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「悲しみは癒えないけれど...」栗原はるみ、75歳で「自分探し」第2章スタート

  • 2022.3.9
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3月5日に75歳の誕生日を迎えた料理家の栗原はるみさん。その前日に、講談社からパーソナル・マガジン、『栗原はるみ』が創刊された。単なるレシピ集ではなく、「栗原はるみという生き方」に焦点を当てた、新しい試みだ。

2019年に最愛の夫、玲児さんを亡くし、いまだ悲しみが癒えない栗原さん。「どうしたら、一人のご飯を楽しく作れるようになるのだろう?」と毎日のように思い悩み、そんな自分と真剣に向き合ううちに、やり残したことがたくさんあることに気づいたという。

新マガジンは、栗原さんが「今やりたい事、やらなければいけないこと、伝えなければいけないこと」を発信する場としてスタート。80以上のレシピのほか、ファッションや美容、インテリア、本、音楽、旅など、栗原さんの素顔と暮らしの知恵がギュッと詰まっている。栗原さんが前を向いて生きていくための「自分探し第2章」とも言える内容だ。

土曜日の朝ごはんは、ひと手間かけて

創刊号のテーマは、「私の週末。」。週末を目いっぱい楽しむための準備を始める金曜日から日曜日までの3日間にすることをリストアップし、レシピや暮らしのコツを素敵な写真とともに紹介している。

たとえば、「金曜日にすること」リストは次の通り。

01 チキンスープのストックを仕込む
02 いつ人が来てもいいように掃除をする
03 韓国語を学ぶ
04 花を飾る
05 友だちや孫にあげるお菓子を用意する

「自分だけのためにあれこれと今はまだ作れませんが、おいしいものを食べたいという気持ちは強く残っています」という栗原さん。一人だとつい食べることをおろそかにしがちだが、体によくて簡単な料理を考えることは、励みにもなっているという。

土曜の朝は、ひと手間かけて朝ごはんを作る。20分かけてじっくり焼いたウインナーに、白身の縁をカリッと焼き上げた目玉焼き、甘さ控えめのトマトケチャップは自家製だ。

庭の手入れも週末の楽しみの一つ。最近ではバジルやセージなどのハーブや、水菜、細ねぎ、ラディッキオやサンチュなどの野菜を栽培しているそうだ。

「前を向いて歩いていくために」と、2021年9月に思い切って改装したキッチンは、モダンな黒と白の市松模様の床が印象的だ。

「これからの私の人生を見ていてほしい。日々の暮らしは変わらないけれど、どんな小さなことも見過ごすことなく、そこから新しい楽しみを見つけられたら、きっと自分が変われるのかなと思います。」

そんな栗原さんを、キッチンの棚に飾られた写真の中の玲児さんが、優しく見守っている。

■栗原はるみさんプロフィール

1947年、静岡県生まれ。料理家。株式会社ゆとりの空間社長。『ごちそうさまが、ききたくて。』(文化出版局)ほか著書多数。著書の累計発行部数は3100万部を突破。NHK『きょうの料理』にもレギュラー出演中。生活雑貨ショップ「share with Kurihara harumi」、レストラン&カフェ「ゆとりの空間」などもプロデュース。

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