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会社を辞めて、こうなった。【第23話】 元カレとの完全なる決別。 もう私には勉強しか無い!

  • 2015.9.9
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会社を辞めて、こうなった。【第23話】 元カレとの完全なる決別。 もう私には勉強しか無い!

長年勤めた出版社を辞めて、なんの保証もないまま単身アメリカに乗り込んだ女性が悩みながら一歩一歩前進して、異国の地で繰り広げる新鮮な毎日を赤裸々にレポートします。

【第23話】元カレとの完全なる決別。もう私には勉強しか無い!
さて授業が始まり、2週間が経ちました。状況としては大変絶望的なのですが、前に進むしかありません。まさにタイムリーなことに、その思いに拍車をかけるような出来事が起こりました。

絶対的な信頼感が・・

トゲトゲしていても可愛いのは、多肉植物だけ…。

私には離婚をしてからお付き合いをしたり別れたりを繰り返していた人がいました。かなり年齢が離れていましたが(同じくバツイチ)、とても尊敬出来る人で“世界のすべてが私に反対したとしても、この人ならきっとわかってくれる”という絶対的な信頼感がありました(お父さん、お母さん、こんな形でモト彼の存在を告白してゴメン!)。別れた後も「何かがあったらいつでも、そしてどこにいても必ず駆けつける」と言ってくれ、いつもどこかでつながっているような心の拠り所だったのです。

けれどもこちらに来て数々のトラブルに苛まれ、その度に連絡をしても連絡がつかない。家を追い出されたときにはさすがにヘルプサインを出しましたが、アメリカに助けに来ることはありませんでした。あのときは本当に部屋探しに苦労した…。毎日何時間もインターネットサイト“craiglist”にかじりつき、予算に見合う部屋を見つけたら下見をしたいと何十通もEメールを出す。どんな書き方が好印象を与えるのかと拙い英語をアレンジしながら文章を練りつつ、売り切れゴメンなので悠長に構えている暇もない。送ったメールに対して1/10ぐらいの確率で返信が来るのですが、部屋の面接を取り付けられるのはその1/3ぐらい。つまり30通メールを出せば、1軒面接に行けるかどうかという状況なのです。もちろん勉強に集中できる状況ではなく、部屋を探し続けていた3週間は生きた心地がしませんでした。食べたものも全く消化できず3キロ程度痩せてしまったほどです。

元彼からLINEが!

キュートなルームメイトの応戦を交わしながら、机に向かいます。

そんな彼から「娘がサンフランシスコに行くことになったので部屋探しを手伝って欲しい」と突然LINEに連絡が来たのです。さらには彼の娘さんからのメールがそのままLINEに転送され、つきましては私のメールアドレスを教えてほしいとあります。今まであんなに電話しても出なかったくせに!! しかも、その部屋の予算は私の家賃の倍以上。そして国からの補助金だといいます。しかも彼女の英語力は私と違ってネイティブレベル。私なんて貯金を切り崩しながら、ヒーヒー言って学費と生活費を工面しながら拙い英語で毎日をサバイブしているというのに(その事実も知っているよね?)。さらには、私の住んでいる家賃はいくら? とチャットで尋ねてきます。ええええええええええええええ?!?! なに、そのデリカシーの無さ! ちょっとワケがわからなさすぎて大混乱です。直接話をしたいと思い電話をかけますが、混線しているのか聞こえないフリをしているのか通話不能。そこでLINEでのメッセージのやり取りに逆戻りです。こんなデリケートな気持ちをチャットでやり取りしたくないよ!

すごく腹が立ったこと。家を追い出されて連絡しても、ストーカーに追いかけられても、盗難に遭ったときも一切助けてくれなかったのに、よく私にそんなことが聞けるなぁと疑問に感じた素直な気持ち。いつでも駆けつけるといったけど全然来なかったのに、突然娘が引っ越しするから連絡先教えてとは一体どういうことなのか、私にはワケがわからない。さらにはこの時点で私の電話に折り返しをせず、全てをチャットのやり取りで済ませようという不誠実さも理解し難いと送ります。

何を送っても暖簾に腕押しとはまさにこのこと。「アドバイスを求めたことがそんなにいけないこと?」と一言きたもんです。えっ、それだけ?! いやいや、そういうことじゃないんだよ、いろんな経緯が今まであったでしょうと思いながら、私のなかで何かがブツリと切れました。そして駅前のPeet’s Coffee & Teaで周囲のお客さんは日本語がわからないだろうと、思わず「バカヤローーーーー!!!!」と叫んでしまいました。

終了!

バークレーの4th streetはお気に入りの場所。東京生活を思い出させてくれるような感度の高い店が揃い、苦学生生活の息抜きがてら吸い寄せられるように訪ねてしまいます。 もう二度と連絡しないし、連絡もしてこないで欲しい。これからは完全なる赤の他人です。お仕事頑張ってください。私も私で私の人生を頑張ります。娘さんは1300ドルもあれば“craiglist”で良い物件が絶対に見つかります、と送って終了。私の4年間の恋は一体何だったんだろうか…。

実はバークレー心理学部で勉強をしたいと思ったのは、“利他的に生きると幸せになれる”と科学的に解明しようとしているケトナー先生のもとで勉強したかったから。でも今回の一件で、今の私の精神性は全くそのレベルじゃないことがよ〜くわかりました。なぜなら宇宙レベルで考えれば彼の娘さんも彼も私も区別性が無いので、今までのことはすべて水に流して一生懸命彼の娘さんの部屋探しだってできるはず。バークレーの代金の無いレストラン「カルマ キッチン」創設者のニップンさんだって、大切なことは記録を手放すことだと言っていました。でも私は、あーもう絶対無理! と思ったのです。こんなに人間的に未熟な私が一体全体そんな高尚な研究をする研究室の力になれるのでしょうか…。

コーヒーショップでカリカリしていたら、休日にもかかわらず2件のメールを着信しました。ひとつは宿題のエッセイについて相談したいと問い合わせたメールに対し、来週のオフィス・アワーに時間を割いてくれるという先生の返事。もう一通は従姉妹からの宿題の添削を手伝ってくれるという連絡でした。有難いなぁ! 涙が出そうです。「私にはもう後が無い。勉強に全力投球するしかない!」と改めて心に決め、店を出ようとすると…。あっ、日本人っぽい人が居るーーーーー!!!! そして私をじっと不審げに見ているーー。赤面しながら、こんなに怒ったのは子どもの頃の兄妹ケンカ以来だなぁと思って見上げた空は綺麗な夕焼けだったのでした。

SEE YOU!

大親友のジェイコブとアリエル夫妻と。

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PROFILE 土居彩

会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。」まとめ

編集者、ライター。14年間勤務したマガジンハウスを退職し、’14年12月よりサンフランシスコに移住。趣味は、ヨガとジョギング。ラム酒をこよなく愛する。目標は幸福心理学を学んで、英語と日本語の両方で原稿が書けるようになること。

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