候群が危ない理由を教えてください。

無呼吸の定義は「10秒以上の呼吸の停止」です。7時間の睡眠の間に30回以上、あるいは1時間に5回以上の無呼吸がある場合に「睡眠時無呼吸症候群」となります。普段いびきをかかない人が、疲れた時やお酒を飲んだ時、風邪をひいた時に限っていびきをかく場合には問題ありません。しかし、毎日のようにいびきをかく方は、症状が悪化すると「睡眠時無呼吸症候群」となり、以下のような症状に繋がる可能性があります。

短期的

十分な睡眠時間をとっているにも関わらず睡眠不足の状態になるため、日中に眠気に襲われるといった症状があります。睡眠不足よって、頭痛や疲労感を覚えたり、授業中や会議中に眠くなってしまうことにより、学習障害や仕事のパフォーマンス低下を招くこともあります。また、運転中に眠くなってしまうことによる交通事故、眠気による集中力の低下により階段から落ちてしまったり、物を落としてしまうなども考えられるでしょう。

長期的

睡眠中に低酸素状態が続くため交感神経が刺激され、心臓の拍動が強まることで血管が収縮し、血圧が高くなります。また、血糖の上昇により糖尿病を悪化させる可能性や、心臓の負担が増えた結果、不整脈を誘発する可能性もあります。心臓や血管への負担が動脈硬化に繋がり、それによって引き起こされる心筋梗塞・脳卒中・狭心症など、さまざまな生活習慣病の原因に繋がります。

なぜいびきや無呼吸症候群が起こるのか教えてください。

原因はさまざまで、気道のどこかに狭窄がある場合は「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」。脳に原因がある場合は「中枢性睡眠時無呼吸症候群」になります。痩せていても上気道(鼻・口・喉)に狭い部分があれば(扁桃腺が大きいなど)いびきが発生する可能性があります。その逆で、肥満体であっても上気道に十分な広さがあればいびきは発生しません。肥満はいびきが起こる原因になり得ますが、肥満体だからと言って必ずいびきをかくとは限りません。また、アルコールの摂取によって睡眠中に筋肉の弛緩が起こり、その結果、上気道に狭窄部位が発生し、いびきが起こりやすくなります。

「中枢性睡眠時無呼吸症候群」においては、脳の呼吸中枢の機能が正常でないために無呼吸となります。上気道が狭くなっているわけではないので、いびきをかかないことがあります。

いびきや無呼吸症候群になったら医療の受診は必要なのか教えてください。

前述のとおり無呼吸症候群はさまざまな疾患の原因になり、交通事故などを引き起こす可能性にもなります。これらを防ぐため受診されることをおすすめします。睡眠時無呼吸症候群には鼻・口腔・喉・脳のどこかに原因があり、原因箇所によって治療法が異なります。例えば、鼻閉が醜い場合や扁桃腺肥大が著しい場合に横向きに寝る、減量する等の対処法を行っても十分な効果があるとは言えません。自身では判断が難しく、医師の診察が必要になるでしょう。自身のいびきが無呼吸症候群であるかどうか判断ができない場合、医療機関で診断することが可能です。

日中の眠気などの症状がある場合は自己判断せず、医師の診察で適切な治療法を行えば将来起こり得る病気や事故を防ぐことができます。いびきでお悩みの方は一度、耳鼻科もしくは呼吸器内科に相談してみましょう。

教えてくれたのは

出典: 美人百花.com

「たかまつ耳鼻咽喉科クリニック」院長 高松俊輔(たかまつしゅんすけ)先生

国立山梨医科大学(現山梨大学)卒業。東京大学耳鼻咽喉科学教室入局。同病院にて研修後、国立東靜病院、都立府中病院、都立神経病院、社会保険中央総合病院など経て文部科学教官助手として東大病院に赴任。同病院では一般外来の他、鼻の専門外来、レーザー治療、顔面神経の専門外来を担当。診察、手術、研究、後進の指導に従事。医療法人社団「翔和仁誠会」理事長。東京・神奈川に耳鼻咽喉科を中心に15クリニックを運営している。

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