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勝手にネコババ!? 義実家に奪われた「結婚式のご祝儀」は取り戻せるか

  • 2015.9.2
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【女性からのご相談】

私は先日式を挙げた新婦なのですが、もともと義母と私は仲が悪く、結婚式を私の地元で行うことに大反対していました。しかし、予定通り地元での挙式を行うことにし、義兄と私の妹が受付をしてくれることになりました。 結婚式は私と彼で出資し、ご祝儀は夫婦2人で使う予定でした。式終了後、妹に確認すると、義兄が新郎側のご祝儀を持ち帰ってしまったようです。義実家に返金するように言うと、新郎側親族の交通費や宿泊費がかかったのでご祝儀は返さないと言われました。返金を求めることはできるのでしょうか。

●A. 今後のことを考えれば、話し合いによる解決を目指しましょう。

ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美です。

新たな人生の門出になる結婚式でお義母さんとのトラブルとはショックですね。結婚はたくさんのお金もかかるのでご祝儀はありがたいのが正直な気持ちですが、お義母さんと仲が悪いとは言っても、行き違いが生まれないように事前にきちんと話し合いをしておくべきだったかもしれませんね。

●ご祝儀は新郎・新婦のものとは限らない

さて、結婚式のご祝儀ですが、法律ではご祝儀はご夫婦のものという決まりはありませんが、通常は招待客から新郎・新婦にされた贈与と考えられます。また、結婚式の費用も全額新郎新婦が負担し、ご祝儀も二人で使う予定だったとのことなので、今回のご祝儀は新郎新婦のものと考えるのが妥当でしょう。

●交通費や宿泊費は気持ちの問題

新郎の親族の交通費や宿泊費の扱いは、地域や年代、家族によって考え方もさまざまであるのが実情で、お車代として交通費や宿泊費の全額や一部を渡したり、各自負担にすることもあったりと、結婚前に皆さんお悩みのようですね。お車代はマナーや心遣いとして渡されますが、法律的には結婚式に招待=お車代を出す義務が発生するとの決まりはなく、当事者の意思によると考えられます。

今回は新婦の地元での結婚式とのことで、お車代の扱いを事前に話し合ったと思いますが、どんな取決めをしていましたか?

もし新郎新婦が払うと約束していれば払う必要がありますが、特別な取決めもないとか各自負担ということであれば、お車代を負担する義務があるとまではいえず、ご祝儀全額の返金を請求できる可能性が高いでしょう。招待客の数は不明ですが、一般的にはご祝儀全額がお車代とはちょっと高過ぎるようにも思われます。

もし義実家にどれだけお願いしても返してくれないのなら、調停や裁判などでお金の返還を求めることができます。

●横領罪になる可能性も

なお、義兄は結婚式の受付を担当され、ご祝儀を招待客から預かって保管する役目を担っていたのに、ご祝儀を持ち帰って親族の交通費などに勝手に使ってしまっており、横領罪にあたる可能性もあります。ただし、今回の義兄は該当しませんが、親族相盗例といって、配偶者・直径血族・同居の親族による窃盗罪や横領罪など一定の犯罪は、刑が免除されることになっているので注意が必要です。

●話し合いでの解決が一番

親族間のいざこざや、ご主人の無理解・非協力的な態度が離婚の原因になってしまうこともあり、難しい問題です。結婚は、法的にも事実上も末永くお付き合いする新たな親族とのつながりを生むものですし、できればお義母さん達と話し合いで解決が第一です。新婚早々大変ですが、夫婦二人で協力して困難を乗り越えられたら夫婦の絆も深まりますので、よく話し合ってくださいね

●ライター/正木裕美(弁護士)

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