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新しい自分に出会えるスタイル“ボブ”の簡単ヘアアレンジ

  • 2022.3.23
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誰にでも似合うし、ボブは大人にぴったり意外とアレンジの幅も広い

新しいことを始めるのにぴったりの春は、イメージチェンジしたくなる季節。今の髪型にマンネリ感を覚えているなら、ボブにチャレンジしてみませんか?
「大人の女性にこそボブがおすすめ」と語るのは人気サロンKATE Mirrorトップスタイリストの鮫島里佳さん。

ボブはカットラインがしっかり決まったスタイル。そのため、どの角度から見ても完成度が高く、スタイリッシュな印象になれるところが魅力なのだそう。
「長さやシルエットなどで幅広いデザインを楽しめるボブは、誰でも必ず似合うスタイルを見つけられるし、アレンジもできる長さなので自信をもっておすすめしたい」という鮫島さんに、ボブヘアの楽しみ方について、初心者にもわかりやすく指南していただきました。

ボブが万能ヘアなのは、ラクして素敵になれるから

自身のInstagramでもボブ好きを公言し、多くのスタイルを提案している鮫島さん。
サロンには、鮫島さんが得意とする洗練されたボブヘアに憧れて来店する女性が後を絶ちません。そんな彼女がボブのプロフェッショナルとなったきっかけは、アシスタント時代に長かった髪をボブにカットしたことでした。

「サロンの方針で、それぞれのスタッフがどんな髪型にするかは、オーナーの意見を聞きながら決めていたんです。コンパクトな髪型の方がモダンな雰囲気になるからというオーナーの見立てで切ることになったのですが、それまでずっと髪は長めだったのでボブになった自分が想像しづらく、チャレンジしたことはありませんでした。ですが、いざカットしてみたら不思議なほど新鮮な気持ちになれたんですよね」
オーナーに提案されたのは、アゴ上にカットした切りっぱなしボブ。大人っぽい雰囲気になるよう、前髪は伸ばしたそう。コンパクトな髪型は鮫島さんの大きな瞳を強調し、イメージチェンジは大成功。

ボブ好きになった鮫島さん
鮫島さんがボブを好きになったのはオーナーの客観的なアドバイスを受けて、自身もボブにした経験から。短くなることで全体のバランスも良くなり、大人っぽい印象に変身して、自分らしい髪型を確立できた気がしたそう。「自分には似合わないと決めつけず、一歩勇気を出してみて。新しい自分に出会える感動を味わえると思いますよ」

それからというもの、たくさんのボブスタイルに挑戦し、スタイリストとしても多くのデザインをつくり続け、ますますボブの魅力にはまっていったのだそう。

「ボブは首やデコルテがしっかり出る髪型です。そのため、短くても女性らしさが残るスタイル。コテなしでも決まるし、ドライヤーを当てる時間も短くてすみます。短いからヘアアレンジができない髪型だと誤解されがちですが、実はたくさんのアレンジ法があるんですよ」

髪型に飽きてしまったらヘアアレンジを楽しみながらさまざまな自分に出会えるボブは、自分の可能性を広げたいポジティブな女性にまさにぴったりの髪型だと言います。

ボブは誰にでも似合う。あとはなりたいイメージを明確に

女性を美しく、都会的に演出してくれるボブ。挑戦してみたい気持ちは高ぶるけれど、自分に似合うかどうかジャッジできない。そんな女性たちに向けて鮫島さんは声を大にして「誰にでも似合うので安心して!」と伝えたいのだそう。

鏡の前に立つ鮫島さん
Instagramなどで憧れの女性をイメージできる画像を保存していくつかためておいてほしいと話す鮫島さん。「どの美容師もお客様のなりたいイメージを共有したいと思っているもの。伝えにくいな、と遠慮する必要はまったくありません。ボブにはさまざまなデザインがあるので、長さやカラー、パーマに前髪のつくり方など、気になるスタイルについて相談してほしいです」

ボブとはそもそも切りそろえた長さやシルエットのことを指すのですが、本来誰でも似合うものなのだそう。シンプルなカットラインはあらゆるメイクやファッションと相性が良く、トレンドに流されず、普遍的なもの。

「あとは、数センチの長さの差で印象は変わるので、美容師と相談しながら細かい長さや、前髪のあり、なしを相談していけば必ず自分らしいボブスタイルは見つけられます。短い髪にどうしても慣れない方は、アゴ下1、2cmくらいの長さから始めてみて。あとは、自分の中で“なりたいイメージ”を固めることが重要です」と鮫島さん。

シャープでモードな女性を目指したいならば、ぱつっと切りそろえた外ハネボブ、かわいらしい印象になりたいなら丸みのあるシルエットを。カラーでもイメージが変わるので、どんな自分になりたいか、理想の女性像を頭に思い描けるようにしておくとよいのだそう。

(左)真っ直ぐ切りそろえた毛先が、聡明で洗練された女性をイメージさせる。自然な外ハネにも色気が宿る。(右)かわいらしい丸いシルエットを、小気味のよい短さでフレッシュに仕上げて。ヘルシーな甘さに満ちたデザイン

そのイメージだけ決まっていれば、あとはプロが無限にあるデザインからあなたにぴったりなスタイルを提案してくれます。

大人のカチューシャ正統派アレンジ

ヘアアレンジの幅が実は広いというボブですが、ふだんアレンジをしない人でも確実におしゃれになる方法があれば知りたい。そんなリクエストに応えて鮫島さんが教えてくれたのはヘア小物アレンジ。今回は、大人に似合うカチューシャを使ったスタイリングのコツを披露してくれました。

(1)ストレートアイロンで外巻きにする
アイロンで外ハネをつくる
中間の毛は真っすぐ、毛先のみ軽く外ハネにする。「コテを使ってもよいのですが、ストレートアイロンの方がナチュラルな外ハネがつくりやすいです。前髪は軽くアイロンを通して真っすぐになるよう整えてください」
(2)シアバターでベースをつくる
シアバターを手に
パール1粒分のシアバターを手のひらと指の間になじませ、髪の中間から毛先に向かって手ぐしを通す。「手に余ったスタイリング剤で髪の表面をさっとなでて質感を整えてください。髪の毛をキレイに見せるポイントです」
(3)カチューシャをつける
(上)しっかり分け目をつけた状態でカチューシャをつける。「分け目がある方が大人っぽく見えます。前髪がある人も、下ろさずに分けてアップするといいです。その場合は前髪に多めのスタイリング剤をつけて整えるのがコツ。そのうえで、数本だけ下ろしたスタイルも素敵だと思います」 (下)髪色になじむカラーのカチューシャしか手が出せない、という人にはこんなアドバイスが。「その日のお洋服に入っている色を取り入れるとトータルでまとまり感が出て素敵です。ぜひ、カラーのアイテムも試してみてください」

ガーリーになりがちなカチューシャも、選び方を工夫すれば大人のスタイルに。色は落ち着いた黒やベージュ系のゴールドなどで髪色と合わせてみたり、色味があるものならくすんだものだと失敗しません。「素材はサテンやレザー、シルク、ベロアなど高級感のあるものを。あとは細くきゃしゃなタイプであれば、幼いイメージにならずに済みます」

伸びかけもオシャレに乗り切る! 1分おだんごヘア

ボブは長さをキープするために頻繁なメンテナンスが必要だと思いがちですが、伸びていく過程を楽しむのだってアリ。アゴ上にカットしたボブからどんどん伸びてきて、ロブ(少し長めのボブ。毛先が肩の上数センチくらいの長さ)になるまでの中途半端な長さの期間も、まとめ髪にすることでいつもと少し違う自分を楽しみましょう。

「アゴ下くらいの長さがあればおだんごがつくれるので、タートルネックや襟の詰まった服をよく着る方に試してもらいたいアレンジです。春らしい軽いムードもつくれますし、まとめることで顔まわりがスッキリして、似合うファッションも増えますよ」

所要時間は慣れれば1分。細めの髪ゴム2本あればできるお手軽アレンジ法を早速実践していただきました。

(1)低い位置で簡単なおだんごをつくる
ベースに使うシアバターの量は、カチューシャのときより少し多めのパール2粒ほどが目安。スタイリング剤を髪全体になじませた後、髪を半分に折ったおだんごをつくる
(2)おだんごを上下に割る
おだんごを上下に開く
おだんごを上下に開くように中央から割る。「髪の毛が多少落ちてきても気にせずOK。その方がラフで抜け感のある仕上がりになります」
(3)ゴムで縛る位置をずらしておだんごを固定させる
鮫島さん後ろ姿
(上)おだんごを中央から割った状態そのままで、根元をゴムで2回縛る。その際に、1回目はふつうに縛り、2回目はおだんごの根元から上に少し位置をずらして縛るとニュアンスが出ます (下)おだんごをつくるのも面倒になった日は、「一つ結びの結び目にバレッタを付けてあげるだけでも十分華やかになれます」と鮫島さん。忙しい朝も、これならすぐに試すことができそうです

ナチュラルでさりげない色気が宿るおだんごヘアの完成。抜け感も演出でき、余裕のある大人のムードが漂います。「顔まわりがスッキリするヘアアレンジなので、イヤリングやピアスなどのアクセサリーも映えるんです」

おだんごヘアの完成
「一人ひとりに似合うボブは必ずあります! 自分らしさが光るボブを探すことができたら、今より世界が広がるはずです」

髪は女性の命にたとえられるほど、自分を表現するのに大切なもの。特に長い髪から大胆にチェンジするには大きな勇気が必要になります。鮫島さんは最後に、ボブに挑戦するのにあと一押し、前向きになれる言葉もかけてくれました。

「長い髪をばっさりカットしてボブに変身したお客様が“髪を切って自分に自信がもてるようになった”と話されることがあります。これまで挑戦してこなかったファッションやアレンジにも興味が出てきたりして、髪を切るだけで世界が変わって見えることもあると思うんです。いきなりボブにするのが不安であれば、最初はロブ、続いてアゴ下、アゴライン、アゴ上と、段階を踏んで、いろんな長さのボブを楽しんでいくのもいいと思います」

この春にイメージチェンジをしてみたい女性は、ボブヘアにしてみることから始めてみるのもいいかも。髪型から変わることで、モチベーションを上げ、内面もポジティブな自分にステップアップすることが期待できそうです。

PROFILE
鮫島里佳

KATE Mirror トップスタイリスト

品の良さと大人の色気を同居させたスタイリッシュなボブヘアが得意。その人に似合うバランスを考えた長さや質感調整のセンスも抜群。2021年にはビューティー雑誌『CYAN』でヘアスタイルの提案をするなど、美容エディターからも信頼を寄せられている。現在は、女性限定で新規のお客様も受付中。
Instagram:https://www.instagram.com/rika_samejima/

CREDIT

取材・文/渡辺愛 編集/本間綾乃(Roaster) 撮影/栗田真帆

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