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『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』マクシムがキエフで爆弾シェルターへ避難、現地状況を動画で公開

  • 2022.2.25
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ウクライナ出身のプロダンサーであるマクシム・チェメルコフスキーが、首都キエフから動画で現状を伝えた。(フロントロウ編集部)

ロシアの脅威、キエフの状況は?

アメリカのオーディション番組『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』に2005年のシーズン5から2018年のシーズン26まで出演していた古参プロダンサーであり、ウクライナ出身のマクシム・チェメルコフスキーが、首都キエフからインスタグラムに動画を投稿した。

ウクライナの隣国ロシアのプーチン大統領は、2022年2月22日に、ウクライナに対する軍事侵攻を決定。ロシアは、旧ソ連と東欧諸国に対抗するために1949年にできた軍事同盟であるNATOにウクライナが加盟することに強固反対しており、これが今回の軍事侵攻の大きな理由の1つだと見られている。

ウクライナの首都であるキエフでも爆発音が確認されていると、欧米の複数メディア伝えており、マクシムが公開した動画の後ろでも軍車両から警戒音が鳴らされていることが分かる。

「いつでも別の方法がある!戦争が答えであることは絶対にない!」というコメントを添えた動画のなかで、マクシムはウクライナの人々の現状をこう伝える。

「(アメリカの)家に帰りたい。そして私にはその方法があると気がつきました。(ウクライナのパスポートでなく)別の(アメリカの)パスポートを持っているからです。私の家族も遠くにいます。そして私が気がついたのは、私の友人たちは、自分の子供たちも、自分の母親たちも、自分の父親たちもここにいるのです。年配の人々もいます。みんなはただここから逃げ出るということはできません」

戦争に巻き込まれた市民は、簡単にその状況から脱出できない。ウクライナで始まるダンス番組のために母国へ帰国していたマクシムに、オーストラリア人の妻でプロダンサーのピータ・マーガトロイドと息子は同行していなかったが、ウクライナで生まれ育ち、家族も全員国内にいる人は多い。

マクシム、ウクライナ人としての思いを明かす

マクシムは続けて、「私は、遠くから、安全な距離から、誰かの安全を願っているわけではありません。私は、これから爆弾シェルターへ向かおうとしている1人です。なぜなら、最悪なことが起こっているから」と、キエフに住む人々が直面する危機的状況を伝え、動画のキャプションで、ウクライナ人として生きてきたうえでの経験も明かした。

「私は今後、同じようにはいられないでしょう。ストレスのかかることで、昔の感覚を思い出します。これを過去に経験したことがあります。これは、90年代に私たちが経験し、なぜ国を出たかを思い出させます。最近やっと治ったPTSD(心的外傷後ストレス障害)が再発しそうです。やっと“いつでもギリギリの状況にいる”という感覚を忘れ、バーベキューセットの心配をできるようになっていたのに。これを打ちながら泣いています。なぜなら、すべての人は、バカげた戦争ではなく、“バーベキューセット”の心配をできるべきだからです。愛する人たちを抱きしめてください」

ロシア国内でも大規模な反戦デモが発生

マクシムは動画のなかで、ロシアに住む人々へ向けて、「ロシア人も立ち上がり、声をあげるべきだと思います。誰の意見も聞こえてこないからです。これはただ1人の男の野心です。モスクワでどう都合良く聞こえても、ロシアのどこかで良いように聞こえても。これは正しいことだと思えません」と明確に意見を口にした。

そして実際に、ロシアでは声をあげる国民も増えている。

画像: 戦争に反対するデモ参加者。(2022年2月24日にモスクワで撮影)
戦争に反対するデモ参加者。(2022年2月24日にモスクワで撮影)

ロシアの首都モスクワを含む各地で、ウクライナへの侵攻に抗議するデモが発生しており、47都市で1,700人以上が逮捕されたと、ロシアの人権団体OVD-Infoが伝えている。

プロテストに参加した人々は、「戦争にノー」などと叫び、明確に戦争に反対している。また、武力侵攻が起こる前から、ウクライナとの戦争に反対を表明していた人も少なくない。

2月中旬には、全ロシア将校の会の会長であり、NATOの東方拡大に反対するレオニード・イヴァショフ退役大将が、プーチン大統領はウクライナとの間に「人工的に」軋轢を作りだしており、戦争が始まれば多くの命が失われるだけでなく、「ロシア人とウクライナ人を永遠に決定的な敵同士とするだろう」として、プーチン大統領に辞任を求めるオープンレターを公開し、驚きの声があがった。

さらに、その数週間前の1月には、ミュージシャンのアンドレイ・マカレヴィチを含む多くの著名人が1つのオープンレターを公開し、「誰も私たちを脅していない。誰も私たちを攻撃していない。戦争を起こすという政策は反倫理的であり、無責任で、犯罪である」と、戦争反対の姿勢を明確にしていた。

(フロントロウ編集部)

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